平成23年6月16日付

昨年、インドで千名越える入信者
功徳甚大 真の仏法興隆めざして
 インドにおいては、折伏が大きく進み、特にインド西部の都市・ムンバイ近郊においてその成果が顕著である。昨年は千二百人が御授戒を受けた。
 その飛躍的な前進の牽引的な役割を果たした一人が、今回紹介するプラカッシュ・イドナ二さんである。
●はじめに自己紹介をお願いします。
プラカッシュ
 家族は妻と三人の子供たちです。金融関係の仕事をしております。
●入信の動機について教えてください。
プラカッシュ
 当時の私はまだ若く工学部の学生でした。初めて大聖人様の教えに出会ったのは、インドに留学で来ていたある日本人大学生を通じてでした。正しい仏法には人生を大きく変革していく力があること、仏法を根本にいかに充実した人生を歩んでいけるかということに深く感銘しました。一九七八(昭和五十三)年から内得信仰を始め、一九八一年に東京の大願寺で御授戒を受け、御本尊様を御下付戴くことができました。
●インドは歴史上、釈尊が出現した国ですが、今でも多くの人たちが仏法を信仰しているのでしょうか?
プラカッシュ
 いいえ、インドでは仏教徒は少数です。ほとんどの人々はヒンズー教徒とイスラム教徒です。
●信心を開始するに当たって仏教徒が少なく、日蓮大聖人様の仏法を信仰する人はさらに少ないということは気になりませんでしたか?
プラカッシュ
 いいえ、全く気になりませんでした。むしろ、知れば知るほど深遠な大聖人様の仏法に深く興味を持っていくようになりました。
●仏教と言えばほとんどの人が釈尊を連想すると思いますが、インドの人たちは、釈尊のことをどのように受けとめているのですか?
プラカッシュ
 信仰の違いにかかわらず、皆、自国に出現した聖者として深く重敬しています。
●それでは、信徒の方々は、釈尊をどのように理解していますか?
プラカッシュ
 私たち信徒も、インド人としては釈尊に対する尊敬心を持っています。釈尊に対する尊敬心があるからこそ、大聖人様の仏法にも抵抗なく入信できるという現実もあります。しかし、尊敬しているということと、信仰の対象とするということは違います。
 初信の人にとって、下種仏法と脱益仏法の違いの理解は、その後の信心活動の中から深まっていくことになりますから、しっかりとした育成が大事なところです。
●インドで信心活動を行っていくに際して、困難たことは何ですか?
プラカッシュ
 一つには言語の違いがあります。インドは広大な国土を持っています。同じインドの中でも地方によって違う言語が数多く存在します。必ずしも英語やヒンディー語だけで意思の疎通ができるとは限りませんので、現地の言葉で大聖人様の仏法を伝える難しさがあります。
 さらに勤行の発音を覚えることも難しさの一つです。正しい勤行を覚えるために私たちは、ヒンディー語とマラティ語の文字で表記した手書きの経本を使っています。
●では、折伏を行うに際して遭遇する困難は何でしょう。
プラカッシュ
 折伏の対象者の多くはヒンズー教を信じている人たちです。ヒンズー教は多神教で数多くの偶像が信仰対象ですので、それらに対する執着を断ち切るよう説得することが難しいです。
●ムンバイ市近郊での信心活動を紹介してください。
プラカッシュ
 ムンバイの信徒は、多くが最近御授戒を受けたばかりの比較的新しい信徒たちです。そうしたことから、活動の主眼は、勤行の練習と大聖人様の仏法の初歩を共に学び合うことです。発音が難しくても皆、素直に勤行・暗題を実践し、学んだことを自然な形で家族・親族に話すことで、入信希望者が増えています。
 まだ寺院や布教所がないので、信徒の家や公園などで折伏します。するとどんどん人が集まってきて、大きな折伏の輪が広がるんです。
●信徒の方々は功徳の実証を得られていますか?
プラカッシュ
はい、多くの人たちが功徳を頂戴しています。たとえば、精神病を患う家族を巡って争いが絶えなかった家庭が、御本尊様を御安置して一カ月もすると、以前とは見違えるように穏やかになった例や、交通事故で九死に一生を得た人もいました。
 私自身、十年以上も裁判の場で長く親族と争っていましたが、和解が成立してからは、再び平和的な関係を築くことができ、とても嬉しく思っています。これからは、この親族を折伏していくことが私の新しい挑戦です。
●これからの目標を教えてください。
プラカッシュ
 自分が生きている間に、インドのほとんどの州に活動的なグループができ、インド中に大聖人様の仏法が弘まることです。
 またインド中にたくさんの日蓮正宗の寺院が建立され、将来の世代の信徒が寺院を基として弘教していくことができること、御法主上人猊下がインドに来てくださること、真実の仏法がインドで興隆することが私の夢です。
●最後に日本の法華講員に一言お願いします。
プラカッシュ
 多くのインド人が仕事や観光で短期間、日本を訪問しています。どうか機会があったときには、彼らに日蓮正宗を紹介し、地元の寺院へ連れて行ってあげてほしいです。彼らがインドに戻ってきたならば、私たちが日本の法華講の方々の努力を無駄にすることがないようお世話を継続し、折伏を実らせたいと思っています。