平成23年4月16日付
総本山を歩く
第32歩 ~本住坊~
  総本山の三門をくぐり参道の歩みを進めると中央塔中の東側に本住坊があります。
 本住坊は、44世日道上人の弟子であった第5世日行上人(宮内卿阿闍梨)によって、延元2(1337)年に創建されたと伝えられています。
 その後は、再建等をくり返し、近年においては、昭和42(1967)年に改築が行われています。
 現在の建物は、平成20年に、立正安国論正義顕揚750年の記念事業として、御法主日如上人猊下によって再建新築された建物です。
 本堂中央の御宝前には、第66世日達上人が認められた常住御本尊が御安置されています。
 歴代の御住職には、第59世日亨上人、第62世日恭上人がおられます。
 日行上人は、奥州三迫(宮城県登米市)・加賀野氏の出身で幼少の頃より出家を志して、第4世日道上人の弟子になり、日興上人、日目上人、日道上人に常陸給仕されて、大聖人の仏法を学ばれたと伝えられております。
 元徳2(1330)年には、日興上人より御本尊を授与されています。
 その後、元弘3(1333)年には下之坊の住職を勤められ、延元4(1339)年、第4世日道上人より、血脈相承を受けられて総本山第5世として御登座あそばされました。
 興国3(1342)年には、京都に上洛し、後村上天皇及び室町暴府の足利尊氏に対し、申状を送呈されています。
 また、正平15(1360)年頃には、下野金井(栃木県下野市)に法華堂(後の蓮行寺)を創建されています。
 そして、正平20(1365)年、大聖人より受け継がれた一切の大法を第6世日時上人に血脈相承され、正平24(1369)年に神遷化あそばされています。
 私たちは、大聖人の『立正安国論』の御精神を受け継がれ、日興上人・日目上人・日道上人に常随給仕されて、国家諌暁をはじめとする折伏弘教に貫かれた日行上人を拝し奉り、いかなる相手に対しても、慈悲の心と勇気をもって、大聖人の仏法を信じることが幸せを得る道であることを説いていくことが大切です。