令和5年12月16日付

功徳は一切無障礙の境界、涌き出る歓喜

とどまることなく折伏精進

 現在、本興院には、台湾全十三本部のうちの北中・北東・北西・北南の四つの本部があり、約二万名が所属している。
 今回は、北中本部の幹事を務める林卿芸(リン・ケイウン)さんにお話を聞いた。
  
●初めて折伏したのはいつかを教えてください。

 本興院開所から四年後の平成十二(二〇〇〇)年三月です。この年三月に、組織体制強化のため中山支部と松山支部が誕生し、それぞれに新たな折伏誓願目標が定められました。
 私はまだ役職はありませんでしたが、「松山支部の成果をゼロのままにしてはいけない」と決意して会社の秘書を折伏し、三月二十八日にその方とお嬢さんを入信に導くことができました。嬉しいことに、それから間もなく邪宗教の尼を折伏し、御授戒を受けさせることができました。これにより、折伏達成に強い自信が持てました。
●これまでどれくらい折伏されましたか。

 初めて尼を折伏した後、「もっと挑戦したい」という気持ちが生まれ、台北駅で別の邪宗教の尼に出会った時、即座に折伏しました。隣に立って聞いていた女性が信心の話に歓喜し、私とお寺に行って御授戒を受けました。常にチャンスをとらえて折伏を実践し、年間三十九人を折伏できた年もあります。
 平成十四(二〇〇二)年四月、本興院から代表信徒がフィリピンの事務所開所式の法要に参加しました。私は、現地ガイドであるギャリーさんの助手・アレックスさんを折伏し、彼は当時の尾林海外部長様に御授戒を執り行っていただけました。以来およそ半年ごとにフィリピンに折伏・育成に通い、英語による座談会を開催しました。二、三台の乗り合いタクシーに彼らを乗せて事務所で奉修される御報恩御講に参加させ、寺院参詣の重要性を教えたりもしました。
 ある時、タクシー運転手のアルメルさんと知り合い、彼とご家族を折伏しました。今では、彼も奥さんも役員を務めています。娘さんも御授戒を受けて真剣に勤行・唱題を実践してフィリピン大学に合格し、現在は会計士として活躍し、お寺では英語からフィリピン語への通訳を担当しています。一家のすばらしい信心の実証を、私も心から嬉しく思っています。
 ギャリーさんの折伏はその一年後でした。その後、フィリピンでの折伏・育成の際、ギヤリーさんは通訳を担当し、アルメルさんは私を様々な場所に連れていってくれ、二人のお陰で、折伏活動が安全かつ順調に進みました。この折伏活動は十年間続き、その間にフィリピン事務所が布教所に昇格し、御親修を賜って広宣山法開寺となるまでに、約四百五十人を折伏できました。彼らへの折伏が寺院建立の一助となったなら、この上ない幸せです。
 多くの人々が「自分の信心はまだ十分ではないので、折伏は能力のある人に任せればよい」と考えます。しかし、このような考え方は正しくありません。折伏はそれぞれが実践しなければならない重要な修行で、すべての人が励まし合いながら行うべきです。

●折伏を通じて得られた功徳を教えてください。

 松山支部主任に就任してからも、常に折伏を実践しています。その結果、御本尊様の御加護を賜り、会社の業務や家庭、子供、孫のことなど一切、心配の必要がありません。息子夫婦・娘夫婦が会社の管理職として業務を担ってくれますし、孫たちも皆、成績優秀です。
 数年前、夫が医師の勧めで心臓弁膜の交換手術を受けました。十時間に及ぶ手術後、ICU(集中治療室)で意識を失ったまま三週間も死の淵をさまよい続けましたが、当時の御主管(石橋頂道御尊師)に御祈念いただいて快復しました。夫自らもリハビリに励んだ結果、体に麻痺が残りましたが思考は明瞭で、生活上に多くの助言をくれます。そして、御主管に「なぜ長い間、折伏に精進しているのに、こんなことが起こるのか」と伺ったところ「願兼於業」を御指導くださいました。
現在の人生が自らの誓願によるならば、「かけがえのない経験」ととらえられます。
 六年間の主任と七年間の幹事の経験から、折伏が私にもたらした最大の功徳は、御仏智を得てさらなる折伏への勇気が涌き、「信心の喜び」を体験する境地に達することができた、ということです。
●現在の一家三代の信心における法統相続の秘訣は何でしょうか?

 まず何より、自らが範を示すことです。
 孫娘が幼い頃、私とタクシーに乗る時に、私は常に運転手を折伏しました。間近でそれを見ていた孫娘は、タクシーに乗るたびに「お祖母ちゃん、早く運転手に話を」と言って、側で静かに聞いていました。息子は現在、本興院で通訳を担当しています。日本に留学中、同級生の中国人を折伏し、成就しました。台湾で働いてからも、同僚を折伏して入信させました。今は高校時代の同級生を折伏していますが、きっと成就すると信じています。

●本部の責任者である幹事として、今後の決意をお聞かせください。

 毎年の折伏の目標は御法主上人猊下から賜っているととらえ、皆が「誓願目標は非常に尊いもの」と認識することが重要だと思います。本部組織は、一人ひとりが、目標を達成しようという共通認識のもとに熱意を持って自発的に折伏の現場で動き、臆することなく折伏対象者に向き合えるように激励します。これは現御主管の堀田信宣御尊師が強調される「全員折伏」の御指導に合致するものです。
 折伏に加え身の供養や財供養も行い、お寺をより繁栄させて台湾広布を磐石にし、もっと多くの御僧侶に常駐いただいて、僧俗異体同心して広布への大願を実現させたいです。今、私たちは末法の一切衆生を救済するべき重要な時期にいますから。
「湿れる木より火を出だし、乾ける土より水を儲けんが如く」(御書七一八n)
の強い一念で、喜びをもって大聖人の御遺命である広宣流布達成をめざし、御主管の御指導のもとに本興院信徒一丸となって努力を重ねます。