平成25年2月16日付
総本山を歩く
第44歩 ~龍門橋と妙祇園~
 三門の東側に龍門橋があります。
 龍門橋は、平成17年3月、宗旨建立750年の慶祝記念の最後を飾る事業として、国道469号の付け替え工事と共に行われた潤井川の架橋工事によって建てられました。
 この橋は、前御法主日顕上人猊下により、1つには、大石寺に所蔵されている『竜門御書』の冒頭に竜門の滝のことが拝せられること。2つには、『竜門御書』が、大聖人より総本山大石寺の大檀那である南条時光殿に与えられたものであること。3つには、今まで見ることが困難であった2つの大石滝が姿を現わしたこと。この3つの意義を鑑みられて、「龍門橋」と命名されました。
 橋の長さは、34.6メートル、幅は18メートルあります。
 橋の中央には踊り場を設け、欄干には大きな擬宝珠も燦然と輝いています。
 

また、龍門橋の北側には、御法主日如上人猊下より「妙祇園」と命名された庭園があります。
 この庭園には、藤棚が設けられ、桜やコブシなど、多くの樹木が植栽されています。
 特に春には、潤井川沿いの斜面一帯に植えられた芝桜が鮮やかなピンク色の花を付けて、後方にそびえる富士山とあいまって見事な絶景を望むことができます。
 また、妙祇園の西側には、2つの滝から成る「大石滝」を間近に望むことができます。
 この滝は、高さが約10メートルで、大石寺の古地図にも描かれているように、古くから大石寺付近の名勝として知られ、江戸時代に出版された葛飾北斎の富岳百景の中に収められる「大石寺の山中の不二」にも大きな滝として描かれています。
 龍門橋の龍門とは、中国にある滝のことで、この滝を登った魚は龍になると伝えられています。
 しかし、滝を登るには、魚を狙う鷲や鷹、また漁師から逃れなければなりません。
 大聖人は、この難を乗り超えて魚が龍になることを命がけで信心を貫いて仏になることに譬えられ、『竜門御書』に、
「かりにも法華経のゆへに命をすてよ」(御書1428㌻)
と御指南されています。
 このように、私たちは幸せになるために命がけで一生懸命、勤行・唱題・折伏に邁進することが大切なのです。