令和5年2月16日付

現在の繁栄は登山と唱題の功徳の賜

感激そのままに推進

 UK(英国)は、グレートブリテン島とアイルランド島北東部にあり、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドからなる連合王国である。そのうちグレートブリテン島の北三分の一を占めるのがスコットランドである。
 今回は、そのスコットランドの首都エディンバラに住むシンプソン・香麗(かおり)さんにお話を聞いた。
  
●初めに簡単な自己紹介をお願いします。
シンプソン
 私は一九九八(平成十)年、英国の大学進学を機に渡英しました。
 英国に来る前は、母と姉と私の三人でフィリピンのマニラに住んでいました。当時、母が経営していた日本料理店を手伝いながら、フィリピン初の日蓮正宗寺院の建立に向けて、地元信徒と共に活動に励みました。
 英国の大学を卒業した後、主人を折伏し、一緒に東京に移り住みました。
 東京では、かつて私が御授戒を受けたという深いご縁のある妙光寺に所属させていただきました。主人と共に英語の座談会に参加して、法華講の皆様と共に活動に励みました。
 妙光寺法華講の皆様から励まされながら日本での信心活動を二年間経験した後、二〇〇三年に主人の故郷である英国スコットランドの首都エディンバラに戻り、大学時代からお世話になっていた英国法華講の皆様と一緒に活動させていただいてきました。

●では、日蓮正宗の信仰で得た功徳の体験をお話ください。
シンプソン
 二〇〇八年、料理学校に通い始める中、在エディンバラ日本国総領事館で総料理長の下で仕事をさせていただくという貴重な経験ができました。その後、母から受け継いだ九州のおいしい味をスコットランドの皆様に食べていただきたいとの思いで、エディンバラの一角で開催されている日曜マーケットで焼うどんの屋台を出店するようになりました。
 屋台が軌道に乗り始めた頃、仕事のストレスから主人が鬱病にかかってしまいました。夫婦二人で「信心を根本に乗り越えよう」と決意し、主人は入院中も欠かさず朝夕の勤行を行い、私も病院へ見舞いに通いながら、毎日三時間の唱題をしました。
 そのような中、昔の主治医が会いに来てくださり、強い薬が大量に処方されていることを教えてくれました。すぐに不要な薬の服用をやめたところ、主人は次第に元気を取り戻し、鬱病を完治して退院でき、以前のように仕事にも復帰できました。御本尊様の御加護に感謝の念が尽きません。
 二〇一三年には、エディンバラに日本料理レストラン「原宿キッチン」を開店することができました。屋台で培った経験とご縁により、お陰様で多くの常連のお客様たちが来てくださって繁盛し、各メディアでも様々な賞を受賞させていただきました。
 しかし二〇二〇年の春には新型コロナウイルスによるロックダウンが起こり、エディンバラの飲食業界も大きな打撃を受けました。最初の六カ月は夫婦で必死に毎日三時間の唱題行を行い、出前やテイクアウトを中心にレストランを続け、毎晩、宣伝や売り込みに走り回りました。最初の頃はいつ閉店に追い込まれてもおかしくない状況でしたが、唱題の功徳で毎日、出前と仕出しの注文が殺到するようになり、お陰様で店が潰れることはなく、今も営業を続けています。

●登山の体験についてお話ください。
シンプソン
 英国から日本へは早くて十四時間、航空会社によっては二十二時間かかります。英国からご登山することは、精神的にも経済的にも大きなチャレンジになります。
 私は英国法華講の登山部長をさせていただいていて、少なくとも一年に一度は登山させていただいていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大以降はご登山できませんでした。
 しかし昨年五月、日本政府の新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が緩和され」英国法華講員としてコロナ禍以来、初の添書登山が叶いました。三年ぶりに三門の前に立った時はとても感激し、本門戒壇の大御本尊様への御内拝では、感謝の気持ちで涙があふれ出ました。
 日本滞在中に仕事面での大きな障害にぶつかり、品川区の妙光寺や墨田区の常泉寺に毎日通って御題目を唱えました。英国に戻った六月には、それらの問題が解決し、かえって大きな功徳を戴くことができました。遠くから長い時間かけて総本山に参詣申し上げた功徳を、強く実感しました。

●英国での日々の信仰活動についてお話ください。
シンプソン
 ロックダウン以来、私たち英国法華講員が所属するスペイン妙昌寺の御住職・在間良妙御尊師のもと、他の管轄国の法華講員(スペイン、ポルトガル、フィンランド等のメンバー)と共にオンラインで各種会合に参加しています。時には、フランス信行寺の御住職・中野道賢御尊師やご信徒とオンラインで交流することもあり、コロナ禍を機に今までにない新たな活動が開始されました。これも変毒為薬なのだと改めて実感しています。
 さて、ロンドン、イングランド、アイルランドの各地区では、実際に集まっての会合が昨年春から始まりました。
 私の住んでいるスコットランド地区では持病のあるご信徒もいますので、ロックダウン以降、未だにオンラインでの会合のみですが、毎月開催しています。今年は在間御住職をお迎えして、皆で集まっての会合を予定しています。同じ広布の志を持つ皆で集まって共に信心活動できることが、どれほど有り難いことなのか、ロックダウンを通して実感できました。感謝と喜びを皆で分かち合っています。

●今後の目標をお話ください。
シンプソン
 今まで登山部長としてご登山のお手伝いをさせていただいていましたが、今年から光栄にも、さらに重要な英国信徒団体の役員の一人に選ばれました。改めて自分は英国に重大な広布の使命があるとの実感を胸に、この生涯をスコットランド、英国広宣流布のため折伏・育成に努め、英国での日蓮正宗寺院建立に向かって貢献させていただきたいと思っています。
「命限り有り、惜しむべからず。遂に願ふべきは仏国なり」(御書 四八八n)
との御金言を心肝に染め、全身全霊で正法広布にご奉公させていただく決意です。