令和4年10月16日付

めざすは広宣流布 国土は違っても

異体同心して成長を この地で

 オーストラリア西部の沿岸にあるパースは、人口二百十一万人の西オーストラリア州最大の都市である。ビーチには真っ白な砂浜と青く透き通った海が広がり、都市部には高層ビルが建ち並んで多くの人々が行き交っている。
 オーストラリアは未だ寺院・布教所がなく、現地の信徒は、定期的に唱題会や座談会、折伏座談会を開いて活動している。
 今回は、パースの連絡責任者である小熊優宙さんにお話を伺った。
  
●はじめに自己紹介と、パースでの活動についてお話しください。
小熊
私は信心している両親のもとに生まれました。
 パースへ来たのは二〇〇九(平成二十一)年末です。その頃は、ここに住んでいる日蓮正宗の信徒は二、三人でしたが、今では座談会を開くと十五人ほどが集まるようになりました。パースにいるオーストラリア人の信徒は少数で、ほとんどが海外からの移民です。
 皆が集まる活動は月に二回を基本とし、信徒宅を会場にして広布唱題会や会合などを行っています。新型コロナ感染症の騒動があって、座談会が今までのようにできませんでしたが、近年は一人ひとりに力がついてきて、常駐の御僧侶がいない中でも、新来者を招いて皆で力を合わせて折伏しています。
 当初は海外部から送られてくる御法主上人猊下の御指南や事前に準備した資料を読み合わせるだけで精いっぱいでしたが、今は、日本語の資料を集めて英訳し、新入信者や新来者が正しく信心を理解できるよう育成に努めています。
 コロナ禍が始まる前は、年に二回、海外部の御僧侶がパースに訪問してくださいました。
 現在は海外部主任・芝 頂恩御尊師のもと月に二回、オンライン座談会を開催していただいています。常駐の御僧侶のいらっしゃらない中では、オンラインであっても御指導いただけることは、とても有り難いことです。
 また、御僧侶に早くいらしていただきたいという気持ちと同時に、自分から求める信心をしなければいけないと思うようにもなりました。「自分が折伏した人を総本山にお連れするのだ」という気持ちで、日々の活動に励んでいます。

●信心の体験談をお話ください。
小熊
 日本にいた頃の総本山任務、また寺院での活動を通じて、常に御本尊様を中心として生活することの大切さを学びました。仕事のシフトが座談会に重なるようなら、上司に信仰の話をし、予定を調整して座談会に必ず出られるようにしてきました。
 学生時代には英語も勉強もろくにきなかった私が、どこへ行っても常に仕事に恵まれ、理解ある上司や同僚と働けているのは、御本尊様に守られているとしか言いようがありません。また、渡豪して間もない頃は物価が高くて生活できるか不安でしたが、今ではゆとりのある生活を送れています。これも信心の功徳と感じています。
 当初は現地との価値観の違いを感じることもありましたが、共に積んできた体験は信心の上で大きな成長に繋がっています。この信心をしていなかったら自分の欠点に気づかず自分を正すことができず、人として成長することはもっともっと難しかったと思います。そのことに気づかせてくれる御本尊様の功徳は本当にすばらしいです。
 パースにある専門学校に通っていた頃にプレゼンテーションの授業があり、それが座談会に役に立っています。人前での発表やパソコン操作が苦手だった私ができるようになったのも大きな成長です。
 オーストラリア人である私の夫は未入信ですが、私が英語で作った資料を、毎回、確認するなど手伝ってくれます。これは夫に対する折伏にもなっていると思っています。夫はときどき一緒に御題目を唱えてくれたり、彼の母親や兄弟に座談会へ参加するように勧めてくれたり、とても協力的です。芝御尊師の御指導である、「身内の育成、折伏に力を入れる」ことを念頭に置き、一日でも早く夫の入信が叶うように御祈念していきます。

●最後に今後の決意を一言お願いします。
小熊
 日本にいた頃、私は海外信徒の登山する姿を見て深い感銘を受けました。所変わって海外にいると、日本の方々の信心姿勢に大きな刺激を受けます。環境や場所が異なっていても広宣流布をめざすことには違いはありません。御法主上人猊下のもとに全世界の皆と異体同心して、共に信仰に励んでいきたいと思います。
 以前、御開扉を受けた時に「私は過去世において御本尊様に、”来世で広布のお役に立てるように”と願ったのだな」と思ったことがあります。過去からの因縁でこの信心に巡り合えたことを自覚し、日々御本尊様に感謝することが大事だと思います。今信心ができるということがどんなにすばらしいことか、この思いを来世にも繋げられるような信心をしていきたいです。