平成19年5月16日付
 
 客殿後方の杉木立に囲まれた所に御宝蔵があります。
 この建物は、寛正6(1465)年2月、総本山第9世日有上人により小校倉造りで建立され、宝暦10(1760)年、第33世日元上人により門を修復、また寛政2(1790)年に、日?上人により再建されました。
 また、第40世日任上人の代である寛政5(1793)に修理、さらに第52世日霑上人の代である安政4(1857)年に修理が加えられ石垣が巡らされました。
 次いで、昭和6(1931)年に、第60世日開上人が外郭を整えられ、さらに、昭和43(1968)年、44年に、第66世日達上人が修理を加えられて現在に至っています。
 御宝蔵は、間口7.2メートル(4間)、奥行9メートル(5間)の規模をもつ銅棧葺きの土蔵造りで、周囲には塀が巡らされています。
 近年の信徒の増加に伴って、現在、御開扉は奉安堂において執り行われていますが、かつては御宝蔵に本門戒壇の大御本尊が御安置されており、そこに宿縁深厚な信徒が参詣して、厳粛に御開扉が執り行われていたのです。
 御宝蔵内には、大聖人御真筆の御本尊や『諌暁八幡抄』『南条殿御返事』等の御真筆の御書(重要文化財)をはじめ、御歴代上人御書写の御本尊や諸御書の写本などの重宝が数多く厳護されています。
 これらの御宝物は、虫などによる破損を防ぎ、後世に末永く伝えていくため、毎年春に行われる御霊宝虫払大法会の折りにお風入れをし、その際、参詣の信徒に披露されます。
 私たちは、大聖人以来、約700年にわたって多くの御宝物を厳護されてきた代々の御法主上人の仏法伝持の御精神を受け継ぎ、多くの人たちにこの仏法のすばらしさを語り伝え、皆が幸せな生活を送れるように願っていくことが大切です。



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