平成22年7月16日付

アフリカ全土の「手本」地区めざす
信心も仕事も全力で全う
 一九九八(平成十)年にガーナ法華寺が建立されてより、十二年が経過した。アフリカ大陸における広布は確実に進展しつつある。しかし、総本山への登山参詣は、経済的な理由により、毎年十名・全信徒の一パーセントにも満たなかった。
 昨年の立正安国論正義顕揚七百五十年記念海外信徒総登山では、前住職・阪部信展御尊師の御指導のもと、アフリカ信徒の総本山に対する渇仰恋慕の念による真剣な祈りと努力によって、未曽有の九十九名が登山し、御報恩申し上げることができた。
 本年はその歓喜と勢いのまま、「二〇一五年・日興上人御生誕七百七十年へ向けて各国五十パーセント増の折伏実践」を行い、僧俗和合・異体同心してスタートを切った。
 今回は、ガーナ法華寺の全地区の中で、最も折伏達成率のよい地区の地区長で、幹事でもあるクワメ・ガズー・アベ二ャズィさんにお話を伺った。
●初めに自己紹介をお願いします。
ガズー
 我が家は妻と子供二人、そして三人の親戚と共に暮らしています。また、離れて住んでいる六人の親戚たちも入信し、家族・親戚一同で信仰しています。
 私は、ガーナ共和国で三番目に大きい保険会社の最高経営責任者をしています。
  ●お寺では幹事、地区長、そして会社では最高経営責任者として、非常に忙しい日々を過ごしていると思いますが、どのように、信心活動と生活を両立しているのですか。
ガズー
 私は会社の最高責任者という立場上、仕事のみならず、ガーナの社会においても様々な責務があります。よって、多くの時間をそれらに費やさなければなりません。
 またお寺においては幹事の一人として、さらに地区長として、確実にその責任を全うしなければなりません。
 これらを同時に果たしていくのは、とても大きな挑戦です。仕事の関係上出張する機会が多いのですが、日程をうまく調整し、寺院活動と地区の活動に影響しないよう最大限の努力をしています。また、毎朝欠かさず、出勤前にお寺での五時半からの朝の勤行に参加し、御本尊様を中心とした生活を心がけています。
 そのような中で、私は昨年御本尊様に守られ、すばらしい功徳を頂戴することができました。
 私の運転していた車が原形をとどめないほどの大きな単独事故を起こしましたが、私自身は奇跡的に無傷でした。
 しかし、それから二カ月過ぎた頃から突然体調を崩し、診察の結果、事故の影響による硬膜下出血で手術が必要と診断されました。その時私は、御法主日如上人猊下の、「立正安国論正義顕揚七百五十年の年は様々な困難に直面するが、その困難に打ち勝つために日頃からしっかりと唱題に励むこと(趣意)」との御指南のままに、手術当日までのお寺の活動のすべてに参加し、唱題に唱題を重ねました。また前御住職・阪部御尊師は、脳外科手術が非常に困難を極めるということを予想され、御法主上人猊下に御秘符の申請をしてくださり、手術の成功を御祈念してくださいました。
 その結果、手術は大成功し、わずか二日間で退院できました。私が今回頂戴した大功徳の体験は、私や家族のみならず多くの信徒の方々にとっても、御本尊様への確信を一層深めるきっかけとなりました。そして、私はこのことを本門戒壇の大御本尊様と御法主上人猊下に御報恩感謝申し上げるべく、総本山御霊宝虫払大法会に出席させていただきました。その時の感謝と喜びの気持ちは言葉では言い表わせません。
●アフリカ広布で難しい点があれば教えてください。
ガズー
 アフリカ広布実現には、乗り越えなければならない数多くの壁があります。布教範囲の広さ、貧困・教育・そして宗教の壁です。アフリカ全土、またガーナ国内は、主にキリスト教とイスラム教が信仰されています。これらの宗教は教育機関に深く浸透していて、幼稚園から大学に至るまで学校の授業にも組み込まれ、教義や思想を子供の時から徹底して教え込まれます。その結果、神の存在を深く信じるようになり、大人になってからその考えをぬぐい去るのはとても難しくなります。たとえ両親が日蓮正宗の信心をしていても、その子供は学校教育の中で、キリスト教の思想を信じてしまうという例も少なくありません。
 そのような中での折伏活動ですから困難は少なくありません。

●法華寺支部の中で折伏達成率が一番高い地区と聞いていますが、特に力を入れている点はありますか。
ガズー
 本年は、二〇一五年・日興上人御生誕七百七十年に向けた一年目の年です。今年の法華寺の折伏目標は三百六十二名で、そのうち私の担当している法華寺地区の折伏目標は二十五名です。六月末までに、地区として二十四名を折伏させていただき目標まで残り一名となっています。
 私の地区の主な取り組みは、家庭訪問の充実、唱題実践による異体同心の確立と、「一日に最低でも一人には大聖人様の仏法を話す」ということです。
 また今年の初めから現御住職・加藤信学御尊師は、一日一時間の唱題会を続けられ、四月からは一日二時間の唱題会をされています。私の地区の信徒も皆それに参加し、早期折伏達成を御祈念しています。これらの活動を続けてきた結果、自然と折伏成果が現れてきています。
 また新たな取り組みとして、毎月一回、お寺で新入信者と新来者を対象にした折伏座談会が開催されるようになりましたので、この座談会に必ず新来者と共に出席するよう呼びかけ、激励しています。

●最後に、二〇一五年へ向けての、ご自身の抱負と決意を聞かせてください。
ガズー
 私の決意は、私の地区がガーナ、アフリカ全地区のお手本になれるようにすることです。そのためにも、御住職の御指導のもと、さらに折伏に精進し、地区のメンバー全員が僧俗和合・異体同心してこの信仰を深めるよう努力していきます。
 また地区の折伏目標を一日でも早く達成し、他の地区を牽引できるよう努力いたします。
 そして、二〇一五年には、昨年以上の信徒と共に登山をして、本門戒壇の大御本尊様、御法主上人猊下に御報恩感謝申し上げられるようがんばっていきたいと思います。