| 御法主上人猊下お言葉 |
| 5月度広布唱題会の砌 (令和8年5月3日 於総本山客殿) 本日は、五月度の広布唱題会に当たりまして、皆様方には諸事御繁忙のところ、時間を割いて出席され、まことに御苦労さまでございます。 既に皆様方には御承知の通り、法華経方便品第二には、 「若し法を聞くこと有らん者は一りとして成仏せずということ無げん」(法華経 二八n) と説かれています。 すなわち、この法、妙法蓮華経を聞く者は誰でも必ず成仏することができると説かれているのであります。そもそも涅槃経には「一切衆生悉有仏性」と説かれまして、一切衆生は皆、本来的に仏性を持っているから、必ず成仏することができると説かれています。 しかし、仏性を持っているというだけでは成仏には至りません。そこに「法を聞く」という行為、つまり信心がなければ、成仏には至らないのであります。と同時に、ここで大切なことは、この法が一体いかなる法であるかということであります。 大聖人様は『高橋入道殿御返事』に、 「末法に入りなは迦葉・阿難等、文殊・弥勤菩薩等、薬王・観音等のゆづられしところの小乗経・大乗経並びに法華経は、文字はありとも衆生の病の薬とはなるべからず。所謂病は重し薬はあさし」(御書 八八七n) と仰せであります。 すなわち、末法においては、文上の法華経では衆生の病の薬とはならないと仰せあそばされているのであります。 では末法の衆生は、一体いかなる法によって幸せになれるのか、成仏することができるのかと申しますと、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の教えによって、初めて成仏することができるのであり、既に皆様方も御承知の通りであります。 されば、大聖人様は『高橋入道殿御返事』に、 「其の時上行菩薩出現して妙法蓮華経の五字を一閻浮提の一切衆生にさづくべし」(同n) と仰せられています。 すなわち、末法の本未有善の衆生は、上行菩薩、つまり内証久遠元初の御本仏宗祖日蓮大聖人様がお説きあそばされるところの教えによって、初めて成仏得通がかなえられるのであります。 したがって「若し法を聞くこと有らん者は」の法とは何かと言うと、まさしく大聖人様が御建立あそばされた三大秘法の南無妙蓮華経のことであります。 しかしまた、大事なことは、法は最高の教えであったとしても、この法を聞く者の信心が問題であります。この「聞く」という意味は、ただ単に耳で聞くということだけではなく、身口意の三業にわたって聞くということであります。信心をしていると言っても、身口意の三業がバラバラでは信心を全うしているとは言えなくなります。 私どもは、身口意の三業にわたってお題目を唱え奉る時、初めて「一りとして成仏せずということ無けん」との御金言を拝することができるわけであります。 そもそも、大聖人様は『十章抄』に、 「名は必ず体にいたる徳あり」(同 四六六n) と示され、妙法蓮華経と唱える功徳は、そのまま我が身に功徳となって具わると仰せあそばされているのであります。 さらに、ここで大事なことは、私どもの信心においては自行ばかりの信心、折伏を忘れた信心では、大聖人様の御意にかなう信心とは言えないということであります。 特に末法の今日においては、諸宗諸教はすべて無得道、堕地獄の根源であり、末法の御本仏日蓮大聖人様の教え以外に、私どもが幸せになれる法はないことを一人ひとりがしっかりと確信をして、一人でも多くの人々に対して折伏をしていくべきであります。 まさに、御本仏大聖人様の正しい仏法を信じなければ、本当の幸せは得られないということを真心を込めて訴えていくことが、今、極めて大事であります。その確信ある私達の言葉が必ず相手の心に伝わっていくのであります。相手の幸せを祈り、確信を持って折伏に当たれば、必ず相手の心を開くことができます。 大聖人様は『阿仏房尼御前御返事』に、 「云ひて罪のまぬかるべきを、見ながら聞きながら置いていましめざる事、眼耳の二徳忽ちに破れて大無慈悲なり。章安の云はく『慈無くして詐り親しむは即ち是彼が怨なり』等云云」(同九〇六n) と仰せであります。人々が謗法の害毒によって苦しんでいる時、それを黙って見過ごして何もしなければ、これほど無慈悲なことはありません。我々はこのようなことは決してないようにしなければなりません。 この世の中には、多くの邪義邪宗が蔓延しており、それらに誑かされた人達が大勢います。そういう人達に対して、不幸の原因は間違った教え、すなわち謗法にあることを真心を込めて知らしめて破折し、救っていかなければならないのであります。これが私どもの信心であり、折伏であります。 大聖人様は『千日尼御返事』に、 「大善も用ふる事なし。法華経に値はずばなにかせん。大悪もなげく事なかれ、一乗を修行せば提婆が跡をもつぎなん」(同一四七五n) と仰せであります。 まさしく今日、御本仏大聖人様の仏法によって、たとえいかなる人でも、過去遠々劫からの謗法の罪障を消滅して成仏できるということは、この御金言によっても明らかであります。 されば今、宗門は本年を「団結行動の年」と定めて、全国の講中が僧俗一致・異体同心の団結をもって折伏を実践し、一天広布を目指して戦いを展開しております。 この時に当たり、私ども一同、一人ひとりが老若男女一人も漏れなく、謗法の害毒によって苦しんでいる多くの人達を見て、黙って見過ごすことなく、一人でも多くの人に対して折伏を行じ、救っていかなければならない大事な使命があることを忘れてはなりません。 皆様方には、いよいよ強盛に講中一結・異体同心して敢然と折伏を行じ、妙法広布へ向けて前進され、もって自行化他の信心に励まれますよう心からお願いをいたしまして、本日の挨拶といたします。 |