平成19年7月16日付
 
 奉安堂の東方に御経蔵があります。
 この建物は、元禄10(1697)年、総本山第24世日永上人の代に建立され、300年の歳月を経て老朽化が進んだため、昭和48(1973)年10月、第66世日達上人の代に、現在の場所へ移転新築されました。
 大きさは、建坪124平方メートルで、高さは13.3メートル、朱塗り唐風の入母屋造二層で、屋根は銅葺、内部には回転式の書架である御書庫が設置されており、明本一切経が格納されています。
 また、御経蔵の裏手には、建立主である第24世日永上人、第26世日寛上人、第28世日詳上人、そして、再建新築された第66世日達上人の御歴代のお墓があります。
 一切経とは、釈尊の教えである経・律と、大乗小乗の人師論師の論から成り立ち、さらに後世の註釈書・伝記・史書なども加えられた仏教聖典の総称をいい、大蔵経とも言われます。
 大聖人様は、一切衆生の不幸の原因を明らかにするために、正嘉2(1258)年に、岩本(静岡県富士市)の実相寺の経蔵にこもられ、一切経の閲覧を始められました。その閲覧のかたわら、『一代聖経大意』『守護国家論』等の筆を執られています。
 そして、文応元(1260)年、大聖人様は『立正安国論』を完成され、宿屋入道を介して、時の最高権力者・北条時頼にこの書を提出され、幕府を諌め、邪法に帰依する誤りを糾されたのです。
 この『立正安国論』の提出から750年、それが2年後に迎える平成21年です。この平成21年に向けて様々な記念事業が企画され、準備が進められていますが、中でも大切なのが、「地涌倍増」と「大結集」です。私たちは、これらの御命題を必ず達成するためにも、大聖人様の立正安国の御精神を未来永劫に亘って受け継ぎ、多くの人たちに正しい仏法を語り伝え、大聖人様や御歴代上人へ御報恩申し上げることが大切です。
 皆さんも、ぜひ一人でも多くのお友達に一言でもかまいませんから大聖人様の仏法が正しいことを伝え弘めてまいりましょう。

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