平成22年1月16日付

確実な育成は“共に登山”
昨年は毎月一人の折伏を成就
 妙説寺は、アメリカ合衆国の東部、世界経済や現代文化の中心地の一つであり、世界中から人が集まるニューヨークにある。
 妙説寺の管轄地域は、南はペンシルベニア州から、北はカナダの東側半分までと広く、御会式や元旦勤行などの主要行事に、信徒はボストンから約五時間、トロントから十時間以上かけて参詣する。お寺の落慶から三十年経ち、より安定した布教活動のできる異体同心の法華講支部構築をめざし前進している。
 一昨年は、折伏に重点を置いて活動し、折伏誓願目標百二十名のところ百三十六名を達成した。これは、昨年の海外信徒総登山推進の大きなバネとなった。
 その活動の中、特に多くの成果を出し、また新入信者を着実に育てているテレサ・マリバンさんを紹介する。
●自己紹介をおねがいします。
テレサ
 私は、テレサ・マリバンと言います。フィリピン生まれで八人姉妹の末っ子です。アメリカ合衆国には一九七二(昭和四十七)年に帰化し、現在は、建築士の仕事をしながらニューヨークのいくつかの大学で助教授として建築設計施工を教えています。また、大学生の娘を持つ母親です。

●昨年の活動を通じて体験したことを聞かせてください。
テレサ
 昨年十月の登山ですばらしい体験をしました。それは折伏した友人のミシェルとレーチェルが、三障四魔を乗り越えて、私や娘のオーベリアと共に登山に参加できたことです。友達と一緒に登山できることはすばらしいことです。友人たちも初登山にたいへん感激しておりました。
 この登山で御法主上人猊下の御指南である『立正安国論』正義顕揚七百五十年の「地涌倍増と大結集」の意義が理解できました。折伏した友人たちと共に本門戒壇の大御本尊様に御題目を唱えることの歓びこそが、私の求めていた揺るぎない幸福であると確信しました。
 登山から帰国して、友人たちは、私が登山に行くことを熱心に勧めたことに心より感謝してくれました。実は何度も断られ、友人は心の中で、私に対する嫌悪感すら持ち始めていたようなのです。しかし、ゆるぎない確信と努力の積み重ねで、本当にすばらしい功徳は、私にとって大きな確信を共有できたのです。これが因果を説く仏法の功徳だと思いました。
 振り返ってみると一昨年の十月、妙説寺支部の折伏目標までにまだだいぶ成果が及ぼかった頃、御住職・中本代道御尊師より、自分の子供を世話するように友人と関わることが仏教の慈悲である、との御指導をいただきました。振り返ってみて、本当に慈悲と言えるような人間関係はできていませんでした。私はすぐに信心の志を変えて、人間関係向上に努めました。信心の話を押しつけるより、人間関係に重点をおいて接しました。
 すると驚いたことに、残りの二カ月で七人の折伏を達成できました。この成果は私にとって大きな確信になりました。
 昨年は、毎月一人を折伏して御授戒を受けさせようと決意しました。驚くことに、私の決意は実現し、そのうち七人が御本尊様を御下付戴きました。
 四月の海外信徒総登山の折、御法主日如上人猊下は折伏の大事について、
 「世界中にはまだまだ正 法を聞く機会もなく苦し んでいる人がたくさんいる。私たちが行動を起こさなければ平和は来ない(趣意)」
と御指南されました。この御指南に私は深い感銘を受けました。そして折伏して近くの寺院へ連れていくだけでは、十分とは言えない。もっとしっかりと、正法のすばらしさ、御法主日如上人猊下と共に大御本尊様に御題目を唱えることの歓びを教えなくてはいけないと思いました。さらにそれは私の責任のように思いました。『立正安国諭』正義顕揚七百五十年を記念する佳節に巡り合えた歓びを共に感じ、共に登山してこそ、本当の折伏になると思ったのです。それが十月の登山で実現したのですから、これほどの歓びはありませんでした。
 さらに、十二月の海外信徒総登山にも二名の折伏した友人と共に登山することが叶いました。
 昨年は十四名の友人を折伏し、全員が折伏を決意しています。
●では現在の状況を聞かせてください。
テレサ
 自分自身がこの仏法の意味をもっと理解しようと努力しています。また、あらゆる機会にできるだけ多くの友人や、私の生徒たち、また知り合いと信心の話をしています。信心の話をするほどに、いつの間にか彼らから信頼されるようになり、自然と自分の境界が高くなり、またさらなる福運を得るようになりました。今では当たり前のように毎日五十人近い友人とメールをやり取りし、信心の激励をしています。本業である建築士の仕事がどんなに忙しくとも、信心を第一にすれば、仕事はスムーズにはかどります。朝の勤行が終わると折伏リストを見て、今日の活動を考えることが一日の始まりです。このように信心即生活を実践することで、ややこしい仕事の問題などを解決していくことは、それほど難しいことではなくなってきました。
 これからも、折伏した人に慈悲を持って接し、たくさん御題目を唱え、御法主上人猊下の御指南を身に体し、自分の信心の境界を高く維持し、信心の成長を妨げる執着心や迷いをなくす努力をするように決意しました。折伏した友人に登山を勧め、激励し、実際に彼らと共に登山して大御本尊様に御題目を唱えているときが、私にとって最高の歓びであり、人生の思い出となります。夢に思っていたことが叶い、折伏の大切さを実感できること、それが信心の歓びであります。この歓びをより深くし、折伏した皆で共有できるよう励んでいます。