令和3年10月16日付

信心を躾けてくれた母に感謝

功徳は実践するところに!

 大河アマゾンと広大な熱帯雨林、世界最大級のイグアスの滝など大自然が広がる南米大陸の約半分を占めるブラジル連邦共和国。南東部のリオデジャネイロ州に隣接するミナスジェライス州は、地下資源が豊富で、十八世紀にはゴールドラッシュを迎え多くの街が建設され、栄えた。
 今回は、その州都ベロオリゾンテ市で地区責任者として折伏と育成に取り組んでいる、シンチア・へイデルさんにお話を伺った。
  
●まずは自己紹介からお願いします。
シンチア
 私が生まれたとき、両親は既に日蓮正宗の信心をしていました。父は私が五歳の頃に亡くなりました。その時、私は御本尊様に、「お父さんになって欲しい」と祈ったことを覚えています。
 しかし、信心強盛でがんばり屋な母に育てられたことは、とても幸運でした。私がまだ子供で信心の何たるかも知らない頃から、「座談会には必ず参加しなさい」、「毎日勤行をしなさい」と、私と二人の妹によく言い聞かせ、躾けてくれたものでした。
 学校では、多くの同級生がキリスト教の家庭育ちでしたが、誰もが私たち家族が仏教徒であることを知っていて、尊重してくれました。授業の前には、お祈りの時間がありましたが、私は小さな声で御題目を唱えていました。
 私は生涯、このすばらしい信心を私に教え込んでくれた母への感謝を忘れません。

●お母さんの強い信心と行動が、今のシンチアさんの確信ある信心に繋がったのですね。これまでの体験談をお聞かせください。
シンチア
 私は成長する過程で、御本尊様の御加護を何度も体験しました。自分では全く予想できなかった危険に遭遇する前に、不思議とそれを回避できていたのです。
 私は、もともと不注意で、緊張感がないところがあり、危険に晒されているという自覚があまりないのです。後になって振り返ってみて、初めて、正しい方向へ導かれていたこと、守られていたことが判りました。
 他人の言うことをすぐに信用する、物事を深く考えない、集中力が足りない等の欠点を持っていました。そんな信心未熟な自分でしたが、御本尊様に守られていることを、日々の生活の中ではっきりと感じていました。
 一九九四(平成六)年に図表デザイン関係の大学への進学と、従来のダンス講師を続けるため、州都のベロオリゾンテ市へ引っ越すことになりました。親元から離れることとなったため、御本尊様を御下付戴きました。
 日々の勤行を欠かさず行うことで、仕事の上においても、学業の上にでも、思っていた以上に向上しました。大学の科目の中でとても難解とされているセミオロジー(記号学)で、私の意見が採用されたり、大事なダンスのリハーサルでたくさんの成果を得ることができたりしました。
 二〇〇六年には家族からの援助があり、初めて登山が叶いました。あの時の感動は、言葉では言い表わせません。御開扉を受け、御法主日如上人猊下の御題目を聞いたとき、計り知れないものを感じ、涙があふれました。その後も二回登山させていただきました。
 今の目標は、新型コロナウイルス蔓延の影響で来年に延期となってしまった、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念法要の登山です。御本仏日蓮大聖人様が教えてくださった正しい道に邁進できることへの御報恩のためにも、必ず参加したいと思います。

●折伏活動についてお聞かせください。
シンチア
 私は、ダンスを教える関係上、たくさんの人と接する機会があります。生徒から不安や悩みを相談された際は、アドバイスをする中で、必ず信心の話をしています。あらゆる苦しみの原因は、私たちが過去に犯した謗法罪障にあること、本当の幸せを築くために最も大事なことは御本尊様に御題目を唱えること、と教えています。
 そして、チャンスがあれば、二〇〇〇年に設立が叶った私たちの拠点・ベロオリゾンテ法華講センターにお連れしています。折伏は私の生き甲斐です。
 御法主上人猊下は、この仏法を弘めることによって多くの人が正法を受持するようになれば、社会全体がよくなり、生活がだんだんと向上していくことを、常に私たちに御指南くださっています。友人・知人の幸せは、私たちの幸せでもあります。ビデオ通話などのインターネットを使って折伏をする等、今できることを探して続けていきたいです。

●最後に、今後の抱負や決意をお聞かせください。
シンチア
 私の未熟な体験から、新しく信心を始める仲間に一番に伝えたいことは、この信心の本当の功徳は実践するところにある、ということです。
 アングラ・ドス・へイス布教所における御報恩御講、座談会等の折に、常に不動の精神をもってこの正法を伝えてくださる布教所責任者の三谷行法御尊師の御指導を真摯に受け止め、日々の勤行・唱題を怠らず行い、折伏を実践するということです。
 もし、私たちが身心共に、広宣流布という正しい目標に向かって邁進するならば、すべての問題や困難は、不思議とスムーズに解決できると確信しています。
 このたびの新型コロナウイルスの世界的蔓延は、私たちの悪業が現われたものだと理解しています。この困難に打ち勝ち、成仏の因とするためにも、まず地区員との異体同心を保ち、宗祖日蓮大聖人様の御遺命である広宣流布の達成のために邁進していく決意です。