平成28年4月16日付

慶祝の登山へ多くの仲間と
集って活動育成めざす
 ヨーロッパ北西スカンジナビア半島の西に位置する緑豊かな美しい国、北欧ノルウェー。
 このノルウェーで、創価学会破門当時、正法を求めて学会を脱会し、現ノルウェー日蓮正宗信徒代表を務めるご主人のシェル・ワッセングさんと共に二十年以上、夫婦二人三脚でノルウェー広布のために活躍されているご夫人がいる。
 今回は、登美子・ワッセングさんに当時のことを振り返りながら話を伺った。
●最初に、簡単な自己紹介をお願いします。
ワッセング
 私は、ヨーロッパの片隅にあるノルウェーに住んでいます。
 九州の福岡県出身で、一九六〇年代半ば頃、外国人専用船舶病院に看護師として勤務しているときに、ノルウェー人の主人に出会い、結婚を機にこちらに住むようになりました。

●日蓮正宗の信仰に出合った経緯をお話ください。
ワッセング
 結婚してすぐにこちらに来て、主人の両親と同居しました。些細なことから主人の両親と気まずくなり、その頃知り合った日本人を訪ねて愚痴をこぼし、気を晴らしていました。その方は創価学会員でした。ある日、「あなたの言うことを聞いていると相手の悪口ばかりで、自分自身を振り返らず、反省の言葉がない」と言われてショックを受けました。そしてその方から折伏を受けました。創価学会に入会することに多少抵抗がありましたが、他に日蓮正宗に入信する方法を知らなかったので、その人の言葉を信じて入信を決意しました。
 そして、一九七一(昭和四十六)年三月に、日蓮正宗の御僧侶がスウェーデンの首都ストックホルムに出張御授戒に来られると聞き、長女を妊娠した大きなお腹を抱えて、夜行列車でストックホルムの会場まで行き、御授戒を受けさせていただきました。その後、長女は無事に生まれ、長男にも恵まれました。さらに住居付き老人ホームの看護師として就職でき、住む所も得られました。

●ノルウェー法華講のリーダーとして長年活躍されているご主人への折伏について、お話ください。
ワッセング
 理屈っぽい主人の折伏は七年間かかりました。会合等の運転手として信心活動を手伝ってくれるようになり、少しずつ信心に近づいたものの、なかなか決心がつかない主人に「始めてみないとこの信心のすばらしさは判らないですよ」と言うと、やっと決意し、デンマークの首都コペンハーゲンに御僧侶が来られたときに、御授戒を受けることができました。
 一九七〇年代の一回の登山の渡航費は、現在なら四往復できるほど高価でした。私はその頃、登山がどれほど重要なことかも理解せず、幹部から言われるままに赤ん坊と未入信の主人を連れて、初めての登山をさせていただきました。御開扉の間、未入信の主人は山内をぶらぶらと見学していました。主人が言うには、その時若い御僧侶にどこかの建物に案内され、お茶と茶菓子で歓迎してもらい、いろいろとお話していただいたそうです。おそらく、その御僧侶から折伏していただいたのだと思います。



●創価学会を脱会された経緯をお話ください。
ワッセング
 入信してから、主人も日蓮正宗の正しい仏法の哲理に心から納得していましたが、創価学会幹部の言動にはだんだんと疑問を持つようになりました。そして会合の席で幹部に対して質問をすると、増上慢だと罵られるようになりました。疑問を拭い切れない私たちは、一九九〇年頃、主人と私と娘の三人で脱会を決意しました。
 脱会したものの、拠り所とする日蓮正宗のお寺の住所も電話番号も判らず心細い毎日を送っていて、ようやくある末寺の御住職を通して総本山に連絡できるようになり、総本山から御僧侶がわざわざノルウェーまで足を運んでくださいました。それにより、私たち親子三人は他の五名の同志と共に、新たに「日蓮正宗ノルウェー」として再出発しました。
 現在もノルウェー信徒は多くはありませんが、二〇〇九(平成二十一)年の『立正安国論』正義顕揚七百五十年記念の海外信徒総登山には、九名の信徒で登山を果たすことができました。

●ノルウェーでの活動内容と今後の目標についてお話ください。
ワッセング
 現在、毎月第一日曜日にオスロの法華講員宅に集まって、勤行後に広布唱題会の砌の御法主日如上人猊下の御指南を読み合わせ、座談会をして、その後一時間の唱題を行っています。第三日曜日にもオスロの法華講員宅で、勤行・唱題と御講法話の読み合わせを行います。
 また年に二回、スペイン妙昌寺御住職の在間良妙御尊師が来訪くださる際、家庭訪問のお伴をする他、指導会・質問会といった会合を設けて精いっぱい信心を深めるようにしています。一昨年には、北極圏に位置し北極への玄関口であるトロムソという港町の信徒宅に初めて、御住職と家庭訪問に行きました。
 さらに年に一回、北欧四カ国の信徒が一堂に会して北欧総会を開き、互いに刺激を受けたり激励し合っています。
 ノルウェーでは、折伏は順調ですが、新入信者への育成は不足していると感じます。今後はさらに御法主上人猊下の御指南を拝して折伏と育成に取り組み、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の二〇二一年には、多くの人たちと登山させていただくことを目標に、ノルウェー法華講のさらなる拡大とノルウェー広布に向かって精進します。