平成24年10月16日付

全台湾の絆で叶った昨年の誓願
一人ひとり立ち上がり唱題・折伏
 妙徳寺は、台湾中央山脈の西側、台北と台中のちょうど中間に位置し、両所より車で約一時間弱の距離にある。二〇〇二(平成十四)年十二月二十五日、台湾第五番目の法城として建立され、それより四年半の歳月を経て、二〇〇七(平成十九)年五月十九日、晴れて御法主日如上人猊下の御訪台を賜り板御本導入仏法要が盛大に奉修された。そして本年十二月には、創立十周年を迎える。
 妙徳寺の管轄である竹苗本部(新竹縣・苗栗縣)は三つの支部に分けられているが、今回はその中でも一番遠隔地に位置する竹二支部の主任・鍾恵玲さんにお話を伺った。
●自己紹介と入信動機を教えてください。

 私は妙徳寺・竹苗本部の信徒で、鍾恵玲です。現在、竹二支部の主任をさせていただいております。l
 一九九五(平成七)年、主人が経営していたランプ事業が失敗し、その頃私も体を壊し、その上実家の母が心臓導管手術に失敗し急逝。私はたいへんなショックを受け、人生のどん底に突き落とされました。何もかも嫌になり、自分の不幸に意気消沈していたある日、幼稚園児の息子を連れて近所の小学校の校庭を散歩しました。その時、子供たちの無邪気な姿を眺めているうちに、だんだんと生きる力が漲ってくるのを感じ、これから新たな人生をしっかり歩んでいこうと自分に言い聞かせていました。そして燦々と輝く太陽に向かい、心の中で「必ず自分を変えていきますので、どうか一生頼れる信仰を私に教えてください」と叫んだのです。
 そして翌日、銀行に行った際、銀行の部長をしている顔なじみの徐さんという女性が優しく私に語りかけてきました。「鍾さん、どうなさいました。いつもは溌刺としているのに、今日はどこか具合が悪いのですか。私は登山をして昨日日本から帰ったのですよ。よければ私と一緒に信心をしませんか」と。その時、ハッとしました。「そうか、昨日の発心によって今日、徐さんがこの信心に巡り合わせてくれたのだ」と。私は迷うことなく即座に入信を決意しました。
 入信後、一日も早く自らの宿命を転換し生命を蘇生させたいとの一心で、真剣に妙法を信じ、信・行・学に邁進しました。その後は信心によってあらゆる人生の苦悩、難関を乗り越えられ、
 「法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかずみず、冬の秋とかへれる事を」(御書 八三二n)
との御金言を実感させていただくことができました。
●本年七月に「第四回台湾日蓮正宗法華講総会」が、御法主日如上人猊下御臨席のもと大成功裡に開催されましたが、当時の感想をお聞かせください。

 総会のために尽力された事務局の御僧侶及び信徒スタッフの皆様に、感謝の意を表します。結集目標の一万二千名を上回る多くの法華講員が集い大成功裡に開催されたことは、台湾の僧俗和合と全法華講員の異体同心の賜で、今この時に生まれ合わせたことに無上の歓びを感じます。
 また今回、御法主日如上人猊下が総会へ御臨席あそばされ、本当に感動いたしました。猛暑の中での総会でしたが、それはかえって台湾法華講の異体同心の情熱を表現しているかのようでした。御法主上人猊下の大導師のもと、参加信徒一万二千名の読経・唱題の声が響き渡った瞬間、胸の内より底知れぬ感動が涌き出てくるのを感じ、自然と涙がこぼれ落ちていました。総会はまず法要の部、次に式の部、最後にパフォーマンスの部と三部構成で進められ、全体を通してすばらしい内容でした。最後に「広布の青嵐」の大合唱の後、巨大クラッカーが打ち鳴らされ、御法主上人猊下が御退場あそばされる際には、またなぜか涙があふれ出ていました。一体この情熱と感動は何なのだろうか、その情景に圧倒されながら御法主上人猊下の御指南を思い返し、三年後の御命題成就へ向け今後歩むべき広布の使命の深さと尊さを感じていました。
●昨年妙徳寺は、台湾全国の支援を受けて折伏誓願目標を達成されましたが、今、昨年の折伏戦を振り返ってどのような感想をお持ちですか。

 昨年十二月、全国信徒有志のご支援をいただいた折伏戦は、妙法の不思議な御力と全台湾僧俗の深い絆によってなったと思います。
 昨年十一月末、我が竹二支部の折伏成果は六十三名で、目標の八十二名には十九名不足で、成就できるかどうか不安でした。そして、妙徳寺としてはまだ九十八名もの誓願目標が残っていました。そのような苦境に立たされている最中、本興院主管・石橋頂道御尊師は、台湾僧俗の力を結集して、妙徳寺の折伏戦を全面的にご支援くださいました。その結果、竹二支部は十二月の一カ月間で四十一名の折伏を成就。妙徳寺も一カ月間に百十名の折伏が成就し、年間目標の二百二十六名を十二名超過する、二百三十八名の成果となりました。
 この未曽有の大折伏を展開できたのは、ひとえに全台湾僧俗の異体同心の深い絆の賜です。昼夜を分かたず死身弘法の精神で支援くださった全国信徒有志の折伏にかける情熱は、けっして忘れることはできません。
 本年は妙徳寺信徒一人ひとりが立ち上がり、御住職の御指導のもと唱題を根本に折伏を実践し、昨年のご支援への恩返しのためにも、本年度の折伏誓願目標を必ず達成いたします。
●現在の折伏活動について教えてください。

 寺院では年頭より毎日、朝の勤行の後に一時間の折伏唱題行がなされています。また、御住職より、遠隔地で唱題行に参加できない信徒も毎日必ず一時間の唱題を実践するよう御指導されています。
 支部内においては、週一回一時間の唱題行、各地区では週一回の団体折伏活動が行われています。現在、御住職も信徒と共に団体折伏を行われ、この僧俗一致しての折伏によって、多くの折伏成果が出てきています。
 また、ふだんの家庭訪問は大切な折伏の機会であり、内得信仰者の未入信家族を積極的に激励し、折伏の輪を広げています。
●最後に、二〇一五年に向けての決意をお聞かせください。

 自らの使命を果たしていくために最も大切なことは、自覚と反省だと思っています。さらに、常に初心を忘れず、御本尊様への絶対の確信を持っていくことで、必ず三年後の御命題を成就していけると信じています。
 三年後の御命題成就のため、妙徳寺の寺運興隆と法華講発展のため、一切の我見を捨て去り、僧俗一致、異体同心して、唱題行を根本に折伏行に邁進いたします。