平成17年3月16日付

  スペイン妙昌寺法華講が誕生して、昨年で十年目の節目を迎えた。この間、歴代の御住職方の御指導を仰ぎながら、妙昌寺法華講は一歩一歩前進してきた。
 特に折伏については、昨年は目標を大きく上回る成果を出すことができた。
 また本年は、さらなる異体同心と、「地涌の友の倍増」をめざして、御住職・中野道賢御導師より、支部登山の計画が発表された。早速二月末には四十八名が参加して、初めての支部登山が行われた。
 今回は、この御登山に参加した一人、ドローレス・シエラ・マルチネスさんに話を聞いた。ドローレスさんは、妙昌寺の法華講幹事として、また地元バルセロナの信徒のまとめ役として信仰に励んでいる。
●入信はいつ頃ですか。
ドローレス
一九八六年四月です。その時、御本尊様も御下付いただきました。

●スペインは、カトリック信仰者が全人口の九割以上と聞いていますが、どのような経緯から入信に至ったのでしょうか。
ドローレス
 はい。ご多分に漏れず、私の家族もカトリックの信仰をしておりました。私が生まれた頃のスペインは、誰もがカトリックの信仰をしなければならないような状況でした。私も当然ながらよい信仰者でありたいと、毎日のように教会へ行ったものです。

●そのようななかで何故、日蓮正宗の信仰を始められたのか、それをぜひ聞かせてください。
ドローレス
 キリスト教の信仰を続けていくなかで、私自身の人生とは何かということがよく判らない時期があり、私は本当に不幸な人間だと強く考えたのです。結婚したとき、神父から「人生で何をしなければならないかをよく考えなさい」と言われ、ますますカトリックの信仰について考え、いろいろな書物を読み漁りました。そうして至った結論は、カトリックの信仰は、これをしなさい、これはしてはいけないと規定して、人々をカトリックから離れられないようにする信仰であるということでした。これでは本当に幸せになれないと思い、信仰を止めました。
 宗教なんて皆同じと思っていた頃、友人から日蓮大聖人の仏法を聞きました。すると素直に信心を始めることができたのです。カトリックとはまるで違う教えに、これしかないと思えたからでした。そして入信して信仰に励み、まず、家族を折伏しました。
●SGI(創価学会インターナショナル)を脱会されてからのことを聞かせてください。
ドローレス
 はい。スペインにおける創価学会問題はひどいものでした。私は当時、班長をしておりましたが、この問題をきっかけに脱会の決意を固めました。
 その後、様々な妨害がありましたが、私を含め多くの仲間は、妙昌寺落慶入仏法要に参加させていただいて御法主日顕上人猊下の御姿を目の当たりに拝し、本当の日蓮正宗の信心ができることが、いかに大切で、有り難いことかを実感できました。
 また、一昨年パリにおいて御法主上人猊下御臨席のもと初めて行われたヨーロッパ総会で、私は決意発表をさせていただきました。これは本当に忘れられない体験となりました。

●折伏にあたって心がけていることは何でしょうか。
ドローレス
 ヨーロッパ人はたいへん理屈にこだわります。そこで、折伏するときは、まず因果の理について話します。大聖人様の教えほど道理に適った話はありません。
 そして、相手のことをよく考えてあげることが大切だと思っております。

●四百キロ以上離れたお寺への参詣で工夫されていることなどありますか。
ドローレス
 御講が行われる日は、毎月決まっておりますので、昨年から、飛行機のチケットを年間で前もって予約しておいて、できるだけ参詣するように心がけております。御住職様は常日頃から「大切な御報恩の法要である」と御指導されておりますので、それを実践しております。
 また、本年の海外信徒三大目標に「御報恩御講への参詣・広布唱題会への参加」が掲げられておりますが、広布唱題会は地元で集ってお寺と同じ時間に行っております。
 そして今度の四月の御講には、今回折伏した六名と共に参詣し、御授戒・御本尊御下付戴く予定です。

●あなたは何か夢をお持ちと聞いていますが、さしつかえなければ聞かせてください。
ドローレス
 はい。バルセロナから御登山するには乗り換えを含めて十四、五時間の長い時間がかかり、喜びと共に疲れてしまうのも事実です。ですから、将来は総本山の近くに住むのが私の夢です。毎朝、御法主上人猊下のお供をして丑寅勤行に参詣させていただきたいと思っております。日本の法華講の皆さんは本当に幸せだと思います。
 でも、今はバルセロナから御登山させていただくことで阿仏房の精神を実感できる有り難さをかみしめながら、バルセロナの地涌の友として御住職の御指導のもと信仰に励んでいきます。