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アイルランド共和国のあるアイルランド島は、大西洋の北東部に、グレートブリテン島と隣り合って存在する。島の北東部には英国領北アイルランドがある。夏は涼しく、冬は緯度の高い割に寒くはない。 この地に、マレーシアから二〇〇一(平成十三)年に家族で移住し、正法の一粒種として広布をめざすユー工ン・チャン氏がいる。 |
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●初めに自己紹介をお願いします。 チャン マレーシア出身で二〇〇一年にアイルランドに移住しました。十七歳の長女ウェイ・インはマレーシアで生まれ、十一歳の次女ジョリーと六歳になる長男マックスはアイルランドで生まれました。私は二〇〇〇年、妻のマイ・リーと長女は二〇〇一年、次女は二〇〇四年、そして長男は二〇〇九年に、マレーシアで御授戒を受けました。 ●日蓮正宗に出合ったきっかけは何ですか。 チャン 一九七七(昭和五十二)年、私の父がクアラルンプールの病院でガンと診断されました。そこで幸運にも日蓮正宗のご信徒の方々に出合いました。皆様は父の所に通ってくださり、父は御題目を唱え始めました。その年の暮れに父は他界しましたが、生前、父は私に、恐ろしい時、苦しい時には御題目を唱えるように言い続けていました。それ以上のことは判らず御題目の意味も判りませんでしたが、私は父のその言葉を常に心に止めて、時折、御題目を唱えていました。 ●その後、ご自身の入信は、少し先になるようですが。 チャン はい。一九八五(昭和六十)年に大学を卒業した後、仕事や家族のことで多くの問題を抱えました。状況は日に日に悪くなっていき、一九九九(平成十一)年、ついに破産しました。多くの仕事を失い、銀行や友人への借金返済に苦しみました。妻は家事と育児をしながら幼稚園で働かなくてはならなくなりました。私は巨額な負債を抱えた状況を打開できず、深刻に悩みました。 二〇〇〇年の初頭、法華講員の親しい友人よりマレーシア布教所で毎週行われている会合に誘われました。私は、宗教というものに懐疑的で、また、借金のことで頭がいっぱいだったため、参加しようとは思いませんでした。 しかしその数カ月後、私は突然、法華講に入る必要性を感じました。借金を残したまま私が突然死んでしまった時のために、友人を作りたいと思い立ったからです。私はただ、家族の世話をしてくれる友人が欲しかったのです。 私は毎週の会合で御題目を唱え、勤行を学びました。そして一カ月後に、母と一緒に布教所で御授戒を受けました。それから私は真剣に唱題を続け、母と一緒に毎月三回、会合に参加しました。 ある日、韓国のソウルに住む古い友人から電話がありました。私の事業を売却して欲しいとのことで、私はすぐに承諾しました。これにより、すべてではありませんが借金の苦しみから解放され、次の行動に集中できるようになりました。 しかしマレーシアで新しい仕事を見つけるのが難しく、海外に仕事の機会を探し始め、そのために真剣に唱題を続けました。そして、アイルランドでの仕事を獲得できました。 問題は徐々に解決し、いつしか、健康で家族と共に平和に暮らす輝かしい未来を見ることができるようになっていました。 マレーシア布教所に通い始めて数カ月が経った頃、私はあることに気がつきました。それは真剣に唱題し勤行を続けたことにより、御本尊様から多くの功徳を戴いていたことです。そして、入信したときの動機が間違っていたと気付き、御本尊様に反省懺悔しました。 私は現在、ナイジェリア と中国の広州で仕事をしています。毎月三カ国を行ったり来たりしなくてはなりません。真剣な唱題と朝夕の勤行によて御本尊様から功徳を戴き、日々の問題を乗り越えることができると確信しています。 ●ご登山の体験についてお話ください。 チャン 私たち家族は、二〇〇六(平成十八)年に初めてご登山させていただき、二〇〇九年と二〇一二年にもご登山できました。アイルランドのダブリンから日本の総本山までは長い道のりですが、何の問題もなくご登山させていただけました。 私たち家族、特に子供たちはご登山で多くのことを学び、成長させていただきました。アイルランドには他に法華講員がいません。ですから、勤行のやり方などを間違えていても、それに気付くことができません。ご登山の折に、他のご信徒との会話や、御僧侶の導師で行う勤行を通して、多くのことを学びました。また、各国の法華講員に出会い、新しい友人を得、各国の文化も学ぶことができました。 ●日々の信行は、ご家族だけで行うことになると思いますが、その様子をお話しください。 チャン 我が家には御本尊様のための仏間を設けてあります。その仏間で日々勤行・唱題を行い、御法主日如上人猊下の御指南と御僧侶の法話を毎月拝読していますが、活発な信仰活動となると、なかなか難しい状況にあります。 しかしながら、年に一度スペイン妙昌寺御住職の在間良妙御尊師や海外部の御僧侶がアイルランドに来てくださり、会合やお経の練習を行ってくださいます。 前回、御僧侶が来られた際には、スペイン妙昌寺の青年部員が、未入信の友人を連れて参加しました。日蓮正宗の信仰をしている同年代の青年部と接する機会の少ない私たちの子供にとって、非常によい機会だったと思います。 ●最後に、今後の目標をお話ください。 チャン まだ折伏も成就していませんが、近い将来必ず折伏を成就し、アイルランドで正法を弘めてまいります。 |
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