平成16年1月16日付

 去る十二月二十一日、アルゼンチンのブエノスアイレス市内にある文化会館ガーデン・パレスで、宗旨建立七百五十年慶祝記念南米スペイン語圏総会が開催された。
 この総会は、一昨年より本年まで三年間にわたって、世界各地において開催されてきた慶祝記念総会の掉尾(とうび)を飾るもので、二十一番目となるものである。
 これには、宗務院海外部長・尾林日至御尊能化をはじめ、日本及びNSTから有縁の御僧侶九名が御出席。また開催地アルゼンチンをはじめ、ペルー・チリ・ウルグアイ・ボリビアの南米スペイン語圏五カ国、さらにはブラジルからも信徒が馳せ参じ、新来者百五十余名を迎え、全六カ国から目標を大きく上回る五百余名が参加した。
 総会は午後三時より法要の部が開始され、アルゼンチン布教所責任者・井尻執道御尊師の導師によって、ステージに設けられた祭壇に向かい読経・唱題が行われた。
 次いで式の部に移り、司会による開式の辞に続いて『諸法実相抄』の行学二道の御聖訓を奉唱。そののち、来賓御僧侶が紹介された。
 続いて体験発表に移った。初めにアルゼンチン信徒のロベルト・ゴメスさんが、夫人をはじめ家族に支えられて難病や災難を乗り越えてきた体験を力強く発表。次いでチリ信徒のヴェロニカ・クスバックさんの、の信心で見事に病を克服し死の淵から見事に生還した体験を娘さんが紹介、それぞれ大きな感動を呼んだ。
 続く「正義顕揚七百五十年に向かっての抱負」では、アルゼンチン信徒ミゲール・プラットさん、ペルー信徒ガブリエラ・ヴァルデビアさん、チリ信徒グロリア・ロドリゲスさん、ウルグアイ信徒ジュリー・エチャルトさんの四カ国各代表からそれぞれ発表があった。まだ寺院のない国は、寺院の建立と常駐御僧侶をお迎えすることを当面の目標とし、さらに「一人が最低三人の折伏」「二〇〇九年には、二〇〇二年の三倍の人数で登山参詣」を目標に、平成二十一年を見据えた具体的な決意が力強く披瀝された。
 次いで南米スペイン語圏の各国代表が共同決意文を斉唱し、尾林海外部長に奉呈した。この共同決意には、南米大陸を広布の舞台とするスペイン語圏の同志がさらなる連帯のもとに広布に邁進し、二〇〇九年に南米全体で千五百世帯の陣容達成に向けて勇躍前進することが謳われている。
 続いて登壇された宗務院庶務部副部長・阿部信彰御尊師は、いかなる苦難をも唱題を通して乗り越え、僧俗異体同心の絆を強めてのさらなる前進をと激励された。
 次いで指導に立たれた尾林海外部長は、末法万年濁悪の闇を照らす宗旨建立の意義と、日蓮大聖人の御身尊厳と力用を確信し、本総会を契機に一人ひとりが破邪顕正の使命を自覚し、二〇〇九年の「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」をめざし、広布へ向けて精進を開始しようと述べられた。
 最後に井尻責任者よりスペイン語による謝辞が述べられた。遠来の来賓僧侶への謝意、数々の困難を乗り越えて結集した信徒への感謝と激励、新来者に対する歓迎の辞を述べ、この有意義な結集を南米広布への新たなる出発点にしようと呼びかけられた。また、本総会を機に三年毎に南米スペイン語圏総会を行うことと、次回の二〇〇六年はペルーの首都リマ市で開催する旨が提案されると、賛同の大きな拍手が巻き起こった。
 記念撮影、小憩をはさんで第二部パフォーマンスの部に移った。
 冒頭、「南米スペイン語圏の広布の歴史」をつづったビデオが放映され、続いてアルゼンチン・タンゴやフォルクローレの披露、ペルー信徒による民族舞踊、ウルグアイ信徒による民謡合唱、チリ信徒による民族舞踊等が披露され、意義深い総会に花を添えた。
 最後に参加者全員が日本語で「地涌讃徳」を合唱し、会場は言葉の壁を越えて大きく一体感に包まれた。
 午後三時に始まった総会は、午後七時過ぎ大成功裡に幕を閉じた。
 小憩の後、ガーデン・パレス内で祝賀会が催され、和気あいあいとした雰囲気の中で総会の大成功を祝福しながら、各自の成長と参加各国の今後の広布への前進を誓い合った。
 南米諸国は、総会の成功を機に一層深まった異体同心の絆のもと、二〇〇九年「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」への中間点となる三年後の、第二回南米スペイン語圏総会の大成功に向けて力強い第一歩を踏み出したのである。