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総本山 第67世 御法主日顕上人猊下 | |
皆様、こんにちは。 このたび、当ブラジル国サンパウロ市における日蓮正宗開道山正法寺の建立により、その落慶入仏法要奉修のため、お伺いたしました日顕でございます。 皆様、本日は本当におめでとうございます。そして、当ブラジル国における日蓮正宗信徒皆様のはつらつたるお元気な姿に接し、心から喜ぶものであります。 長い間の冬の寒さが春となり、活動と忍苦の夏を過ごし、さらにその努力の結果として稔りの秋を迎えた喜びこそ、本日の落慶人仏法要に対する皆様方ブラジル国日蓮正宗信徒の心境であると思います。ここに至るまで、長い間の苦難の道を通して、たゆまざる御精進、本当に御苦労様でございました。 宗門の援助と信徒皆様の厚い護法の志により、このような立派な正法弘通の道場が建立されたことは、ひとえに本門戒壇の大御本尊様、本仏日蓮大聖人様の御加護と御照覧の賜物であり、皆様の強盛不屈の信心を御嘉賞あそばされることと確信いたします。 この正法寺建立は、さらに未来において日蓮大聖人の大仏法がこの国に弘まり、多くの人々がその功徳によって真の幸福を得て、国家社会の平和と繁栄に貢献することを確信するものであります。 釈尊の説かれた一代五十年の経々は大きく二つに分けられます。いわゆる方便と真実であり、華厳・阿含・方等・般若等の経々は方便に属し、法華経のみが真実の経であります。真実である故に一切衆生の仏性を発起せしめ、未来永劫に成仏の大功徳を生ずるのであります。このように妙法蓮華経はあらゆる経々に超えて勝れる故に、これを聞いて信解する衆生は成仏の大功徳を得ます。 しかし法華経には、大権力者を含めた俗人と僧侶と高僧という三類の強敵が現れ、仏に対し悪口罵詈、刀や杖の迫害、流罪・死罪等を行うことが予言されており、これを身に当てて実践し、妙法の真髄たる大人格を顕された方こそ日蓮大聖人であります。 経文の予証をそのままに起こった、これらの諸々の大難のなかで最大の難は、なんらの罪もない大聖人様を刑場において頸を切ろうとしたことであります。泰然自若として頸の座に座られた大聖人様に対し、斬首の役人がまさに刃を振るおうとした時、東南より西北へかけて大光明の物体が出現して太刀取りは眼が眩み、ついに殺すことができなかったのです。 これについては、下種仏法の発迹顕本という重大な法門があり、すなわちこの時、大聖人様は凡夫身の日蓮より久遠元初根本の本仏と顕れ給うたのであります。またこの時、大聖人様の発揮あそばされた法界を一丸とする妙法の大力用は、御自身の発迹顕本のみならず、滅後末法万年の妙法を受け持つあらゆる人々の、三世にわたる成仏という最大幸福を与えられる本仏の妙徳として確立されたのであります。 そして、大聖人様はその本仏の魂を本門戒壇の大御本尊として顕されました。すなわち末法万年の一切衆生を救い導く、真実の大御本尊であります。その御内証を拝し奉り、唯授一人の相承をもって書写申し上げる歴代法主の大曼荼羅本尊も、また本仏日蓮大聖人の御魂を宿しまいらせるのであり、この信仰に入られた皆様をお護りくださるのであります。 大聖人は『新尼御前御返事』に末法について、 「大火・大水・大風・大疫病・大飢飢饉・大兵乱等の無量の大災難並びをこり(中略)諸人皆死して無間地獄に堕つること雨のごとくしげからん時、此の五字の大曼荼羅を身に帯し心に存ぜば、諸王は国を扶け万民は難をのがれん。乃至後生の大火炎を脱るべし」(御書七六四頁) と仰せられました。このような救済の大宣言が真実であることは、普通一般の常識では到底、信じ難いことであります。しかし、 「道理証文よりも現証にはすぎず」(同八七四頁) と仰せのように、これが正しいか否かは、論より証拠、いわゆる現実の証明こそ大切であります。 |
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大聖人様の、この妙法の大曼荼羅を信ずる万民は必ず難を逃れるという本仏の大信念、大確信のお言葉は、実に七百年を過ぎた今日において、妙法受持の功徳として判を押す如く、しかも世界的規模において、紛(まが)う方なき現実の証拠として表れております。 すなわち、十年前の日本国の阪神・淡路大震災、奥尻島の大津波、昨年の中越地方の大地震に、日本国内の多くの方々が、お気の毒にも亡くなりました。しかし、それぞれの地における日蓮正宗の信徒は健在であります。 また、六年前の台湾中部の大地震による多くの犠牲者のなかで、数千の日蓮正宗信徒の方々においては、ただ一人の犠牲者もなかったのであります。 さらには昨年十二月二十六日、インドネシア・スマトラ島アチェ沖を震源地とする大地震による大津波の被害は、世界災害史上未曽有のことであり、インドネシア・タイ・スリランカ等、周辺諸国の数十万の尊い人命が失われたことは、まことに痛恨の極みであります。 私も一月二十七日よりインドネシアの首都ジャカルタを訪問し、翌二十八日、インドネシア信徒の方々と共に、心より妙法の功力をもって犠牲者の御冥福を祈り、かつ速やかな災害よりの復興を願い、応分のお見舞いを同国政府の方に呈した次第であります。 そして、インドネシア同における災害犠牲者は三十万人以上と言われておりますが、その国における我が。蓮正宗信徒も数十万人と言われております。そのなかで犠牲者は、いったい何人出たでありましょうか。実に一人も亡くなった方がないという報告がありました。スリランカとタイにも数千人の日蓮正宗信徒がおりますが、この両国も現在のところ、この災害による犠牲者は一人も報告がありません。 これまさしく大聖人様の「万民は難をのがれん」との御金言が過去・現在・未来の三世にわたり、十方世界中に遍く加護があることの現実の証拠ではありませんか。すなわち本仏大聖人様の御魂は、妙法を信ずる我々皆様のところに常にましまして、末法万年を通じて妙法受持の衆生を守り給うからであります。 大聖人様が白法隠没・闘諍堅固の末法において、妙法受持弘通の先陣を切られてあらゆる大難を超克し、その大難によって妙法の偉大な力用と本仏の開顕をあそばしたことは、我々皆様もまた正しい信心によって三世にわたる最大幸福たる成仏を得る現証であり、その手本をお示しになったことを確信すべきであります。 正法を受持し自行化他するところ、必ず難が来ます。皆様方もこのブラジルに在って、なんらかの難を受けることがあるかも知れません。しかし強い信心をもって前進するところ、利剣をもって瓜を切る如く、正義に向かう敵はありません。大聖人様も、 「悪は多けれども一善にかつ事なし」(同一三九○頁) と仰せであります。 そして本日は、大聖人様の出世の本懐たる閻浮総与の本門戒壇の大御本尊様の御内証を拝し、書写申し上げた当寺常住板御本尊の入仏法要が奉修されました。 皆様には、この立派に建てられ荘厳された寺院に常に参詣せられ、僧俗一致和合していよいよ信行倍増し、妙法功徳の発揚に邁進されることを願うものであります。 終わりに臨み、当寺の隆昌と信徒皆様の御健康と御多幸を祈り、本日の御挨拶といたします。 |
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