平成28年5月16日付

内戦・伝染病から守られ出張御授戒
御授戒の功徳で意識が向上
 コートジボワールでは、二〇一〇(平成二十二)年に起こった内戦や二〇一四年の近隣諸国のエボラ出血熱問題等のため、しばらく御僧侶が訪問する機会が途絶えていた。しかし、昨年八月、七年ぶりの出張御授戒が行われ、九十九名の方が御授戒を受けた。
 今回は、同国で副リーダーを務めるフラン・グエ・ゴネ・ランパートさんにお話を伺った。
●どのようにして日蓮正宗の信仰に巡り合いましたか。
フラン 今は亡き友人の紹介で一九九〇(平成二)年に日蓮大聖人様の仏法に巡り合い、二〇〇二年、ガーナ法華寺の初代御住職・吉田道常御尊師がアビジャン市に来られたとき、御授戒を受け御本尊様を御下付戴きました。妻の折伏には時間がかかりましたが、二〇一一年に、長男・次男と共に法華寺で御授戒を受けました。

●コートジボワールの活動拠点はどこですか。
フラン 信徒が最も多く住んでいるアビジャン市に、会合ができる広さの家を借り、活動拠点にしています。住み込みで管理してくれる信徒がいて、朝夕の勤行も毎日行っています。維持費は、信徒皆で協力しています。

●毎月の活動についてお聞かせください。
フラン 毎月第一日曜日は、朝の勤行に続き広布唱題会を行い、御法主日如上人猊下の御指南の読み合わせをします。第二日曜日は、朝の勤行と一時間の唱題行を行い、ガーナ法華寺の御報恩御講での御法話を読みます。第三日曜日は、新入信者を対象に質疑応答を行います。第四土曜日は、コートジボワールの広宣流布をめざして十時間の唱題行を行っています。そして翌日の第四日曜日は、拠点に来なかった信徒宅を家庭訪問しています。
 現在コートジボワールではアビジャン市以外に七つの地方に信徒がいて、それぞれの地域でも同じ活動をしています。

●常駐する御僧侶がいない中、副リーダーとして心がけていることを教えてください。
フラン ガーナ法華寺御住職・今福信度御尊師は、常に御法主日如上人猊下の御指南に副った信心が大事であると御指導されていますので、そこから外れないように意識しています。また信心の基本である勤行と唱題を欠かさないように、皆で声をかけ合い激励をしています。

●皆さんは法華寺へはどうやって参詣されています。フラン アビジャン市から法華寺まで、トロトロ(乗り合いバス)で片道約九時間、他の地方都市からだと半日以上かかります。ですから、一回の寺院参詣に三日間は必要です。交通費は食事代等込みで四万セーファーフラン(日本円で約七千円)必要です。月の平均収入が六万セーファーフランと言われていますので、毎月参詣できる信徒はおりません。二月の法華寺創立記念法要と十月の御会式には、重点的に参詣を推進しています。今までに約百人の信徒が法華寺に参詣できました。



●登山啓蒙についてはいかがですか。
フラン 私を含めて、まだ二人しか総本山大石寺へ参詣した信徒がいません。私の初めての登山は二〇〇九年、二度目が二〇一五年でした。二度目の登山で信心の確信をより一層深め、今年の四月に奉修されました御霊宝虫払大法会で、三回目の登山が叶いました。
 私には登山の意義や功徳、感動を細かく伝えていく使命があります。コートジボワールの信徒にとって登山費を準備することはとてもたいへんなことですが、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大佳節には、一人でも多くの信徒が経済苦を乗り越えて登山参詣し、罪障消滅の功徳を受けられるようにと願っています。

●昨年八月の出張御授戒の様子について、印象に残っていることはありま昨年の出弓長御授戒後、喜びあふれた記念撮影すか。
フラン 一番印象に残っていることは、一人ひとりの笑顔と歓喜です。特に、何年も御授戒を受けるチャンスを待って信心してきた方の晴れやかな笑顔は、今でも鮮明に覚えています。当日は、午前九時から今福御住職と唱題行の予定でしたが、八時に唱題を始めて御住職の到着をお待ちしました。十時から朝の勤行、そして御授戒が行われ、準備していたお念珠が足りなくなるという、嬉しいハプニングもありました。
 その後、御住職の法話に続いて質疑応答が行われました。御本尊様へのお給仕の仕方やお念珠のかけ方、創価学会員への折伏に関する質問など、皆さん質問がたくさんあり、予定時間を大幅に過ぎてしまいまし
た。小憩を挟んで開催したミニ文化祭では、民族ダンスや歌を披露し合い、大いに盛り上がりました。
 御住職が帰られてから感じたのは、一人ひとりの意識が変わったということです。特に日曜日の会合人数は、今までの倍になり、毎回活気のあふれるものとなっています。
 今年も御住職による出張御授戒が予定されています。この日に本年の誓願を達成すべく皆で折伏に励んでいます。

●最後に、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年に向けての抱負をお願いします。
フラン まずは毎年の折伏誓願目標を確実に達成していくこと。そして育成を充実させ、法華寺への参詣者を増やしていきます。私自身の目標は、家族四人で二〇二一(平成三十三)年に登山することです。私の故郷には未入信の身内、友人、知人がたくさんいます。これから、彼らに対する折伏を行っていきます。そして将来、コートジボワールの地に寺院を建立して御法主上人猊下に落慶入仏法要を奉修していただくことが、私たちの大きな目標です。