平成15年5月16日付

折伏目標達成に向かい僧俗一致

異体同心の団結強まる



 法宣院は、一昨年九月に御法主上人猊下の御親修を賜りました。今では僧俗一同、御法主上人猊下の御恩にお応えするために“必ず毎年の折伏目標を達成しよう”という誓願を立て、毎日の唱題を根本に折伏に励んでいます。
 今回紹介するのは、法宣院の長老的存在でみんなから“陳 阿伯(おじさん)”と呼ばれ親しまれている陳振春さんと、高雄方面の主任として積極果敢に折伏に取り組んでいる陳志栄さんにお話を伺いました。

陳 振春さん

●陳振春さんは、今年で入信四十二年目だそうですね。台湾に僧侶が常駐するずっと以前から信心をしてこられたわけですが、僧侶不在の環境で、どのようにしてこの信心を続けてこられたのですか?

 四十二年前の台湾はまだ戒厳令が敷かれており、今のように自由に信仰ができませんでした。座談会をしていると、周囲の住民に告発されて何度か官憲に踏み込まれたりもしました。そうした環境のなかでも、折伏のときは自転車に乗って他県まで出かけていきました。それらの苦労と、みんなの信心が結実して、今では高雄にお寺ができ、御法主上人猊下をお迎えできるまでに発展し、まことに感無量の思いです。

●高雄に念願のお寺ができ、また御住職が常駐して四年経ちました。振春さんはその間ずっと法要等の通訳の奉仕をしてこられたわけですが、通訳において特に心がけていることは何ですか?

 仏法の通訳は非常に難しいです。我見を交えないということはもちろんですが、できれば一字一句も間違わないようにという気持ちで取り組んでいます。そのために前もって自宅で法話の教材を勉強し、判らないところは法要前に御住職に伺って通訳に臨んでいます。

●六年後の『立正安国論』正義顕揚七百五十年に向け、今年の抱負をお聞かせください。

 今年は広布大願に向けての新たな出発の年ですから、朝晩の勤行はもちろん、最も重要な「一年に一人が一人の折伏」の目標達成のために、毎日唱題していきたい。また、青年の人材育成のために少しでもお役に立ちたいと思っています。

●ありがとうございました。続きまして陳志栄さんにお話を伺います。

陳 志栄さん

●陳志栄さんは、法宣院の前身である南台布教所の時代から約三年間、二百世帯ある地域の主任を担当してこられましたが、毎年必ずその折伏目標を達成されていますね。担当地域全体の折伏を推進していく上での心がけをお話ください。

 担当地域内の役員全員で唱題会を行い、「折伏目標完遂」の御祈念をしてきました。また役員各々が朝晩の勤行のときにしっかりとこの御祈念をするよう呼びかけました。
 この三年間の折伏推進のなかで最も印象が深かったのは、二年目の二〇〇一年です。この年は十二月半ばになっても達成できずにいたのですが、役員全員でさらに一生懸命唱題したところ、年末までにすべての目標を完遂することができたのです。その結果、全体の異体同心の団結が強くなり、また御本尊様の偉大な仏力・法力によって折伏は必ず達成できるとの確信を得ることができました。

●いつも家族そろって法宣院にお参りされておりますが、法統相続についてどのように考えていますか?

 もし次の世代にこの仏法を伝えられなければ広宣流布もありえないし、我々自身の成仏も叶わないと思います。ですから私は子供に、お寺への参詣とお寺のお手伝いをすることの大事さ、自分で御供養をすることの大切さを教えています。

●これまで多くの折伏を推進されてきましたが、その方々の多くが御授戒のみで、御本尊様を御下付いただいておりません。また長年信心をしている家庭でも御本尊様を御安置していない家庭が数多くあります。六年後の『立正安国論』正義顕揚七百五十年に向け、どのようにして御本尊御下付の推進に取り組んでいこうと考えていますか?

 確かに、折伏のあとの育成が疎かになってしまっています。これからは御本尊様への常随給仕の重要性を、唱題会や家庭訪問等のあらゆる機会において伝えていきたいと思います。やはり我が家に御本尊様を御安置してこそ、悪縁にも紛動されない信心が確立していくものと思います。

●お二人には、まことにありがとうございました。