令和2年3月16日付

諦めない祈りで20人の入信みる

折伏は人生の最重要事

 ニューヨークと聞くと、華やかなショーや連日、人で賑わう摩天楼を抱いた大都会・マンハッタンを思い浮かべる人が多いだろう。実際には、妙説寺のあるクイーンズ地区など五つの地区から成り、中心部から少し離れると、夏なら木々の緑が目立つ地域も多く点在する都市である。
 今回は、ニューヨーク市の中心部マンハッタン地区から約三十分北上した、ウェストチェスター郡に住み、折伏に育成にとがんばるテリー・アレグザンダーさんを紹介する。テリーさんは、七十歳を超えた今も現役の看護師として催事に励む傍ら、娘夫婦、孫夫婦、曽孫たち、と二十人に及ぶ家族を次々と折伏し、職場においても縁ある人々に果敢に折伏に取り組んでいる。
●入信されたきっかけを教えてください。
テリー
 入居したのは今から五十年程前、二十代の時です。会合に誘ってくれた友人が、ふだんは寡黙なのに、意を決したように話し続けるのを見て、思わず参加を承諾したのを覚えています。皆の、明るく若者らしい情熱に心を動かされて入信を決意しました。

●創価学会の破門により、御宗門主導のもと末寺に所属し、御僧侶から直接指導を受けるという体制に変わっていきましたね。その経緯を踏まえ、これまでの体験を聞かせてください。
テリー
 入信当時の私にとって、幸せとは、すてきな男性と出会って結婚し、子供に囲まれた温かな家庭を築くことでした。自分なりに一生懸命に信心し、よき伴侶に出会いましたが、子宮外妊娠の結果、生涯子供は望めなくなりました。その時の絶望感は言葉では表わし切れません。泣いては唱題し、唱題してはまた泣くを繰り返しました。そして、これは自分の過去世からの罪障で、自分はそれを変えていくために御題目を唱えているのだということに気づきました。
 様々な謗法行為で学会の言動がおかしくなっていったとき、私は心ある人々と学会から離れましたが、その多くは日蓮正宗の寺院に所属するということが判らずに独り信心でした。
 そんな時、昔からの仲間が「お寺に参詣し、御僧侶と一緒に御題目を唱えることが本来のあるべき姿だ」と教えてくれたことで、ようやく妙説寺に所属できました。
●テリーさんは、とにかく「行動の人」と、もっぱらの評判です。いったいいつ休んでいるのだろうと周りに不思議がられるほど、仕事に活動にと自分の時間を惜しみなく使っていますね。特筆すべきは、二十人にも及ぶご家族を次々と折伏されてきたことです。ご家族について、お話を聞かせてください。
テリー
 今お話した通り、家族を持つということは、私の大きな夢でした。私の戴いた大きな功徳の一つは、愛しい家族が出来たことだと思います。妊娠できないことが判った後、いろいろな偶然の重なりの中で、主人の姪っ子を養女に迎えました。彼女が様々な経験をして成長していく姿を傍で見られたのは、かけがえのない体験です。その娘も七人の子の母となり、私にとっては孫に当たるその七人も家族を持って、今や私には九人の曾孫がいます。その全員が、御授戒を受け日蓮正宗の信徒になっています。

●ご家族は皆、素直に入信されましたか?
テリー
昔から私の周りにいた姉妹や親戚、友達などにはずっと信心の話をしてきましたが、きっと皆、私のことをちょっと変わった人と患っていたと思います。でも、日蓮正宗のことを悪く言う人は誰もいませんでした。それは、やはり、ちゃんと結果が出ていたからだと思います。
 さて、娘と孫、曽孫たちですが、その連れ合いも含めて折伏できていったのは、一つに、成就するまで私がけっして諦めなかったからだと思います。曽孫の夫は、「おばあちゃんは絶対に諦めない人だから、きっと君もいつか入信すると思うよ」と他の身内から言われていたそうです。そして、その通りになりました。
 折伏が成功しているもう一つの要因は、やはり生きていくことには困難がつきまとうからだと思います。娘は結婚生活に悩んでいたときがあり、また、孫の一人は鬱になりました。そんな時、ようやく私の話に耳を傾け決心して御授戒を受けることができました。自分ではどうしようもない難しい状況であればあるほど、もう御本尊様に祈っていくしか他に解決の方法はないと思えるのです。

●テリーさん自身はどのように変わりましたか?
 これからの決意も含めて教えてください。
テリー
 正しい御本尊様に唱題を重ね、お寺に参詣して折伏を続ける中で、私の信は深まり、信の深まりは他の人に話していく自信へと繋がっていきました。折伏は今や、私の人生において最も重要なことになり、それ以外は皆、二番目です。この年齢になっても、毎日やりがいがあって、楽しくて仕方がありません。そう思えることが、実は最も大きな功徳なのかなと思います。
 気がかりは、入信した孫や曽孫たちがちゃんとした信徒に成長するかということです。今はそれを朝に夕に御祈念し、育成の努力をしています。必ずその時はくると確信して、来年の宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年に向け、本年「御命題達成の年」を、さらに折伏に育成にとがんばっていく決意です。