平成24年1月16日付
                勤行について
 皆さん、こんにちは。
 今回は、年の初めの大切な月に当たり、日蓮正宗の基本中の基本である勤行についてお話をします。

「実行前進の年」に当たって
 本年の年間実践テーマの最初は、@家族そろって勤行・唱題
と掲げられています。
 日蓮正宗の実践修行は、何をおいても勤行が基本となります。修行と言っても決して他宗派のように、滝打ちや座禅など、意味のない痛みに耐え抜くということではあいません。毎日、御本尊様に向かって、朝夕の勤行をしっかりと行うことが修行なのです。

家族そろって正しい勤行をしよう
 勤行とは「勤めて善法を行う」という意味があります。つまり、時間を定めて御本尊様に向かい『方便品』と『寿量品』、そして南無妙法蓮華経の御題目を唱えることを言います。
 御本尊様は、大聖人様の御当体ですから、御報恩の気持ちをもって正直な心で勤行に臨まなければなりません。
 朝起きて眠い顔のままで御本尊様の前に座ることや、部活動などで汚れたままの恰好で勤行を行うことは、たいへん失礼なことです。朝起きたらしっかりと顔を洗い、またきれいな服装で勤行を行うことが大切です。
 勤行を行うときは、御本尊様中央の「南無妙法蓮華経 日蓮」の「妙」の御文字を中心にしっかりと拝し、姿勢を正し、ていねいに、はっきりと、大きな声で、真剣な気持ちで行いましょう。背筋が曲がっていたり、小さな声で勤行をしていると、その気持ちが御本尊様に直に伝わってしまいます。
 また、お父さん、お母さんの仕事の時間が早かったり、遅かったりすることもあると思います。兄弟でも、部活動や習い事など、時間は家族でもまちまちです。家族全員でしっかりと話し合って、できる限り全員そろって勤行をしましょう。そこに、御本尊様の大きな力と功徳が具わり、一家和楽に信心ができるのです。

『方便品』・『寿量品』の読誦について
 私たちが毎日唱えている『方便品第二』と『如来寿量品第十六』は、法華経に説かれています。
 法華経は、お釈迦様が約三千年前にインドで説かれた最も勝れた教えであり、全部で二十八品に分かれています。しかし全部を読誦するには、とても長い時間がかかりますし、末法の衆生である私たちにとっては、読誦する意味も功徳もありません。
 大聖人様は『月水御書』に、
「毎日の御本尊様への御所作には、方便品と寿量品を習い、読みなさい。此の二品を読むのであれば、自然と他の品も読む功徳が備わるのである(趣意)」(御書三〇三)
と仰せになられています。
 この修法は、大聖人様・日興上人様已来現在に至るまで、同じように伝わっています。

正行の唱題の大切さ
 勤行には、「正行」「助行」という二つの意味があります。正行とは、南無妙法蓮華経の御題目を唱えることをいい、助行とは『方便品』・『寿量品』を読誦することをいいます。
 第二十六世日寛上人様は、この二つの関係について、
「助行とは、方便品と寿量品を読むことをいい、これによって正行の御題目の功徳を助け顕わすのです(趣意)」
と仰せです。つまり助行は、正行の御題目の深い意義と広大無辺なる功徳を助け顕わすために読誦するのです。
 正行の御題目は、御本仏日蓮大聖人様が、末法に御説きあそばされた「南無妙法蓮華経」であり、これこそが最高の教え、幸せになる道なのです。したがって正行・助行を共に実践することが大切なのです。
 大聖人様は、『法華初心成仏抄』に、
「口に妙法を唱えれば、自身の仏性が顕われて、必ず成仏の道が開けるであろう(趣意)」(御書一三二一)
と仰せになられています。勤行のみならず、時間を見つけて御題目を唱えることは、とても大切なことなのです。これを唱題と言います。
 また、もう一つ大切なことは、御本尊様には、大聖人様の仏法の広大な功徳である、仏力・法力という、たいへん大きな力が具わっているということです。そして、私たちが御本尊様を信じる信力と、真剣に勤行・唱題を行う行力によって、御本尊様と一体となって体と心全体に大きな功徳が涌き起こってくるのです。その四つの力が合わさって、御本尊様から利益を戴くことができるのです。
◇ ◇
 御法主日如上人猊下は、
「普段から信心を鍛えていないと、いざという時、苦しみや困難に耐えきれなくなってしまいます。普段から朝夕の勤行をはじめ唱題会・少年部会等に参加して、まじめに取り組んで信心を鍛えている人は、少しぐらいのことには微動だにもしません。大きな障害や困難にぶつかっても、普段の信心の結果が発揮され、必ず大御本尊様の大きな功徳をいただき、乗りきっていくことができるのであります」(大白法795号)
と御指南されています。
 「実行前進の年」、毎日家族で一緒に真剣な勤行・唱題を行い信心を鍛えて、何事においても前進していく前向きな気持ちを持ってがんばっていきましょう。