平成23年11月16日付

勇気出して登山し勧誡受ける、妻も今年入信
仲間を増やし地域広布へ
 世界有数の都市や先史時代の史跡、アウトドアが楽しめる自然といった豊かな観光資源に恵まれ、広大な国土を有するオーストラリア。
 その広大な土地に散在している日蓮正宗信徒は、インターネットや電話で連絡を取り合い、激励し合いながら信心に励んでいる。
 平成九年からは、年に二回、海外部の御僧侶が派遣されて、何都市かを訪問しながら、現地での御授戒、指導会を行っている。
 今回は、ニューサウスウェールズ州(州都シドニーの中で、ぺリンゲンにおいて熱心に活動している、ポール・トーマス・グレイさんにお話を伺った。
●自己紹介をお願いします。
ポール
 私はポール・トーマス・グレイと言います。五十八歳です。シドニーとブリスベーンとの中間に位置するべリンゲンという町に住んでいます。家は海岸線から車で二十分くらいです。
 二十七年前、創価学会がまだ日蓮正宗のもとに信仰

していた時代に、日本からの出張御授戒が行われており、私はその折に入信しました。当時はニューキャッスルに住んでおり、毎週開催される座談会にも出席し、信心活動を行っておりました。
 しかし、創価学会が破門された後は、彼らを信じられなくなりました。組織を離れ活動を止め、自分一人で御本尊様をお護りして、勤行・唱題を続けておりました。
 そのような生活が長年続きましたが、昨年、本門戒壇の大御本尊様に御目通りをしたい一心で一人で登山しました。海外部の御僧侶のお計らいによって勧誡を受けることが叶い、正しい信仰に立ち帰ることができました。
 思い切って登山する前は、SGI(創価学会インタナショナル)の会員から言われていたように、私は歓迎されないのではないかと心配しておりました。でも、実際に登山したところ、手厚い歓迎を受けました。無事に御開扉を受けられたときの感激は、生涯忘れることはないでしょう。
●どのような経緯・動機で入信されましたか。
ポール
 入信のきっかけは些細なことでした。
 ある日、私はガソリンスタンドで自家用車にガソリンを入れました。そこで偶然出会った二人の友人から信心の話を聞いたのです。彼らは、以前とは比べものにならないほど輝いていました。なぜそんなに晴れ晴れとした顔をしているのかと率直に尋ねると、正しい信仰を知ってたいへんな喜びを感じていると話してくれ、あなたも座談会に来るべきだと教えてくれました。
 私は二週間ほど考えました。当時、私は本当に幸せではありませんでした。そして、もう一度彼らと会い、変わらずに幸福に過ごしているのを確かめた上で、その一週間後に御授戒を受けました。
●入信後の功徳の体験を教えてください。
ポール
 過去二十七年の間に四度、総本山大石寺に登山させていただきました。今年の三月に登山したときは、総本山に七日間、滞在させていただきました。五月にも登山しています。本門戒壇の大御本尊様の前で、御法主上人猊下の大導師のもとに御題目を唱えるたびに、安穏な境界を体験することができます。今年の登山で心の底から、自分の人生を世界広布のために捧げていこうと決意しました。それが私にとっての功徳の体験です。
●昨年、勧誡を受けてからの活動について、お聞かせください。
ポール
 シドニーでは月に一度、拠点になっている責任者の信徒宅において座談会が開かれております。自宅から拠点まで車で七時間以上かかるため、残念ながら毎回は座談会に出席できません。でも、連絡は取り合っています。
 しかし、年に二度、総本山から御僧侶がシドニーを訪れて会合を行ってくださるので、その際には、仏教に興味があるという新来者を連れて参加し、僧俗一致の折伏をさせていただいております。
●折伏について心がけていることはありますか。
ポール
 私は毎朝の勤行で広宣流布のためにどうか模範的な信徒になれますようにと御祈念しており、思いやりを常に心がけて生活しています。そのお陰で、この慌ただしい社会の中で、寛大で落ち着いた行動がとれるようになりました。周囲の人からは「なぜあなたは、そんなに穏やかなのか」と聞かれることがあります。これが折伏の大きな好機になるのです。
 本来、折伏で順位などありませんが、もしつけるとするならば、私にとって最も有意義だった折伏は、妻への折伏と言えます。
 出会った当時、彼女はキリスト教を信仰していました。毎朝勤行をする私を、彼女はいつも見つめていました。彼女が仏教に関して質問をしてくるたびに、私は全力で答えました。次第に質問が増えていき、共に唱題をするようになりました。それから一カ月もすると、勤行の仕方も学ぶようになりました。
 そして妻は、本年三月に入信し、五月には私と一緒に登山できたのです。
●二〇一五(平成二十七)年に向けての決意を教えてください。
ポール
 今まで以上に信心修行に精進し、地域広布のために努力を重ね、自分の住む地域に活き活きとしたグループを結成します。その仲間と共に御命題達成に向かっていきたいと思います。