平成18年11月16日付
 
総門は、大石寺の境内の最南端に位置する表玄関です。
 この門は、大永2(1522)年、総本山第12世日鎮上人によって建立され、その後、第17世日精上人の代である寛永15(1638)年、第40世日任上人の代である寛政5(1793)年、第55世日布上人の代である明治13(1880)年、第64世日昇上人の代である昭和29(1954)年に、それぞれ再建修築がなされました。そして、平成10(1998)年、第67世日顕上人によって現在の地に移されています。
 門の大きさは、創建当時、間口一間半(約2.7メートル)、奥行三間(約5.5メートル)でしたが、その後の改築によって、今日の間口三間二尺(約6メートル)、奥行二間四尺(約4.8メートル)の姿となりました。
 また、総門は古来、黒塗りであることから「黒門」と称されてきました。それは中国の天台大師が『摩訶止観』に、「黒色は地獄の陰に譬え」(摩訶止観弘決会本)と説かれ、大聖人様が『妙法尼御前御返事』に、「法華経の名号を持つ人は、一生乃至過去遠々劫の黒業の漆変じて白業の大善となる」(御書1483)
と説かれるように、黒色は謗法濁悪の姿を表しており、この門をくぐることによって、世間の邪法に染まった謗法の害毒を洗い流すとの意義が具わるからです。そして、私たち日蓮正宗の僧俗は、清浄無垢な命で寂光の霊地である本門戒壇の大御本尊様のもとへ参詣させていただくのです。
 また、門とは大聖人様が『御義口伝』に、「門とは此の智慧に入る処の能入の門なり(中略)門とは信心のことなり」(同1727)
と説かれるように、道心を発して信行に励む尊い信心を表しています。
 私たちは法華経の『従地涌出品第十五』に、
「世間の法に染まざること蓮華の水に在るが如し」(法華経452)
と説かれるように、謗法の充満した世の中で常に純真な信心を貫き、成仏という真の幸せと世界の平和実現を願って、謗法に染まった人たちを一人でも多く救っていけるように、日頃の勤行・唱題、そして折伏・育成に励み、種々の登山にも積極的に参加していきましょう。

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