平成23年3月16日付

信心深め合う友人・同志との絆
新入信者にご登山の功徳語る
 今回は、明年のオリンピック開催地であり、政治・経済・文化など多方面において、U.K(英国)のみならず欧州の中心的役割を果たしている都市、ロンドン在住のグラハム・ヘミングウェイさんにお話を伺った。昨年からはU.K信徒の代表をされている。
●自己紹介をお願いします。
グラハム
 私はグラハム・ヘミングウェイです。イギリス北部ヨークシャー出身の四十二歳です。
●あまり仏法が知られていなかった国情で、日蓮正宗に入信した経緯を教えてください。
グラハム
 私の家は、イングランド国教会の熱心な信者でした。いつも教会に通い、キリスト教の学校で教育を受け、地元教会の活動にも必ず参加していました。しかし、若い頃からキリスト教の教えに矛盾を感じていました。月日が経ち、キリスト教と他宗教を比較するようになりましたが、どの宗教をもってしても、世の中の問題について説明がつきませんでした。
 そんな中、自分がしたことが自らの人生に報いとして反映される、という仏教の概念だけは、私の世界観と一致したので印象に残りました。
 そして、一九八九(平成元)年、ロンドンへ引っ越した際、日蓮正宗の信心をしている友人に巡り合いました。友人たちは因果の法則について、また、業はいかにして変えていけるかについて教えてくれました。私はすぐに御題目を唱え始め、勤行の練習をしました。功徳はすぐに生活に現われました。
 翌年より、本格的に友人が信心についていろいろと教えてくれるようになりました。その後も、周りの友人たちの支えがあり、御授戒を受ける時を待てました。当時勃発した創価学会問題にも紛動されることなく信心を継続できたのも友人たちのお陰です。彼らが周りにいなければ、SCI(創価学会インタナショナル)からの歪曲された情報に疑問を持つことはなかったでしょう。そして、私たちと同様にSGIに疑いを持つメンバーと連絡を取り、宗務院海外部へ連絡し、無事、SGIとの関係を断ちました。
 当初はわずか十名ほどで教学的な資料も乏しく、活動は困難を極めましたが、御僧侶の御法話などをFAXしていただき、徐々に他の友人たちとも連絡を取り、折伏の輪を広げていきました。週に一度は組織として集まり、勤行・唱題して御書を拝読しましたし、SGIメンバーを招いて折伏もしました。
 平日は、仕事の後にメンバー宅へ行き、一緒に夕の勤行を行う日が続きました。御本尊様の前で御題目を唱えるためにロンドンを横断し、時には深夜までかかって友人宅を訪問することもありました。
 仏壇を持っていなかった私は、すべての仏具が揃うよう少しずつ揃え、日々勤行と唱題に励みました。
 この信心に巡り合って約三年後、総本山へ初めての登山が叶い、その際に晴れて御授戒を受け、御本尊様を御下付戴くことができました。さらに初めて、御法主上人猊下大導師のもと本門戒壇の大御本尊様への御目通りも叶い、心から御報恩感謝申し上げました。
●U・K信徒の現状について数えてください。
グラハム
 過去に抱えていた多くの問題は、今では解決されつつあり、現在は私たち同志は海外部や欧州に赴任されている御僧侶方の指導が直接受けられますし、新入信者は、御僧侶が定期的に訪問されることで御授戒をすぐに受けられます。毎月の御法主上人猊下の御指南や御僧侶の御指導など、信心の基礎となる指導を常に受け強固な信心を打ち立てられるよう、助けられています。
 私自身にとって初めての登山が大御本尊様への絶対信をもってさらに前へ進むために大きな意味を持っていた経験から、新入信者には、できる限り早く登山するよう激励しています。

●折伏する上で、難しいことはありますか?
グラハム
 昨年よりU.K信徒代表となり、二〇一五年までに信徒数五十パーセント増との目標が達成できるよう日々精進していますが、U.Kではここ三、四十年の間、一般的に宗教を信用しなくなってきています。
 また、西欧人にとって仏教とは、宗教というより哲学と認識されており、折伏の際、その考え方に妨げられるという難しさがあります。

●今後の決意を聞かせてください。
グラハム
 私がこの信心を始めた頃、周囲の活力あふれる信心活動に感化され、正しい道を見つけることができました。御題目を唱えることで、凡眼凡智では計れない功徳が人生に変化をもたらし、正しい方向へ導き続けてくださいました。
 私は、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下の、折伏とは慈悲行であるとの御指南を拝して、自分自身が心から御題目を唱えることと同様に、慈悲の気持ちを表すのが折伏であるということを学びました。
 ですから、同志にも折伏達成のために御題目を唱えようと激励しています。また、御本尊様に対する絶対信を持ち、心から決意して行動すれば折伏は決して難しいものではないと、常々伝えています。日蓮正宗の信徒であるとの気概をもって、信行に励むことが大事であるとも話しています。なぜなら、妙法の功徳によって、友人、家族、知人に対して臆することなく、この信心で皆を救ってあげたいとの慈悲心が自然と生じるからです。
 現状、御僧侶が常駐されていない難しさもあります。しかし、止まることなく、日々、家族へ友人へと折伏を展開していき、一日も早く寺院が建立され常駐僧侶をお迎えできるよう、一層折伏推進に精進していきたいと決意しています。

●最後に日本の法華講員に一言お願いします。
グラハム
 日本の法華講の皆様に心から感謝の意を表します。皆様方の総本山、御法主上人猊下、各末寺に対する外護の姿があるからこそ、私たちの小さな組織でも功徳があることを実感できています。皆様方の精進がなければ、ここに法華講はなかったことでしょう。
 これからも謙虚な姿勢と不退の決意で精進していきます。どうか、今後も私たちのよき手本として活動を続けていかれますようお願いします。