令和4年7月16日付

信心の確信つかむ機会を青年に

次代に繋ぐ広布への道

 本照院は、高雄・法宣院、台中・妙行院所属の法華講員の教宣拡大により、彰雲布教所が発足したことに始まる。
その後も折伏・育成の勢いは止まることなく民国九十九(平成二十二)年一月二十三日に御法主日如上人猊下の御親修を賜り、寂光山本照院山号院号公称並びに板御本尊入仏法要が奉修された。
 今回は、本照院所属の五支部のうち員斗支部の主任を勤め、さらに毎年の折伏目標を達成し、特に青年部の育成に力を注いでいる・淑淇(ザン・スーチー)さんにお話を伺った。
  
●自己紹介をお願いします。

 私は本照院のすぐ近くの彰化県員林市で生まれ、二十五歳の時に家族全員で日蓮正宗に入信しました。
 二十九歳で結婚し、「これからは夫と幸せに暮らせる」と思っていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。毎日主人との関係に悩み、経済的にもかなり苦しみました。
 このままではいけないと一念発起し、御本尊様に「これからは信心を根本に仏道修行に励んでまいります。一家和楽のため、どうか困難を乗り越えていけますように」と御祈念申し上げ、仏道修行を中心とした生活に切り替えていったところ、徐々に解決していくことができました。
 現在は本照院彰雲本部、員斗支部主任の任をいただき、本照院御主管・秋元成泰御尊師の御指導のもと、毎年の支部の折伏誓願目標を着実に完遂させていただいています。

●青年部の育成を特に重視してきた理由を教えていただけますか。

 最も根本的なことは、広宣流布を実現するのは、青年部の育成なくしては叶わないと思ったからです。
 それともう一つは、若い人たちに、青年期の発心する以前の私と同じような苦しい経験をさせたくなかったからです。
 若くて体力、活力がある青年期を無駄にせず仏道修行に励んでいければ、御本尊様の功徳を頂戴し、仏法の道理の上から大きな視野を持って人生を歩んでいくことができるはずです。

●青年部を育成していく中で直面した問題は、どのように解決していますか。

 青年部に限ったことではなく、人材育成は簡単ではありません。というより、常に何らかの問題に直面していると言ったほうがよいかも知れません。
 多くの青年部員から、「人生一度しかない青春を、なぜ寺院参詣、勤行・唱題、また、折伏に費やさなければならないの?」と言われます。若い時の私もそう思っていましたから、彼らの気持ちはよく判ります。しかし、それではいけない、幸せになることはできない、ということも知っています。
 そのことを伝えたいと思い、毎日お寺の唱題会に参詣し、御本尊様に、「どうか御仏意を賜り折伏・育成を進めていけますように、お願い申し上げます」と御祈念しながら、青年部員と向き合っています。
 そしていつも彼らに、「仏道修行に励むことは一見、時間の無駄に見えるかも知れない。けれど、毎日の真剣な仏道修行の積み重ねが、将来必ずあなたの身に功徳という結果として顕われるのよ。だから一緒にお寺に行きましょう」と激励しています。
 青年部に限らず、育成対象者の信徒とできる限り多くの時間を共有し、お寺で一緒に唱題してから激励するように心がけています。

●・さんは支部の青年部にとって、信心の大事を教えてくれる母親のような存在なのですね。具体的な育成活動について教えてください。

 ある日、お寺で唱題中、「青年部員に何かお手伝いをさせることで参詣を推進できないか」と思い、すぐ秋元御主管に御指導をいただき、実行することにしました。
 例えば、お寺で行われる支部唱題会の司会や太鼓は青年部の担当にする。また機関誌『本興』の音読を青年部にしてもらうこと、などがあります。それだけでなく、法要の際の準備・整理・警備も、できるだけ青年部を激励して、手伝ってもらうようにしています。
 様々なお手伝いの経験を積めば積むほど、皆が「任されている」という責任感とやり甲斐を感じて、部員同士でコミュニケーションを取り、自主的に動けるようになりました。その結果、青年部の信心の向上、寺院参詣の習慣化に繋がっていると感じます。
 しかし、最初のうちは失敗と挫折の繰り返しでした。太鼓のリズムをうまく取れず導師の声に合わせることができなかったり、教材として使う『本興』内の仏教用語が難しく、うまく音読できないことがあったり、法要の手伝いの約束を反故にされるなど、問題が山積みでした。
 そのような中でも秋元御主管は、青年部に対していつも温かく激励してくださいますので、青年部は失敗しながらも、御本尊様に対するご奉公の大事を徐々に理解できるようになりました。
 お寺のお手伝いを通じて寺院参詣が習慣化してきたある日、ある青年部員が私にこのように言いました。「いつも私たちの側にいて、御本尊様へのご奉公の大事や折伏の重要性を教えてくれてありがとうございます。もし主任の激励と今までの寺院参詣がなかったなら今の私たちはないし、恐らく家族や友人にもっと多くの迷惑をかけたかもしれません」と。
 今もこの言葉が育成のモチベーションになっています。こちらが育成しているようで、実は私自身が青年部員に育成されているのだと痛感し、さらに自身の信心を磨いていかなくてはと改めて思いました。

●最後にひと言お願いします。

 青年部の信心を育成できれば、広宣流布は必ず成就できると確信しています。
 御法主上人猊下の、
「広宣流布は、僧俗一致・異体同心して、折伏を行じてこそ達成できるのであります」(大日法 七六五号)
との御指南を身に体し、広宣流布のために秋元御主管の御指導のもと、僧俗一致・異体同心してさらなる折伏・育成に邁進してまいります。