平成16年2月16日付

 昨年十一月二日に、イタリアのフィレンツェにおいて、イタリアとしては初めての大きな会合となる「宗旨建立七百五十年慶祝記念イタリア総会」が、ミラノ、ローマ、フィレンツェから七十余名の信徒が参加して盛大に開催され、これには日本をはじめイギリスなどからも応援に駆けつけた。
 今回はこの総会に家族全員で参加したピサ在住のジョルジュ・ナティボさんにお話を伺った。
 ジョルジュさんは、入信してまだ二年。実はその他の家族は総会前日まで、御授戒すら受けていなかったのであった。しかし今では、家族・親戚のことごとくを折伏し、毎週の会合に参加するために、家族を連れてピサから約百キロ離れた隣町のフィレンツェまで通う熱心な信徒となっている。

●入信されたのはいつですか。また、入信する一番の動機となったのは何でしたか。
ナティボ はい。御授戒は、二〇〇二年の三月二日に受けました。
 私が入信する一番の動機となったことは、仏教は人々の目を開かせるような教えが説かれていること、そして、すべての人々を苦しみから救うという仏様の約束に筋の通ったものを感じたからです。大乗教の概念は、誰にでも入りやすく、現実的だと思いました。
 話を聞いたとき私はちょうど、人生のための新しい信仰とエネルギーを求め、新しい縁を探していたのです。

●どのようにして、信行を持続していますか。
ナティボ あれは確か、初めてイタリアに着いた日のことでした。招かれて知人宅に行ってみると、彼はSGIのメンバーで、一緒に御題目を唱えることになりました。このとき私は、彼らが仏様の教えに従っていないと直感しました。彼らにとっては自分たちの現世利益が第一なのです。
 その後に日蓮正宗の法華講のメンバーに出合いましたが、本当の御本仏日蓮大聖人の法と信仰の基本について教えてくれました。私が求めていたものがそこにありました。だから私は、日蓮正宗の正しい信心からそれることなく、初めから自然に持続することができたのです。

●これまでの信心修行の中で、特筆すべき体験がありますか。
ナティボ はい、あります。あの日のことは、よく覚えています。
 ある重要な決断をしなければならないのに、非常に迷い、脱力感で一杯になっていました。
 自身の決断力のなさを感じた私は、自信を取り戻し正しい答えを得るために、御題目を唱えようと決めました。唱題を始めて四十五分が経過した頃、急に体の中から力がこみ上げてきて、自分は何をすべきかときっぱり決断ができました。御題目の効力を体験しました。

●イタリアでの折伏について、何か考えていることはありますか。
ナティボ イタリアでの折伏は、今では自分のためだけではなく、この国の多くの人にとって最も大切なことだと感じています。なぜなら、正法を信心修行することは、成仏の要因であり、人としてのよい振る舞いの基盤になります。
 イタリア人は合理主義、実用主義です。彼らには、正しい日蓮大聖人の仏法が必要ですし、そのためには、判りやすい説明も必要と考えています。

●イタリアの将来のために望んでいることは、何かありますか。
ナティボ 私も多くのメンバーも、御僧侶がイタリアに常駐される日を待ち望んでいます。信心の在り方とか、目を覚ましてくれるような御法話を、もっと教えていただき吸収したいのです。そうしてもっと御僧侶と異体同心できるといいですね。

●最後に、今後の決意をお聞かせください。
ナティボ 常に、自身の信心の向上と、広宣流布への決意は、忘れずに持っています。
 そして個人的な決意としては、精神面では、常日頃から高い境界になれるよう心がけ、経済面では、生活を安定させて家族と共に幸せな人生を送りたいと願っています。