平成20年6月16日付
 五重塔の東方、木立に囲まれた丘の上に、大石寺墓苑があります。
 この墓苑は、昭和44(1969)年6月10日、総本山第66世日達上人の代に現在の地に移転され、総面積約11万平方メートル(33,000坪)、墓地数約1万6000墓という広大な公園基地で、北側には、中央大塔、西大塔、東大塔の3つの三師塔が建てられています。
 中央大塔は、貞享2(1685)年、総本山第22世日俊上人の代に、日蓮大聖人の塔が建立され、翌、貞享3(1686)年に、日興上人・日目上人の塔が建立されました。
 現在の中央大塔は、安永9(1780)年、第37世日琫上人の代に再興されたものです。
 また、西大塔の三師塔は、享保16(1731)年、第28世日詳上人の代に、日蓮大聖人の塔が建立され、翌、享保17(1732)年に日興上人、日目上人の塔が建立されました。さらに東大塔の三師塔は、昭和36(1961)年11月、日達上人の代に建立されました。
 この三師塔の前に、総本山第4世日道上人以降の御歴代上人の墓地が建立され、続いて僧侶の墓地が並び、さらにAからNまでの14ブロックに渡って墓地が広がっています。
 また、墓苑の中央広場には、管理事務をつかさどる典礼院が建てられています。この建物は、昭和59(1984)年7月、第67世日顕上人の代に改築されたものです。
 総本山では、毎年盂蘭盆会前日の8月14日に、この墓苑の三師塔を始めとして、御法主上人猊下大導師のもと、墓参の儀が執り行われます。
 大聖人様は、『上野殿後家尼御返事』に、
「いかにもいかにも追善供養を心のをよぶほどはげみ給ふべし」(御書 338㌻)
と説かれるように、常に先祖に対して、真心からの追善供養を心がけることが大切であるとされています。
 我々は、日々の生活の中に、報恩の心、追善の気持ちを忘れることなく、本門戒壇の大御本尊を根本に勤行、唱題、そして折伏と、信心修行に励み、その功徳をもって先祖供養をしていくことが大切です。