平成23年9月16日付

折伏成就信じて忍耐強く
チーム三人、互いの友人知人を折伏
  妙願寺では、毎月千人前後の信徒が全国各地より参詣し、御報恩御講や御経日、御書講義を奉修している。
 ここ数年、経済成長が著しいインドネシアだが、それでもすべての地方信徒が寺院参詣することは経済的にも難しい。そこで参詣できない信徒のために、常駐僧侶が役員と共に頻繁に各地方の会館などに赴き、現地で御会式や座談会を行っている。
 今回は、妙願寺より約七百キロメートル離れているインドネシア第二の都市スラバヤ市で果敢に折伏に取り組み、今までに多くの人を入信に導いた、セントサ・ハルソノさんに話を聞いた。
●まずは入信の経緯をお話下さい。
セントサ
 私は平成十八年十一月十一日に、地元会館で奉修された御会式で御授戒を受け、現在も地元スラバヤに住んで信心活動に励んでいます。
 長年この信心をしていた私の姉夫婦から、二十年以上も前から信心するように勧められていましたが、当時信仰していたものに対して何の疑問もなかったので、姉たちの話を全く聞き入れませんでした。
 しかしその後、仕事が行き詰まって収入が少なくなり、不眠症に苛まれる日が続きました。途方に暮れていると、当時他の地域で信心指導を担当していた姉が、しばらく信心の話をしてこなかったのに突然、私の携帯電話に「不眠症を克服したければ、御題目を唱えなさい」と激励のメールを送ってきたのです。そのメールで、やはりこの信心をすべきだという思いに駆られて、毎朝毎晩一時間ずつの唱題をするようになりました。
 唱題を重ねるうちに不眠症に苦しむことはなくなり、心に落ち着きを取り戻すようになりました。次に、姉から経本と数珠を借りて勤行をするようにもなり、ついに御授戒を受ける決意をしました。御授戒を受けて信心活動に励むうちに、入信前とは打って変わって多少の不安に臆することがなくなり、仕事の業績も回復に向かいました。
●現在の活動内容を教えて下さい。
セントサ
 この仏法を通じて苦しみを克服できましたので、今度はその体験と功徳を他の人とも分かち合いたいと、地元で折伏のチームを結成して折伏に励んでいます。
 チームは私を含め三人です。お互いの新来者を、三人で助け合って折伏することで、折伏成就が容易になります。チームによる折伏で、現在までに十人が入信できました。
 また現在、折伏の対象者が八人いますが、このうちの大半が年内に御授戒を受けることになっています。
●特に難しかった折伏はありましたか。
セントサ
 私が折伏した人は、ほとんど、折伏してから数ヶ月で御授戒を受けました。しかし一人だけ、入信まで三年かかった人がいます。一生懸命に御本尊様の話をしても、心を閉ざして、こちらの話を全く聞いてくれませんでした。私はそこで短気を起こして怒ってしまい、相手は余計聞かなくなりました。私は、折伏を諦めてしまいました。
 すると義兄から、「妻を入信させるのに二十年かかった」と聞いて、自分の態度が間違っていたと反省し、忍耐強く時間をかけて折伏するよう心がけました。また登山の際には、本門戒壇の大御本尊様に折伏成就を御祈念しました。
 そして相手もようやく心を開いてこちらの話を聞くようになり、ついに御授戒を受ける決意をしてくれました。奇しくも、立宗会の四月二十八日のことでした。
●どんな思いで折伏に励んでいるのか、お話し下さい。
 私は、この仏法に巡り合っていない人を見るたびに、「この人がお題目を唱えたら、どれだけ幸せになれるだろう」と思い、切なくなってしまいます。その思いは恐らく、自分が過去に体験した不安からくるのだと思います。
 未入信の人の顔を見ると、どこか不幸や悲しみが漂っているように感じてしまい、この人たちを幸せにしたいと思うようになり、それが折伏の決意に繋がっていくのだと思います。
●最後に、日本の法華講員の方々にメッセージをお願いします。
セントサ
 仏教に縁が深い日本でも折伏は難しいと思いますし、これは万国共通だと思います。ですから折伏する際に、最初から諦めてはいけません。折伏の対象者を幸せにしたいという強い一念があれば、必ず成功します。時間がかかりそうなときは「今日はダメでも明日は成功するだろう、明日がだめなら来週、来月、遅くても年内に」と、前向きの心を持つべきです。
 絶対に諦めずに時間をかけて折伏すれば、いずれは必ず入信させることができると、私は強く信じています。私は今までそうやって折伏してきました。互いにがんばりましょう。