令和4年4月16日付

身内や一対一の折伏を変わをず実践

折伏相手求め常に挑戦

 台湾北部にある善浄院・本興院・法秀院の三力寺は、公共交通機関で互いに三十分圏内にあり、力を合わせて地域広布を進めている。
 その中の善浄院に所属している全講員・(北台本部・一本部五支部十七地区)は、善浄院御主管・堀田信宣御尊師のもと、僧俗一致・異体同心して信行に邁進しており、今回紹介する江新瀧(ジャン・シンロン)さんは、大同地区の地区長を務めている。
  
●入信の経緯と自己紹介をお願いします。

 私と妻は入信前、定期的に近所の女性占い師のもとに通っていました。民国七十五(昭和六十一)年に日蓮正宗信徒であった隣人に折伏され、隣人夫婦と日本へ行き、東京の大願寺で御授戒を受けました。すぐにご登山もしましたが、当時の台湾に日蓮正宗寺院がなかったこともあり、しばらくして退転してしまいました。
 民国九十九(平成二十二)年の九月、妻と洋服屋に買い物に行った時に、店主と世間話をした中で、明日から少しの期間日本に行くと聞きました。何をしに行くのか尋ねると、大石寺に登山すると言い、「そのような名前のお寺、聞いたことあるな」と思い、話を聞きました。そのまま折伏され、本興院で妻と共に再入信をしました。その後、二人の息子も入信し、家族四人で信心修行に励んでいます。民国百四年の北投布教所(善浄院の前身)建立に伴ってここの所属となり、二年後に大同地区の地区長を拝命いたしました。
 信心を始めてからは、家族それぞれの抱える問題が少しずつ解消され、不思議と生活が整ってきました。御本尊様の功徳により、問題解決に向かう善因が具わったのだと思います。

●江さんといえばスクーターに乗って颯爽と折伏・家庭訪問に駆け回る姿が印象的ですが、その原動力は何ですか?

 堀田御主管は、いつも「折伏は報恩行です」と御指導されます。私自身が家庭内の平穏をはじめ、多くの功徳を感じていますので、御本尊様への感謝、御報恩の気持ちが私の原動力です。今年は「報恩躍進の年」と銘打たれたことを嬉しく思い、報恩行である折伏のために、とにかく多くの人と話すようにしています。特に御報恩御講・広布唱題会等の帰りに、必ず友人・知人に会いに行くようにしています。先日も、参詣帰りに寄る団子屋さんの店主の折伏を成就できました。

●コロナ禍での活動を教えてください。

 はい。感染症流行以前と特に変わりません。
 台湾は感染対策に成功していますが、その分規制は厳しいものでした。当局により厳しい人数制限が設けられ、法要や会合を奉修、開催できない時期もありました。しかし、個人の行動が制限された訳ではありませんので、友人・知人と一対一で会うことも、スマートフォンで連絡を取ることもできます。
 自宅での勤行・唱題と、一対一での折伏という信心修行は、コロナ禍以前とほとんど変わらないのです。お寺では、最低限の人数で参詣し、本堂内でソーシャルディスタンスを取って御授戒を執り行っていただけ
ました。
 また、副地区長の郭水源(グォ・スェユェン)さんは、「コロナ禍は身内を折伏する時だ」と言って、多くの親戚の折伏を成就されました。他の信徒も、マスクや携帯用消毒液を手土産に「感染症予防、がんばりましょうね」と縁故者の家庭を訪問し、チャンスを作って信心の話をしていました。善浄院全体が、コロナ禍でもできる限りのことをやろうという空気でした。

●いつも、いろいろな方を善浄院に連れてきますね。なぜそんなに人間関係が豊富なのですか?

 私は、水泳、バドミントン、歌、山登り等、十個のクラブに所属しています。
 五年前の定年退職(六十五歳)したばかりの時に、堀田御主管から大岡地区長の話をいただき、時間に余裕もできたし大丈夫だろうと思い、お受けしました。
 しかし、退職後は人との関わりが大きく減り、信心の話をする相手が激減してしまいました。その時、御法主日如上人猊下の「下種先がないということはない。折伏を実践していないだけである」という趣旨の御指南を拝しました。そこで、もともと新しいことへの挑戦が好きでもありますが、人との関わりを増やすため、習い事を始めました。同世代の人は、体調の問題や死後の心配等、悩みを持っています。そういう話題になるので、できるだけ会話し、チャンスを見つけて信心の話をします。そして、信心の話ができる関係性が築けたら、お寺や御主管が出席してくださる地区座談会等にお連れして、折伏を進めます。

●今後の抱負を聞かせてください。

 先日七十歳を迎え、体力も衰えてきたので役職を降りたいと思い、御主管にご相談したところ「だめです」と御指導がありました。北一支部の蔡(ツァイ)主任(責任者)や親しい信徒たちにも相談しましたが、続けたほうがよいと言われました。体調を理由にもう一度、御主管の所に行くと、「江さんなら、今まで以上に体調に気をつけて、今まで通りに励んでいただければ大丈夫です」とのお話がありました。確かにそうだと思いましたので、がんばりたいと思います。
 御法主日如上人猊下の御指南を体し、堀田御主管の御指導のもと、善浄院の皆様と報恩に躍進してまいります。