平成29年11月16日付
                唱題の大切さ
  皆さん、こんにちは。
 ずいぶん寒くなってきました。「朝、起きるのがつらいよー」という声も聞こえてきます。
 校庭や公園の紅葉やイチョウの葉が黄色や赤色に染まってきれいです。もう雪が降った、という所もありますね。
 今年もあとひと月半を残すばかり。
いろいろなことに挑戦して、唱題しながら、がんばってきましたね。
 そこで今月は、私たちにとってたいへん大事な、唱題についてお話しようと思います。

唱題とは
 唱題とは、御本尊様を信じて「南無妙法蓮華経」と御題目を唱えることを言います。そして、日蓮正宗を信仰する上で、最も大切な仏道修行です。
 皆さんのお寺でも、唱題会がたくさん行われていますね。折伏誓願目標の成就を御祈念する唱題会が一番多いかも知れません。それぞれが、自分自身の過去世からの罪障消滅を御祈念する場合もあるでしょう。
 少年部会の最初や、鼓笛隊の練習の前にもするでしょう。あと、宿題に取りかかる前に、御本尊様に唱題をしているというお友達もいます。
 唱題の姿勢は、以前にお話した勤行と同じです(昨年の十二月十六日号)。背筋を伸ばして、御本尊様の「妙」の御文字を中心に、脇見をしないで御本尊様をしっかりと拝すること。そして、導師の方の声に合わせて、はっきりと元気に唱えましょう。


唱題は信が大事

 私たちが唱題をするときに大切なことは、どんなことでしょう。御書には、どうあるでしょう。
『御義口伝』に、
「一念とは南無妙法蓮華経無疑曰信の一念なり」(御書一七四五n)
とあります。
  この中の「無疑曰信」は、「疑い無きを信と曰う」と読みます。
 御本尊様に対して疑いの心を発さず、幸せになるにはこの御本尊様跡以外にないと強く信じることを言います。
 「どのくらい強く信じるか?」ですって。
 では、これも大聖人様が何と教えてくださっているか、拝してみましょう。
 ありました。『妙一尼御前御返事』というお手紙に、次のように仰せです。
「信心とは、難しく考えることはありません。奥さんがご主人を愛しいと思うように、ご主人が妻のために命を捨てて闘うように、親は何があっても自分の子供をけっして見捨てないように、子供が親から離れないように、御本尊様を信じて、南無妙法蓮華経と唱えること(趣意)」(同一四六七n)
と示されています。
 この、家族の深くて強い信頼、絆のように、御本尊様に対して絶対の信を持つことが「信」ということです。

唱題で悩みを乗り越える

 皆さんの中には、学校のことや、友達関係のことで悩んでいる人はいませんか。勉強が思うように進まなくて、苦しいなあと思うときもありますね。
 私たちは、誰もが悩みや苦しみを抱えて生きています。仏教では、その悩み苦しみについて、四苦八苦(教学ノートを見てね)などと説かれています。四苦八苦を勉強すると、「そうか、苦しみのない人なんていないんだ」ということが判ります。
 この悩みや苦しみは、過去世から現在までの因縁によって、結果として今現われているのです。また、どのくらい苦しいと感じ、どのくらい深く悩むかは、その時々によっても違ってくるんですよ。
 では、その悩み苦しみを乗り越えるには、いったいどうすればよいでしょう。
 大聖人様は御書の『聖愚問答抄』
「ただ南無妙法蓮華経と唱え奉るだけでも、消えない過去世からの罪障があるだろうか、幸せがこないことがあるだろうか(そのようなことはない)。真実であり甚深な御法門である、これを信じ受け持ちなさい(趣意)」(同 四〇六n)
と仰せです。
 御本尊様を信じて唱題することによって、過去世からの悪い宿業や因縁がなくなり、必ず悩み苦しみを乗り越えられると御示しです。
 御本尊様への確信をもって、唱題に励み、自分自身の力強い生命を発揮することが何よりも大切なのです。
 皆さんも、悩んだり苦しい出来事があったら、今日のお話を思い出してくださいね。そして、皆さんが御本尊様から功徳を戴いて、その功徳と歓喜をお友達に伝えていきましょう。これが折伏であり、世界中の人々が幸せになる唯一の方法です。