![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
|
一九九三年十二月五日、法主日顕上人猊下の御親修を賜り、ヨーロッパ初の正宗寺院として妙昌寺が建立され、本年は十周年。妙昌寺法華講は着実に成長した。お寺があるマドリードのみならず、信徒の分布は十一の自治州に広がり、最もお寺から離れているのがカナリア諸島で、その距離、実に二千三百キロメートル。アフリカ大陸のサハラ沖百十五キロメートルに浮かぶ七つの島からなる諸島で、日本から見て西極とも言えるこのカナリア諸島の二つの島、グラン・カナリア島とテネリフェ島に、多くの法華講員が信心活動に励んでいる。 テネリフェ島には寺院落慶の少し前に開設された妙昌寺テネリフェ出張所があり、本年三月、「宗旨建立七百五十年慶祝記念スペイン総会」に合わせて「テネリフェ出張所開所十周年記念法要」が奉修された。 今回は、このテネリフェ島で法華講の役員を務め、果敢に折伏を行じるアデリーナ・デ・ディオス・パラウトさんにインタビューした。 |
|
![]() |
|
●まずはじめに入信の動機、きっかけ等についてお話いただけますか。 アデリーナ はい。私が初めてこの仏法に巡り合ったのは、一九八五年のことです。当時の私は離婚問題、経済的問題等を抱え、このままではいけないと心機一転、テネリフェ島からロンドンに渡ったのです。 ロンドンではルーマニアの王女の家で女中として働くことができました。今考えても不思議ですが、王女から「我が家の幸せのために、あなたも南無妙法蓮華経と唱えなさい」と言われ、南無妙法蓮華経と書かれた紙を渡されたのです。これが南無妙法蓮華経の教えに出会ったきっかけです。 しばらくして、友人に誘われて大きな会合に参加し、そこで初めて仏法の話を聞きました。参加していた人たちの唱えている御題目があの「南無妙法蓮華経」でした。御題目を聞いて、「この仏法には何かがある。信仰していこう」と決心したのです。それから、まだ入信にはいたりませんでしたが、御題目を唱えていく生活が始まったのです。その後間もなく、母が交通事故に遭い瀕死の重傷を負ったり、姉の離婚問題があり、テネリフェ島に戻ることにしました。 ●その後、どのように信心活動をされたんですか。 アデリーナ 島に帰って、ニルダさんという女性を紹介され、彼女と一緒に島中の折伏に歩きました。帰ったばかりで仕事がなく、生活費やバス代にも事欠く状況で移動するのにヒッチハイクをしたり、たいへんでしたが、とにかく必死に折伏しました。 そして、翌一九八六年四月二十四日、私は晴れて御授戒を受け、御本尊様を御下付いただけました。 その後、半身不随で一生車イスの生活と言われていた母が自力で歩けるようになり、私も就職できて、ついには御登山させていただけるまでになりました。状況がどんどんと好転していったのです。「この体験を多くの人にも伝えたい」という気持ちがさらに強くなり、一層折伏しました。 ![]() ●スペイン人のほとんどがカトリック教徒だと聞いています。折伏にはたいへんな苦労があると思いますが。 アデリーナ 私自身がこの信仰によって幸せになれたことを話し、一緒に幸せになっていこうと、御本尊様と御題目のすばらしさを伝えました。また、下種した人のことを真剣に祈ってきました。 私は、折伏とは、御本尊様への絶対的確信の表明であると思っております。 ●早い時期に創価学会を脱会されたそうですが。 アデリーナ 一九九一年、SGIのサラゴサでの会合で彼らの理不尽極まりない言動を目の当たりにして、「SGIでは絶対に正しい信仰はできない」と感じて、多くの人々と共に脱会しました。 その後、御法主上人猊下をスペインにお迎えしての妙昌寺建立の喜びや、御住職と共に正しい信心ができる喜びは言葉にできるものではありません。法華講員で本当によかったと御本尊様に感謝いたしました。同時にまだ迷っているSGIメンバーや、新しい下種先を探してさらなる折伏に励みました。 そして宗旨建立七百五十年を迎え、御住職の「御登山の成功が今後の妙昌寺法華講とスペイン広布の鍵となる」との御指導を念頭に活動して、御登山は大成功に終わりました。 登山終了後、私たちは、御登山の喜びや勢いをそのまま、テネリフェ島で行われるスペイン総会に活かしていこうと決意しました。 スペイン総会にあたり、私は御住職より信徒係の総責任者を仰せつかりました。皆と一緒になって総会成功のために唱題し、御住職の御指導のもとに寝食を忘れ準備に当たりました。 総会終了後、尾林海外部長様をはじめ多くの皆さんから「大成功でよかったね」とお声をかけていただいたときには、「御本尊様ありがとうございました」と感謝するばかりでした。 脱会後の信心活動を通して、血脈付法の御法主上人猊下の御指南のもとに、お寺を中心として広宣流布のために自行化他の信心に精進することが法華講の使命であると、私は感じております。妙昌寺への参詣は距離的にもたいへんですが、できる限り毎月参詣させていただいております。 ●最後に日本の法華講の皆さんにメッセージがありましたらお願いします。 アデリーナ 日本の皆さんは、総本山やお寺にいつでも参詣できるすばらしい環境に「恵まれている」ことを忘れないでいただきたいと思うのです。 私たちは国土や環境の違いはありますが、「スペインの地涌の友」として自国の広布にがんばります。 |