平成16年1月16日付

 本誓寺は一九六七年、総本山第六十六世日達上人の御親修を賜って開創された寺院である。
 一九九〇年の創価学会問題を契機に、正しい信仰を求めて本誓寺に集った人々により、一九九五年一月一日には法華講が結成され、御住職の御指導のもと、地域広布に精進している。
 お寺のあるオアフ島以外にも、カウアイ島、マウイ島、ハワイ島にも信徒を擁し、約三百世帯の信徒が信心に励んでいる。各離島へは、御住職が役員とともに定期的に訪問して指導・激励にあたり、異体同心の団結を固めている。
 二〇〇一年五月には「宗旨建立七百五十年慶祝記念総会」を盛大に開催し、さらに二〇〇二年十二月には「本誓寺創立三十五周年記念法要」を厳粛に奉修した。
 そして昨年七月に赴任された新住職・佐藤道幸御尊師のもと、五年後に向かって前進している。
 そこで今回は、今年の一月から本誓寺支部幹事となり、活躍するリンダ・トーマスさんにお話を伺った。

●入信されたのはいつですか?
トーマス 一九六一年、私が六歳のときに、東京の常在寺で御授戒を受けました。
 しかし、一九七〇年代の後半頃からSGIの在り方に違和感を持ち始めた私は、会合などに行くのをやめました。御本尊様を御安置はしていたものの、だんだんと勤行も疎かになっていきました。
●では、どのような経緯で創価学会を脱会するに至ったか、お話ください。
トーマス 二十年ほど経った一九九六年、この頃の私は、まるで地獄に住んでいるようでした。二人の子供を抱えて夫と離婚し、働きながらの子育てとなり、頼みの貯金はあっという間に底をつきました。私はすべてに否定的になり、生きているより死んだほうがましだと思うほどでした。このような状態になった私は、再び御題目を唱え始めました。
 ちょうどその頃、学会問題の話を聞いて、母と妹と私は迷わず「お寺に行こう」と決めたのです。
●法華講に入られてからの活動についてお聞かせください。
トーマス 私たちがお寺での唱題会に参加するようになってすぐの頃、柳坂特道御尊師が本誓寺の御住職として赴任されました。唱題会での御住職のお話をお聞きするのが楽しみになり、どんどん興味が涌いて、勉強会にも出席するようになりました。唱題会と勉強会の行われる日が待ち遠しくて、毎日楽しく信心に励んでいくうちに、いつの間にか生活もよくなっていきました。
 柳坂御尊師のハワイ広布へのひたむきな姿勢、知識や寛容さ、そして御法主上人猊下に対する姿勢に、私はとても深く感銘を受け、その大切さを身をもって教えてくださったことに感謝しています。法華講員として信心ができるようになった私には、柳坂御尊師はなくてはならない存在でした。
●今年の一月からは、本誓寺支部の幹事を拝命されたと伺っています。そこで、トーマスさんがいつも心がけていることを教えてください。
トーマス 何事も絶対にあきらめないことと、御法主上人猊下に心から信伏随従したいとの願いです。
 これまで私は御本尊様から多くの功徳を戴きました。この御恩に報いるために、私が再び勤行を忘れることはありませんし、友人や家族への折伏をあきらめない決意をしたことです。
 ハワイは地図で見ると海上の「点」のようです。日本からもアメリカ本土からも四千キロメートル離れた、このような小さな島に、お寺があり御僧侶がいてくださることは、本当に幸せなことだと思っています。
●本誓寺支部の活動を紹介してください。
トーマス 毎月一日の御経日では、月のはじめにあたって、信心上の決意を新たにします。私はいつも信心活動中心の生活をしようと再確認します。すると、他の事もすべてうまく事が運び、毎日を落ち着いて過ごすことができます。
 毎月の御報恩御講は最も重要な行事であり、メンバーが一番多く集まる日です。
 現住職・佐藤道幸御尊師の御法話や、励ましの言葉に、とても感激しています。
 私たちの諸行事はいつも日本語と英語の両方で行われ、どの行事もとても元気になれるものです。
●今後の決意をお聞かせください。
トーマス 毎日の勤行・唱題を根本に、御住職と本誓寺のメンバーのお役に立つということです。御法主上人猊下の御指南に従い、毎日一時間の唱題をして、異体同心の団結を築き、折伏にがんばります。
 さらに、一昨年の「宗旨建立七百五十年慶祝記念海外信徒総登山」に参加した折、一年に一度は必ず登山させていただこうと決意しました。
●最後に日本の法華講員に一言お願いします。
トーマス 日本の法華講の皆様は、本門戒壇の大御本尊様のお側にいられて、本当に幸せな方々です。
 日本の皆様の強盛な信心と、登山の際に海外メンバーを温かく迎えてくださる姿に、とても感謝しています。