平成21年6月16日付

インドネシアでは、滅多にない!背景が異なる人々が同志に
周囲の反対の中イスラム教から改宗

 チリ共和国は南米大陸の西側、太平洋沿岸に細長く位置した国であり、日本との時差は十一時間で、日本から見て地球のほぼ真反対に当たる。人口の約七十パーセントがカトリックを信仰し、プロテスタント等を含めるとキリスト教系信仰者はその九十パーセントにも及ぶ。
 そのような国情の中、日蓮正宗信徒は、隣国アルゼンチン・ブエノスアイレスにある布教所に所属して、首都サンティアゴの信徒会館を中心に正法流布のための活動を展開している。
 今回取材したマリオ・ルイスさんは、自身と長女の持病を信心によって克服した体験により発心し、現在はチリ信徒グループの総連絡員として、アルゼンチン布教所責任者・中山良究御尊師の御指導のもと、チリにおける活動の中心的存在として広布への前進に精進している。
●入信の経緯を聞かせてください。
マリオ
 私は生まれながらにしててんかんを患い、長女もまた私の業を受け継いでか同じ病気を持っていました。そのような病苦、そして経済苦等から開放されたいとの一心で、私は、先祖代々の宗教であるキリスト教以外の教えを探し求めていました。
 知人の一家より折伏を受けたのは一九七七(昭和五十二)年のことで、言われるがままに御題目を唱え始めたところ、健康状態がよくなり、活力が涌いてくるのが判りました。そうして二年と半年後、御授戒を受け、御本尊様を御下付戴いたのです。
 そうしたある日のこと、娘が大きな発作を起こし、二時間も意識を失うという出来事が起きました。医師からは死も覚悟するようにと言われ、私はすぐさま職場から自宅に戻り、御本尊様の前で唱題を始めました。自分のすべてを御本尊様に捧げる思いで唱題をしたのは、そのときが初めてでした。
 娘は奇跡的に助かり、それ以降、私も娘も発作が起こっていません。この体験により、私は御本尊様に対し確信を持つことができました。

●現在、世界各国が経済危機に直面していますが、そのような世相をどのように感じていますか。
マリオ
 現在世界中を苦しめている経済不況はまさに、人間の飽くなき欲望の産物であり、その真の解決は大聖人様の仏法による以外にないと思います。
 私たちチリ信徒は、自分たちも貪欲の煩悩を具えていることを肝に銘じ、現在の世相から学んで、同じ道を歩んではならないとお互いに言い合っています。『立正安国論』正義顕揚七百五十年というたいへん意義ある年にこのような障害があることは、まさに大聖人様の仏法が正しいとの現証であり、それを乗り越え善業を積める喜びを感じています。
 チリは総本山より遠く離れた国で、旅費を考えるとこの不況下での登山は至難なことですが、信徒間で励まし合い、御命題である海外信徒総登山の参加者となれるようそれぞれ精進しているところです。
●マリオさんは総連絡員としてチリ信徒をまとめる立場にありますが、現在、組織として何を目標とし、具体的にどのような活動を行っていますか。
マリオ
 私たちの最終目標はチリ乃至世界の広宣流布ですが、その第一歩として、まずチリに布教所を開設し、常駐してくださる御僧侶をお招きすることをめざしています。サンティアゴでは、毎月の御報恩御講や広布唱題会をはじめ各種法要・会合に信徒が集まって、アルゼンチン布教所から送られてくるメッセージを読み合わせます。また首都から離れた地域では、それぞれで座談会を開き、同様の活動を行っています。
 現在は、サンティアゴ在住のある信徒が、自宅を信徒会館として提供してくれて、サンティアゴにおけるすべての活動はそこで行われています。しかし、近い将来、私たちの力で信徒会館となる物件を購入・御供養申し上げ、将来の布教所開設の礎としたいと考えております。
 また、二〇一一年に開催予定の南米スペイン語圏総会を、チリで開催できるよう、折伏はもちろんのこと、活動者数の増加、組織の充実に尽力しています。

●最後に、「正義顕揚の年」と銘打たれた意義ある本年における抱負を聞かせてください。
マリオ
 私たちチリ信徒一同、このようなたいへんに意義ある年に巡り合い、地涌倍増と大結集完遂のために精進できますことを心より感謝しています。
 抱負としては、やはり今年の折伏誓願目標の達成と、総本山に馳せ参じることです。アルゼンチンから御僧侶に出張御授戒に来ていただけるのが、年に一度か二度というたいへんに厳しい環境ではありますが、そのチャンスを逃すことなく必ず今年の折伏誓願目標を達成します。また、二〇〇二(平成十四)年にはチリから八名の登山者を輩出することができましたので、今年は最低でも倍の十六名での登山を成就します。