平成17年7月16日付

 世界の経済と文化をリードするアメリカ・ニューヨーク市にある妙説寺に、法華講が結成されて今年で十五年になる。結成当時と現在とでは、世界が大きく変わり、続発するテロに象徴される人心の荒廃と、それによって引き起こされる各種災害が頻発している。
 その根本原因は、創価学会をはじめとする邪教の蔓延であり、今こそ私たちが、世界中に妙法の清気清風を送り、人心の浄化と安穏な世界を実現する時が来たとの確信をもって、『立正安国論』奉呈より七百五十年の大佳節を四年後に控え、妙説寺法華請員は、海外広布の礎石(そせき)となるべく、折伏を誓い合っている。
 最近、妙説寺法華講は大きく再編され、四十二の小さなグループを百五十五人のサポートの人々がお世話するという組織になった。南はフィラデルフィア市より北はトロント市までの信徒を、サポートの人々がお世話している。各グループでは、毎週のようにサポートの方のお宅に集い、新来者を招いて唱題会を行い、折伏に励んでいる。また、市の中心地のマンハッタンには妙説寺出張所があり、毎晩のように各種の打ち合わせや会合を開いている。
 また春と秋の二回の支部登山を含め、年間を通じて団体登山が盛んである。登山の折には富士市の龍泉寺に参詣して熱原法華講衆の不自惜身命の精神を手本とすべく学んでいる。
 今回紹介するエリザベス・プラッグさんは、入信して十年になる比較的新しい信徒ですが、その純粋な信心は、多くの人々を入信に導いてきた。
●あなたは一九九七年に入信して、御本尊様を御下付されてより、ご主人をはじめ、お母さんや三人のお嬢さん、その他、多くの方々への折伏を成就されたそうですが、どのようにして多くの折伏を果たせたのですか?
エリザベス
 私の夫はインドで生まれ育ちましたが、私がこの信心を始めたときには、大反対しました。
 御作職・長坂慈精御尊師はこのとき、「御本尊様を信じてしっかりと御題目を唱えなさい。不可能なことは何もないのだから」と激励してくださいました。それで私は、どんなに重大な問題が起きてきても、夫の成仏を願って忍耐していこうと決意しました。
 夫は三年間、信心に反対しましたが、ついに入信して、今年は夫と共に、四回目の御登山ができました。
 今は、家族全員で信心ができて、とても幸せです。
●折伏するとき、特に心がけていることは、何ですか?
エリザベス
 はい。私は、御本尊様に心をこめて、正しい折伏が成就するようにということを御祈念しています。
 そうすると、不思議と私の身近な人が、この信心や私の信心の体験を尋ねてきます。それは、あたかも御本尊様が、この大仏法を求める人を私の前に連れてきてくださるようです。
 そんなわけで、折伏・化他の行は、私の生活の一部になっています。私は、他人の痛みや苦しみを見ていると、この折伏の決意が倍増してくるのです。はっきりと言えることは、私にとってこの正法を他の人に話すことは、話さずに沈黙したり、話したことによって彼らかどんなふうに私を見るかということよりも、はるかに重要なのです。
 結局、時間はかかっても、それらの人たちは、私の信心の発露としての慈悲の気持ちを受け入れて、くみ取ってくれると信じています。
●今世において、信心に励んでいくと、たくさんの三障四魔が競い起こるとの御金言を拝して、どのように思いますか?
エリザベス
 私の人生は、常に困難が待ち構えており、毎日がその困難との闘いのように思えます。事実、今までもそうでしたし、それが人生なのです。
 時として私は、過去世よりの重い罪障によって、とても乗り越えられないのではないかと思うこともありました。
 しかし今の私は、自身の業・罪障消滅のための闘いが、折伏の大いなる原動力と受け止めています。大きな問題に直面し、それを乗り越えた体験は、誰しも持っていると思います。これらの体験は、私にとってはもちろんのこと、他の人にとっても有益なはずです。この信仰を謙虚に励み、それにより問題を乗り越えたということは、何よりの信心の現証なのですから。
 結局この信心は、自分で体験、証明してみせることが、他の人に信じてもらうことへの、一番の近道だと思います。
●あなたは、デラウェアに住んでいるそうですが、お寺からはるか遠くに離れた地域に住んでいることは、あなたの信心にどのような影響がありますか。
エリザベス
 私は、所属する妙説寺がはるか遠くにあることで、お寺へ参詣する困難さは感じます。しかしそのことが私の信心修行のマイナスになっているとは考えません。
 私が入信したとき、御住職は、「本門戒壇の大御本尊様を常に拝している気持ちで、自宅の御本尊様に向かってください。と励ましてくださいました。総本山に連なる信心が法華講員の信心である、と御教示くださいました。むしろ今ではお寺から遠くに離れていることが、私の求道心をいや増してくれていることを感じています。
 これからも私は、御法主上人猊下の御指南のもと、御住職の御指導にしたがって、一生成仏へ向かって正しい信心の道を歩んでいくことを決意しています。