令和4年6月16日付

登山の絶大な功徳 病の克服と揺るがぬ確信

コロナ禍は心の財を積む機会

 寺院がなく常駐僧侶もいないペナン共和国の信徒は、全員ガーナの法華寺に所属して日々信心に励んでいる。
 今回はペナン広布のために日々努力を重ねるペナンのリーダー、ゼンペ・コムヌ・ぺノア氏に話を伺った。
  
●信心を始めたきっかけを教えてください。
ゼンベ
 私がこの信心に巡り合えたのは、隣国トーゴ共和国に滞在中の一九八六(昭和六十一)年に、トーゴ信徒の前リーダーであったジョン氏と出会い、教えてもらったことがきっかけです。当時はSGI(創価学会インターナショナル)のもとでの信心でした。
 日蓮大聖人様の正しい道理に基づく因果・業等の教えに圧倒され、もっと学びたいと思い、いつしか、より深い教学を学ぶことに多くの時間を費やすようになりました。その後、私はペナンに戻り、親族や親しい友人に日蓮正宗の教えを弘め始めました。そしてこの信心に出会って八年後の一九九四(平成六)年七月五日に御授戒を受けることができました。

●これまでに信心で困難を克服した体験を教えてください。
ゼンベ
 私が最後に登山をしたのは二〇一八年五月のことです。その頃の私は病気を患っており、そのことが気がかりでしたが、家族の激励もあり登山に参加すると決意しました。
 登山中は幸運にも登山者の中に医師がいて、常にサポートしてくれました。そのような中で、登山ができる喜びに深く仏祖三宝尊に感謝申し上げました。また、この登山では法華寺の信徒一同は、御法主日如上人猊下への御目通りが叶いました。
 登山より戻った三カ月後、私は心臓発作で倒れてしまいました。命も危ない状態でしたが、意識がしっかりしていて平静を保っている私に、医師等は皆、驚いていたそうです。数週間の入院を経て、私は家に戻ることができました。発展途上国のペナンでは、私のような病状に対して手術などは行えないため、薬による治療でした。
 しかし、信徒の皆さんによる唱題の御祈念のお陰で、幸運にも私はフランスに行って手術を受けることができました。現在、心臓性喘息等の持病はありますが、コロナ禍にあっても健康を保っています。
 総本山第六十六世日達上人はかつて、
「自行を忘れて化他の行はあり得ないのである」(日達上人全集)
と、御指南されています。
 自身の信心を磨くこと、また自身の罪障消滅をはじめ、ここペナン広布のため、私は毎日最低一時間の唱題を続けて五年になります。我が家では唱題を行うことが、毎日の最優先事項です。
 日蓮大聖人は『内房女房御返事』に、
「妙法蓮華経の徳あらあら申し開くべし。毒薬変じて薬となる。妙法蓮華経の五字は悪変じて善となる」(御書一四九二n)
と仰せです。
 自身の大病によって貴重な体験ができました。これらすべては、登山の功徳の賜と確信します。ですから、この正法に巡り合えたことに感謝し、日々直面する様々な問題は自身の信心をより深めてくださるものと心得て、信行に励んでいます。

●コロナ許おいてどのように信心をしてこられましたか?
ゼンベ
 この新型コロナウイルスの大流行は、私たちの信心活動をすべて変えてしまいました。
 中でも、国境閉鎖により毎月の寺院参詣ができなくなったばかりか、御僧侶に来ていただくこともできなくなりました。地区座談会等の会合の中止も余儀なくされました。
 しかし、御法主上人猊下の御指南を拝読し、御住職よりの激励によって、折伏をはじめとする信心活動を続けてきました。お寺に行けませんので、信徒からの質問に御住職からいただいた回答を資料にまとめて配布したりしました。会合が行えるようになると、作った資料をもとに座談会を行うなど、工夫を重ねてきました。日頃の真剣な信心により、コロナ禍は、私たちが心の財を積む大事な機会となりました。
 国境閉鎖などの規制がなくなりつつある現在、唱題会には多くのメンバーが参加しています。異体同心の確立と信徒間の激励は折伏成就の基盤となること、また、自身の成仏と広宣流布に向けての精進こそが、私たちの信心の目的であることを呼びかけています。

●最後に、今後の決意をお願いします。
ゼンペ
 まずは、各地区の連携です。そして御住職の御指導が地区長を通じて全員に行き渡るよう、努力します。特に、御指導の要点である折伏行実践の大事を伝えていきます。
 併せて、折伏、家庭訪問、新入信者への育成に力を注ぎます。コロナ禍の影響で二年以上、御僧侶をペナンにお迎えできない状況が続いていますが、今年こそ御僧侶の訪問が叶うことを祈り、信心に励んでいきます。
 そして、明年の法華寺創立二十五周年を慶祝するため、ペナンにも活動拠点となるセンターを作れるように努力してまいります。