平成19年12月16日付

常の御指導、幹事の心得胸に 御本尊様へのご奉公
「信心=折伏」が躍進の原動力
 妙行院は一九九九(平成十一)年、中華民国台湾の中部に住む信徒の中心拠点となるべく、本興院の中台分院として設立された。その後一年間は本興院の在勤教師が交代で指導に当たられていたが、二〇〇〇年に中台布教所に昇格した折、常駐僧侶として長沢正奏御導師を迎え、現在の布教体制を整えてきた。
 その後、毎年の折伏誓願目標を確実に達成し、人材の発掘と育成に力を注ぎ、そのかいあって二〇〇四年三月七日には、熱心な折伏による信徒増加のため、手狭になった布教所から現在の広い布教所に移転。同年十一月には前御法主日顕上人猊下の御親修を賜り、めでたく山院号公称板御本尊入仏法要を奉修した。今もなお、信徒の一人ひとりが個々に高い目標を定めて『立正安国論』正義顕揚七百五十年に向かい、また台湾広布をめざし精進している。
 今回は、その妙行院の信徒の中心人物である、幹事の林清政さんにお話を伺った。
●林さんの入信のきっかけは何ですか?

 私はもともとは無神論者で、宗教というものに関心がありませんでした。台湾にもたくさんの宗教がありましたが、どれもインチキ臭く思えていました。
 しかし、一九八三(昭和五十八)年頃、親戚に折伏されてこの信心の話を聞いたとき、内容が理路整然としていて道理に適った教えに感じ、御題目を唱えるようになりました。
 最初はただ漠然とでしたが、様々な現証が出るにつれ確信が涌いてくるようになり、次第に真剣に励むようになりました。

●台湾初の寺院である本興院が落慶した日、そして、台中に妙行院ができた日の気持ちを、まだ覚えていますか?

 それまでは台湾に御僧侶もいない、寺院もないという時代でしたので、皆が日々御題目を唱えて寺院設立を待ち焦がれていました。
 初めて寺院ができた時は、うまく言い表せませんが、まるで家なき子が家と両親を一気に得たような気持ちでした。「そこに行けば正しい信心を学べる。どのような疑問も解決できる」と、それはもう、うれしさで一杯でした。その時の気持ちは、もちろん今でも覚えています。
 よく長沢御主管から、「寺院がそこにあるのが当たり前と思ってはいけない。
お寺があり正しい信心ができることに感謝することが大事」と指導されます。私を含め同じ経験をしている多くの信徒は、肝に銘じて寺院ができた時の気持ちを忘れないようにしています。新しく入信してきた人たちにも教えていくつもりです。

●妙行院は布教所時代から毎年、折伏誓願目標を達成していますが、その原動力は何だと思われますか?

 「一人が一人を折伏」、この言葉がほとんどの信徒の原動力になっていると思います。御主管は御指導のたびに「折伏」と言われていますから、皆が信心=折伏であると
考え、実践しています。
 また、御主管が作られる折伏成果一覧表等により、各支部が刺激を受けて、いい意味での競争をしているせいだと思います。


●新入信者の育成で気をつけている点はありますか?

 入信直後に役員が家庭訪問を行って家庭状況を把握し、問題点を理解し、それらの解決に迅速に取り組めるように心がけています。こまめに連絡して、なるべく多くの寺院活動に参加できるよう心配りしています。

●林さんは、妙行院の幹事という、日本の講頭に当たる立場として信徒をまとめていますが、特に注意している点は何ですか?

 自分が皆に対して言ったこと、行ったことを、毎日検討・反省しています。反省すべき点は反省し、改良できる点は改良するように心がけています。
 また、決して自分は皆の大将ではなく、自分のなすべきは皆のための、そして御本尊のためのご奉公であるという気持ちで幹事をしています。常々御主管から「幹事・主任の、信徒に対する影響力は計り知れないものがある。だから人一倍、言動には気をつけなければいけない」と言われており、それを常に心に留めて接するようにしています。

●この『大白法』は世界各地で読まれています。その中には未だ寺院も常駐僧侶もいない地域の方もおられます。その方々に対して何か言葉はありますか?

 御僧侶もいない寺院もない、そんな環境で信心をしていると、いつしか我見により信徒同士の問題が起こることもあります。信心しているのに、なぜこんなことになるのかという疑問も起きると思います。実際に自分もそうでした。
 しかし、正しく信心を実践していけば必ず寺院はできると思います。もちろん、それぞれの国の実情や因縁によっていつできるかは判りません。
 一番大事なのは、いつ寺院ができても、いつ御僧侶を迎えることになってもいいように、常に折伏・育成に励んで、前進しておくことだと思います。

●最後に、いよいよ間近に迫った『立正安国論』正義顕揚七百五十年に向け、抱負をお願いします。

 今はただ目標達成のために、今ある勢いを弱めることなく、さらに勢いをつけて折伏・育成へと実践あるのみです。
 御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下の御指南にお応えするため、御本尊様への御報恩のため、今はそれしかないんだと私自身感じていますし、また皆にもそのように言っています。
 今まで以上に実践し、『立正安国論』正義顕揚七百五十年にはさらに成長した、そして目標を完遂した我々の姿を皆さんに見せられるよう、これからも精進を重ねていきたいと思います。