平成22年8月16日付
総本山を歩く
第26歩 ~浄 蓮 坊~
 総本山の三門をくぐり参道の歩みを進めると東側の奥に浄蓮坊があります。
 浄蓮坊は、元弘元(1331)年、第三祖日目上人の弟子であった総本山第4世日道上人が創建されました。その後は、再建・改築等を繰り返され、現在の建物は、平成19(2007)年、立正安国論正義顕揚750年記念事業である総本山総合整備事業により、再建新築されたものです。
 歴代の御住職には、第59世日亨上人や第60世日開上人がいらっしゃいます。
 本堂の御宝前には、御当代日如上人猊下が認められた常住御本尊様が御安置されています。
 浄蓮坊を創建された日道上人は、16歳で日目上人を師として出家されました。
 日道上人は、師の日目上人と同様に南条家の縁戚にあり、弘通のために奥州(東北地方)へ足を運ばれ、浄蓮坊創建の翌年には、宮城・妙圓寺を創設され、同年10月には、日目上人より、血脈相承を受けられて、大石寺第4世として大坊に入られています。
 この年にほ、大聖人・日興上人・日目上人の史伝書の草案である『御伝土代』を著されています。


 また、浄蓮坊の境内には、「京都講中宿院」と書かれた石標が建てられています。これは、古来より京都・住本寺の信徒が宿坊として利用してきたことから建てられたものであり、これをめざして、求道心を持った信徒が遠き道程を一歩一歩登山されてきたことがうかがわれます。
 法華経には、
 「心懐恋慕・渇仰於仏(心に恋慕を懐き、仏を渇仰して)」(法華経 434㌻)
と説かれております。
 私たちは、これらの信仰の諸先輩より、
登山の基本精神を尊び、無始以来の謗法罪障消滅と、広宣流布を強く願って日々の信行に精進し、多くの人を折伏して、その新入信者と共に総本山へ登山することが大切です。