平成24年3月16日付
                御報恩御講に参詣しよう
 皆さんは、毎月の御報恩御講に家族揃って参詣していますか。今回は御講の意義についてお話します。

御報恩御講奉修の意義
 全国の寺院では、毎月第二日曜日に宗祖日蓮大聖人様に対する御報恩御講が行われています。日蓮正宗の僧俗にとって最も大切な行事の一つです。
 まず「御講」とは、寺院に信徒が参詣し、御本尊様に読経・唱題して、御住職から法話を頂戴することをいいます。
 「報恩」とは、『開目抄』に、
 「仏様の弟子檀那は、必ず四恩を知って知恩報恩をしていきなさい(趣意)」(御書 五三〇n)
とあります。知恩報恩は、「恩を知り、恩を報じる」と読みます。
 御本仏日蓮大聖人様の弟子檀那である私たちは、四恩(父母・衆生・国主・三宝の恩)を知って、その御恩を報じていくことが大切なのです。しかし、世間には、このことを知らず「自分の実力で成功した」、「誰の力も借りないで生活している」などという考えを持つ人が多くいます。これは、恩知らずも甚だしいというものです。
 何事も努力することは大切ですが、自分の努力だけで生活できるでしょうか。日頃から、皆さんは両親の支えが必要ですし、学校では多くの先生方にいろいろなことを教わり、お世話になっています。これらの御恩を忘れず心に留め(知恩)、その御恩に報いる=真心からお返し申し上げること(報恩)がとても大事なのです。
 特に、一番大切な信心において知恩報恩はとても大事なことです。皆さんは御法主上人猊下の御指南、御住職の御指導をいただき、正しい信仰を教わり行じています。『四恩抄』には、
 「仏法僧の三宝の恩を戴いて生活を
 しているのに、その恩を報じない人が、どうして仏道を学んでいるといえましょう(趣意)」(同 二六人n)
と仰せです。正しい信仰を持つ私たちにとっては、四恩の中でも特に「三宝の恩」を報じることが大切です。「三宝」とは仏宝・法宝・僧宝をいい、仏宝は日蓮大聖人様、法宝は南無妙法蓮華経の大法のことで本門戒壇の大御本尊様、僧宝は日興上人様をはじめ御歴代の御法主上人猊下です。
 さらに総本山第二十六世日寛上人は、『当流行事抄』に、
 「もしこの三宝の御力がなければ、どうして罪障の深い私たちが即身成仏することができるのでしょうか(趣意)」(六巻抄一九四n)
と御指南されています。
 私たちは毎日、御本尊様から功徳を戴き、充実した生活をしているのですから、大聖人様に御報恩申し上げることは当然のことです。毎月、御報恩御講に参詣して大聖人様に感謝の気持ちを申し上げましょう。

御住職の法話を聴聞
 御報恩御講では、読経・唱題の後に御住職より大聖人様の御書を通しての法話が行われます。皆さんにとって法話は、少し難しいと感じることもあるかもしれませんが、ご両親と共に姿勢を正して聴聞してください。
 大聖人様は、
 「正しい仏法を行じる僧侶のもとに伺って、法話を聴いて信心の歩みを運びましょう(趣意)」(同一四五七n)
と仰せられています。私たちが信心修行に励む上において大切なことは、御住職の法話や御指導をよく聴き、よく心に留め、よく実践することです。これによって、正しい仏法の道を歩めることを心得ましょう。
◆ ◇ ◆
 私たちは御報恩御講に参詣することで、「恩を知る」、「恩を報じる」心が育ちます。さらに、ふだんから真剣な勤行・唱題に励んで、三宝に対して御報恩申し上げています。そうすると、他人に対しても物事に対しても、自然に感謝の気持ちを持つことができるようになり、心が豊かになっていきます。
 また、心がけたいことは、家族みんなで参詣するということです。
 皆さんの中には、習い事・少年団など地域の行事やスポーツに参加している人も少なくないでしょう。もちろん、そのような形で心身を鍛錬することも大切です。しかし信心を中心とした活動で命の次元から心身を鍛えていくことが、より充実した人生を作っていくのです。したがって、最も尊く、功徳を頂戴できる御講参詣を最優先にしなければなりません。家族でよく話し合って、全員で御講に参詣しましょう。
 御法主日如上人猊下は、
 「私どもは一人ひとりが、真剣に、真実の報恩行とは不自惜身命の信心をもって破邪顕正の折伏を実践することであることをしっかりと心肝に染め、(中略)講中一丸となって折伏に励み平成二十七年・三十三年の誓願達成へ向けて大前進していただきたいと思います」(大白法 八三〇号)
と、「報恩行とは折伏である」と御指南されています。家族揃って御報恩御講に参詣して折伏に励みましょう。