平成23年11月16日付
                     「約束を守る」は仏道修行の基本
 皆さん、こんにちは。今回は「約束を守る」についてお話します。

約束とは
「約束」とは『広辞苑』に、「ある物事について将来にわたって取り決めること」とあります。
 約束をする相手は、お父さんやお母さん、先生やお友達など様々だと思います。また約束を交わしたとき、ただ守ればよいということではなく、その約束を必ず果たすと、自分に強く言い聞かせなくてはなりません。そうしないと、約束を忘れてしまい、約束を果たすことができなくなってしまいます。これは信用を失うことになります。
 ですから、お父さんお母さんとの約束、学校の先生やお友達との約束、宿題も大切な約束の一つですから、決して疎かに考えてはいけないのです。
 そして、何より大切な約束は、御本尊様との約束です。大聖人様は、
「約束と申す事はたがへぬ事にて候に、さりともこの人々はいかでか仏前の御約束をばたがへさせ給ふべき」(御書八二五)
と、すなわち「仏様との誓いをどうして破ることができるのであろうか」と教えてくださっています。
 また、信心をしていくと、たいへんなことや辛いことが起こるけれど、決して御本尊様を疑ってはいけない、必ず大聖人様が幸せに導いてくださると約束してくださっていることを信じて、御題目を唱えることが大切です。
  
 日興上人様の正直な御振る舞い
 日興上人様は、大聖人様のお側を片時も離れることなく常随給仕(常に給仕をされること)に徹し、化法化儀の一切を修得されました。
 大聖人様は、御入滅の際に、多くの弟子の中で最も信頼をされていた日興上人様を選ばれ、門下を統一し、正法正義を後世に伝えるようにと、一切の法を付嘱されました。その証明として『日蓮一期弘法付嘱書』『身延山付嘱書』の『二箇相承』があります。これは、日興上人様が大聖人様の仰せのままに、また約束を遵守し、純粋に信心修行をされたことによります。
 されに日興上人様は、その御遺志を寸分も違えることなく、
「富士山に本門寺の戒壇を建立せらるべきなり」(同 一六七五)
と仰せられ、未来の僧俗に対し、大聖人様の御指南に少しでも違えてはならないことを戒められています。
 この日興上人様の御振る舞いから、大聖人様の御指南を守っていくことが、どんなに大切であるかを学び、また約束を守ることが、信用に繋がっていくことを拝しましょう。
 宿題も約束の一つです。ですから、これも仏道修行に通じているととらえ、約束を守って信頼される人になるよう、日頃の生活を心がけましょう。

相手からの信頼が大事
 約束を守る人、信頼がある人には、自然にたくさんのお友達が集まります。御法主日如上人猊下は、
「折伏は我々の言っていることを、相手が信じてくれなければ何もなりません。相手の信頼に足る言葉、行いがなければ折伏は成就しないのであります。大御本尊への絶対の信をもって自行化他の信心に励むとき、妙法の広大なる功徳によって自らが変わり、相手が変わり、折伏成就に至るのであります。まさしく妙法の力であります」(大白法七一九号)
と御指南あそばされております。
 他人から信頼されなくては友達も増えませんし、折伏もできません。相手が自分の言葉を聞いて信じてくれなければ何もできません。信頼は、一夜で築くことはできませんから、ふだんの言動や心がけが大切なのです。
 また、折伏するに当たって何より大事なことは、御本尊様への絶対の確信です。まず自らが御本尊様の大功徳を実感し、相手の幸せを願い、妙法の功徳を語り伝えることが折伏に繋がると思います。そのために、御本尊様との約束である、朝夕の勤行、登山、寺院参詣をしていくということを堅く守ることが大切なのです。

法華講少年部員の約束
 御法主日如上人猊下は、本年の少年部大会において、
「少年部の諸君は、将来、広布を担う大事な使命があります。そのためにも、普段から朝夕の勤行をはじめ、唱題会・少年部会などにまじめに取り組んでいただきたいと思います。少年部の皆さんもまた、お友達をお寺に誘うなどして、新たなる目標に向かってたくましく前進してください(趣意)」
と仰せられました。
 この御指南を少年部の一人ひとりが、御法主上人猊下との約束と心得て、日々の生活を過ごすことが大切です。勤行・唱題、寺院の少年部会等へ参加して信心を錬磨し、お友達をお寺に誘って折伏を実践してみましょう。
  ◇  ◇  ◇
 皆さんの所属する寺院には、折伏誓願目標があります。これは御本尊様との約束ですから、必ず完遂しなくてはなりません。
 さらに、平成二十七年・三十三年の御命題達成は、今を生きる我々にとって最も重要な御本尊様との約束です。この約束を果たせるように、また一人ひとりが広宣流布のお役に立っていく人材になれるよう、御法主上人猊下の御指南を根本に、御住職の御指導のもと、勤行・唱題・折伏にがんばってまいりましょう。