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一九九三年、パナマ共和国で、SGI組織に疑問を抱いた六人の幹部メンバーが、勇気を持って脱会した。その後、ロサンゼルス妙法寺の信徒となったパナマメンバーは日夜折伏に精魂を傾け、現在では三百名を超えた。二〇〇一年には常駐の御僧侶をパナマに迎え、宗旨建立七百五十年の昨年、パナマ布教所がオープンした。 今回は、その最初の六人の一人、入信以来、病苦と闘いながら三十回以上の登山参詣と、多くの友を正法に導いてきたアイダ・デ・レモンさんに焦点をあてた。 昨年はパナマ市内の北西部、わずか十一世帯のトクメン地区の責任者として、折伏目標五世帯のところ十二世帯の成果をあげた。今年からパナマ全体の折伏推進委員長としてその活動範囲を広げ、大西洋に面したコロン市の地区責任者も兼任している。 毎朝、自分で車を運転して、布教所の早朝勤行への参加を欠かさない。自分に厳しく、他人には分け隔てなく優しくも厳しく接する、パナマ布教所のまさに模範的な信徒の一人である。 |
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●入信のいきさつを教えてください。 レモン はい、一九七四年、三十六歳のときに折伏されした。そのとき、健康上の問題、経済苦、家庭の問題などを抱えていました。 十一歳のときに進行性高血圧症と診断されてから入退院を繰り返し、なんとか生きているという状態でした。ある日、偶然行き合わせた初老のご婦人がとても健康そうに歩いていたので話をしてみると、彼女は「南無妙法蓮華経」の信心をしているということで、勧められるままにSGIの会館に行き、入信を決意しました。病苦を乗り越えたい一心でした。 ●その後、病気はどうなったのですか? レモン 完治したわけではありませんが上手にコントロールできるようになりました。 余命六カ月と言われたときは、東洋の変な信心をしているからだと周りの人からさんざん莫迦にされました。それでも皆を折伏したので、血迷っていると思われていたようです。六カ月しても死なない私に周囲の目が変わり、私を担当していた二人の看護師も入信、今も一緒に信心をしています。 ●当時の活動状況はどうでしたか? レモン 御本尊様を主人の許可を得て我が家にお迎えしてからは毎日、勤行、最低三時間の唱題を実践し、お仏壇の周りをきれいにするよう心がけました。自身の信心の表れだからです。 はじめから家族の理解が得られたわけではありませんが、家族を含め多くの人を折伏しようと努めた結果、『上野殿御返事』の「かくれての信あれば、あらはれての徳あるなり」との御文を実感できるように、子供たち、自分の子同様に愛している主人の先妻の子供たち、母、二人の兄弟、叔父、さらに多くの友人を入信させることができました。辛いこともありましたが、私を勇気づけてくれる御書を見つけると書き写して何度も読み返し、乗り越えてきました。『崇峻天皇御書』の、「世間のすぎえぬやうばし歎いて人に聞かせ給ふな。若しさるならば、賢人にははづれたる事なり」 (御書一一七)との御金言をよく覚えています。 ●パナマでSGIから脱会した最初の六人のうちのお一人だそうですが? レモン 一九八九年から一九九二年の間、自分が少しずつ真の日蓮正宗の仏道修行から離れていたことに気がつきました。一九九一年の五月、幾多の障害を乗り越えて日本に行ったにもかかわらず、総本山に参詣できませんでした。理由を創価学会に聞くと、「大石寺にはもう何度も訪問したから」と言うばかりでした。 そして一九九三年、パナマ本部指導部員の役職を辞任し、十九年間所属したSGIを脱会しました。 日蓮正宗に再入信したのち、一九九三年六月十二日には、尾林海外部長様、妙法寺御住職・高野御尊師のご尽力によりパナマ法華講の第一回総会が開催され、私たちは再スタートを切ったのです。そして今年六月十四・十五日に、日本から多くの御僧侶をお招きして、その十周年をお祝いする行事を終えたばかりです。 一昨年には常駐僧侶として山崎信理御尊師とそのご家族をパナマにお迎えし、昨年は念願の布教所もオープンできました。 ●昨年、地区五世帯の折伏目標に対し、十二世帯の成果でしたね。どのように活動されたのですか? レモン 第一には唱題でした。できる限り多く唱題し、地区の副責任者にも常に御本尊様に向かうように激励しました。それから、いつもこの仏法についてのパンフレットを持ち歩いて事ある毎に活用しました。どのような態度で御本尊様に接するべきかを常に訴えてきたところ、いつの間にか折伏が成就していました。とにかく無我夢中でした。 ●日本に比べて仏法に対する基本的な理解が乏しいと思いますが? レモン やはりキリスト教の国ですから、その害毒だと思えることが多々あります。人々はその影響で怠慢な一面があり、また、因果の理法を理解させることがとてもたいへんですね。 すべては神の御心にあり、すべてが神の恵みという考え方が浸透しているため、入信しても御本尊様が功徳を与えてくれると勘違いし、努力しない人が多いのも問題です。そういう人たちには、忍耐強く折伏することを心がけています。 ●今年から、パナマ布教所の折伏推進委員長になられましたね。 レモン メンバーや新来者に対して、「一緒に信心しましょう、一緒に御題目を唱えましょう」と言っています。粘り強く折伏していれば、必ずチャンスを得られますから、それを逃さないことです。どんなことがあっても誓願を達成する決意、たとえこの命が尽きても来世まで誓願を持っていって必ず達成させようという覚悟を持っています。 「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」の佳節には、「パナマ信徒百名での登山」の誓願を達成したいと思います。 ●ありがとうございました。最後に日本の方々へのメッセージがありましたら、お願いします。 レモン はい、私は来世もパナマの広宣流布のために働き、死ぬまで御本尊様と共にありたいと思っています。 日本の皆さんには、大御本尊様の間近で信心できる福運を自覚し、総本山大石寺と御法主上人猊下を間近でしっかり外護していただきたいと思います。 |