平成27年9月16日付

人生の向上はこの正しい仏法で
御報恩のためドイツ信徒の成長誓う

 ヨーロッパ、殊に欧州連合の政治・経済を牽引する役割を果たしている大国・ドイツ連邦共和国。ドイツの法華講員は、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルグといった大都市を中心に組織活動を行っているが、郊外に住んでいるメンバーも多く、車や鉄道を使い片道数時間をかけて活動に参加している。
 今回はフランクフルトから百五十キロほど南に位置する、カールスルー工市在住のロシオ・ゴンサレスさんに話を伺った。
●自己紹介をお願いします。
ロシオ
 はい。私はロシオ・ゴンサレスと申します。スペイン・テネリフェ島の出身で、現在四十四歳です。
 私が初めて南無妙法蓮華経を知ったのは二十五歳の頃で、理学療法士として病院に勤務していたときのことです。同僚が一冊の本の最後のページに御題目を書いて渡してくれました。家に帰り、その本に書かれていた御題目を声に出した瞬間、大きな力が私の足元に向かって走り抜けるような感じがしました。私はこの状態が理解できず、恐ろしくなりました。その時は「きっと黒魔術か何かに違いない」、そう思ったのです。
 その後、習い始めた合気道の修練の一つに、瞑想がありました。同僚にそのことを話すと、「御題目を離れた修練はあなたの人生にとってよくないことよ」と言われましたが、「悪いことは何もしていない。スポーツと瞑想を行っているだけ」と思いました。
 その後、練習中に傷めた首の痛みが三カ月経っても取れず、痛さで眠ることもできなくなった私に、同僚は「今すぐこの仏法の信仰を始めるべきよ」と強く言いましたので、痛みをこらえながら懸命に御題目を唱え始めました。すると悲観的な考えは消えていきました。私は「人生が好転したのは、御題目のお陰」と思い、勤行を習い、会合へ参加するようになりました。
 こうして始めた信心でしたが、なぜか突然、「お経を読んだり御題目を唱えるだけで、人生が変わるはずがない」と思い始め、止めてしまいました。
 しかし、御題目を唱える以前の状態に戻ってひどく落ち込んだ私は、再び信心する決意をしました。今度はけっして朝夕の勤行を欠かさないことと、唱題するとなぜ人生が好転するのかの答えを見つけること、この二つを目標にしました。幸い、テネリフェ島には妙昌寺出張所がありましたので、勉強会等に出席し、いろいろ質問しました。
 日蓮大聖人様の仏法は論理的で明快でした。また、尾林海外部長(当時)が書かれた『現世安穏ならざる事をなげかざれ』と題した小冊子を読む機会があり、正しい信仰で罪障を消滅し功徳善根を積む以外に人生を向上させることができないと知ることもできました。
 こうして、二〇〇〇(平成十二)年一月十五日に御授戒を受け、御本尊様を御下付戴き、同年八月には初めて総本山に登山させていただきました。



●御授戒を受けた翌年、ドイツに移られたそつですね。
ロシオ
 ドイツが好きでしたし、新しい言語を学びたい気持ちもありましたので、フランスとの国境近くのフライブルクという街へ移住しました。日蓮正宗の信徒は誰もおらず、三時間以上かけてフランクフルトの会合に参加していました。ドイツ語が十分でなかった私はよい仕事が見つからず、満足な収入もありませんでしたが、御本尊様の御加護で種々の困難を克服でき、理学療法士として勤め先を見つけられ、二〇〇二年の海外信徒総登山にも参加できました。
 家族もいない、近くに法華講員もいないことは、信仰を続ける上で非常に困難で、多くの人に仏法の話をしてもなかなか折伏を成就できませんでした。二〇〇五年頃、もうスペインへ帰ろうと思っていた時に、夫となるクリストフと出会い、留まることにしました。
 彼は、学士号を持ちながらもよい仕事が見つからず、悩んでいました。私は彼に「今の状況を変えるには御本尊様を信じて唱題していく以外にない」と話し続けました。私の勤行の声を聞くのは好きなようでしたが、けっして御題目を唱えようとはしませんでした。しばらく様子を見て御本尊様に祈っていると、ある日突然、「自分も信仰をしたい」と言ってきたのです。
 私は喜び、一緒に勤行・唱題をするようになりました。その功徳で、彼は中学校の教師の職を得られました。そして二〇一四年六月に御授戒を受け、七月には一緒に登山できました。気がつけば、折伏し始めて八年が経っていました。


●現在の活動はどのようなものでしょうか。
ロシオ
 ドイツはとても大きな国で、信徒同士の住む場所も離れています。それ故、小グループがたくさんあり、また遠距離を移動して会合に参加する信徒も多いです。フランクフルトでは、信徒宅で第一日曜日の広布唱題会、第二日曜日の御講会合と二〜四時間の唱題会が活動の中心で、その他の週末は、不定期ですが各グループ等で唱題会や勉強会を行います。ドイツの法華講員は未だ多くはありませんが、フランス信行寺住職・中野道賢御尊師の御指導により二年ほど前から唱題の時間が長くなってきていますので、必ず増えていくと確信しています。
 また、ドイツ信徒は信行寺の所属で、御報恩御講や御会式等には信行寺に参詣し、御僧侶と共に仏道修行ができます。旅費も時間もかかり、言葉も違いますが、御本尊様への報恩感謝の念と自身の信仰を深めるために、また新入信者に寺院参詣してもらうために、できる限り参詣するよう努めています。六月の御講では、日本で御授戒を受けられたクリス夫妻と共に参詣し、その折、夫妻は御本尊様を御下付戴きました。また七月には新来者を一人お連れし、その方は無事御授戒を受けることができました。


●最後に、二〇二一年に向けての決意を聞かせてください。
ロシオ
 私の人生は、御本尊様の功徳でよい方向へ変わりました。今も多少の問題を抱えていますが、常に御本尊様の御加護を感じています。ですから、御報恩のために、ドイツ法華講がさらに成長できるよう精進したいと思っています。もちろん、御命題達成には折伏の実践が不可欠ですので、しっかりと折伏を実践してまいります。