■ 広宣流布への願業 日蓮大聖人の仏法が、全世界に流布することを「広宣流布(こうせんるふ)」といいます。 広宣流布の様相(ようそう)について大聖人は、 「妙法独(ひと)りはむ昌せん時、万民一同に南無妙法蓮華経と唱へ奉らば、吹く風枝(えだ)をならさず、雨土(つち)くれをくだかず、代はぎのうの世となりて、今生には不祥の災難を払ひて長生の術を得、人法共に不老不死の理(ことわり)顕はれん時を各々御らんぜよ、現世安穏の証文疑ひ有るべからざる者なり」(如説修行抄 新編六七一) と教示されています。 すなわち、日蓮大聖人の仏法が広宣流布したときには、自然界の働きも平穏なものとなり、個人においても災いを払い、長寿を保つことができ、社会においても真の平和を築くことができると仰せられています。 この広宣流布の実現は、御本仏大聖人の御遺命(ごゆいめい)であり、正系門下である日蓮正宗僧俗が夢寐(むび)にも忘れてはならない一大願業(がんぎょう)です。 大聖人は広宣流布について、 「広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的(まと)とするなるべし」(諸法実相抄 新編六六六) と仰せられ、末法において未来万年までも全世界にこの南無妙法蓮華経が流布されていくことを示されています。法華経『薬王品第二十三』にも、 「我が滅後の後、後の五百歳の中に、閻浮提(えんぶだい)に広宣流布して、断絶せしむること無けん」(開結五三九) と、末法濁悪(じょくあく)の世において正法が、未来永劫(えいごう)にわたり日本一国のみならず一閻浮提に流布されていくことを説かれています。 この大聖人が御遺命された広宣流布の実現に向かって精進する精神は、第二祖日興(にっこう)上人に厳然と受け継(つ)がれ、日興上人は『遺誡置文』に 「未(いま)だ広宣流布せざる間は身命を捨てて隨力(ずいりき)弘通を致すべき事」(新編一八八四) と示され、門下一同に対し不惜(ふしゃく)身命の折伏弘通を厳命されています。 したがって、広宣流布の実現に向けて折伏弘通に挺身(ていしん)することこそ、日蓮正宗僧俗の使命なのです。 |