平成15年8月16日付

 アングラ・ドス・ヘイス市は、リオデジャネイロ市より西に百五十キロメートルの海岸沿いに位置する観光地であり、ここにブラジル第二の法城としてアングラ・ドス・ヘイス布教所がある。今年の五月には開所五周年記念法要を奉修し、二百二十余名の信徒が結集して「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」への決意を新たにした。
 この布教所は、ブラジル北西部およびリオデジャネイロをはじめ、それ以北の半径約干五百キロメートルにわたる広範囲を管轄し、約三百五十世帯の法華講員とともに僧俗異体同心して活動に励んでいる。五百キロメートル以上離れた町から参詣する信徒も少なくない。
 今回は、布教所よりはるか五百五十キロメートル離れたベロ・オリゾンテ市(ブラジル有数の都市。工業都市として発達し、また肥沃(ひよく)な土地や鉱石等に恵まれ、食物も多く生産されている)に住みつつも、自行化他の修行に模範的に励む統括員のグレイジストン・エウジェニオ・コスタさんにインタビューした。グレイジストンさんは、壮年部の責任者であり、また、ベロ・オリゾンテの出張所の警備も担当し、昼夜問わず警備と折伏行に邁進している。
●ベロ・オリゾンテでは、一九九六年二月に数世帯がSGIから脱会して以来、わずか六年間で五十世帯にまでなりましたが、その間、特に印象深かった折伏は?
グレイジストン
ヴァルタイールさんとマリアさんの二人です。非常に感動的で御本尊様の有り難さに感動しました。
 二人はそれぞれとても経済面で苦しんでいました。私たちの折伏に対して素直に入信を決意され、内得信仰を始められました。
 すると、信心を始めて間もなく仕事が見つかり、その後も様々な功徳を戴きました。それまでは苦悩を抱えて顔をしかめてばかりいた二人が、歓喜に満ちた朗らかな相へと変わっていったのです。
 こうした変化を見守っていた周囲の講員も、彼らが御本尊様を御下付いただいていないにもかかわらず純粋に信心に励んでいる姿に感動するとともに、確固たる勇気を得て、さらなる折伏へとつなげていくことができました。

●日頃の活動はどのようにしていますか?
グレイジストン
 御法主上人猊下の御指南のもと、指導教師であるアングラ・ドス・ヘイス布教所責任者の三宅正倫御尊師の御指導に従って、唱題第一に励んでいます。
 具体的には、ベロ・オリゾンテ出張所が活動の中心拠点となります。毎月の活動は、出張所での第一日曜日午前九時から十時までの広布唱題会から始まり、月に一度の青年部会や少年部会の開催、月に四〜六回行う折伏座談会等、種々の会合を行っております。そのほか、週に三、四回の家庭訪問を行っております。
 また、ここからアングラ・ドス・ヘイス布教所まではバスで十時間程で費用もかかりますが、できる限り毎月の御講に参詣させていただくよう心がけております。
 また年に一度の御会式やベロ・オリゾンテ信徒総会には、指導教師に当地へおいでいただき、親しく御指導いただきます。自身の信心を見直し、さらなる求道心を高める好機としています。

●御僧侶不在の地での活動で因ったことや苦労したことはありますか?
グレイジストン
 信徒間で問題が生じた時や、日蓮正宗の化儀の面で疑問が生じた時に、すぐに御指導がいただけないのが困ります。またこうした問題が早期に解決できないことによって起こる問題の拡大を避けるために、当事者らの間を取り持ったり、相互の意見をまとめたりすることにも苦労します。最近ようやく少しずつですがそのような事態にうまく対処することができるようになりました。

●今後の目標は何ですか?
グレイジストン
 私たちの目標は、ベロ・オリゾンテに寺院を建立することにつきます。
 それを達成するために、朝夕の勤行、唱題行、家庭訪問をメンバー全員に徹底させ、御法主上人猊下の御指南の通り折伏行に励んでおります。
 そして、リオデジャネイロ市街を中心に活動を強化し、大西洋沿岸の各都市を回り、折伏と育成に励みたいと思います。
 日々、アングラ・ドス・ヘイス布教所の発展とブラジル広布、さらには南米広布を願い、日蓮大聖人様の教えのもと、御法主日顕上人猊下の御指南を根本に、より一層、唱題・折伏・御供養に励んでいきたいと思います。

●日本の法華講の皆さんにメッセージをお願いします。
グレイジストン
 私たち南米のメンバーは、日本の法華講の方々の信心の姿勢を鑑(かがみ)として、少しでも近づけるよう努力しております。よりすばらしいアドバイスがございましたら頂戴したいと思いますので、よろしくお願いします。
 本年、私たちは、折伏誓願目標である御授戒三十七名を六月二十二日に達成しました。さらに新たな目標を設けて、六年後の「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」をめざして精進していきたいと思います。