平成22年3月16日付
                「人の和」の大事
 皆さん、こんにちは。
 間もなくお彼岸ですが、桜の開花が待ち遠しい季節になりましたね。今回は、「人の和」ということについて、お話しします。

 団結の力
 先月、カナダのバンクーバー市で冬季オリンピックが開催されました。皆さんも日本の選手の活躍をテレビの前で応援したのではありませんか。
 その中で、フィギアスケートは男女六人全員が入賞する大活躍を見せ、日本はフィギアスケート王国に成長しました。日本の練習環境は、フィギアが盛んな国と比べると決して恵まれていないようです。なぜ、このようなよい結果が残せたのでしょう。
 これは、選手の一人ひとりが一生懸命に毎日毎日練習してきた結果です。また、日本全体で取り組んだ強化システムも効果がありました。
 しかし、最大の要因は、一つの演技を完成させるために、コーチ、トレーナー、振付師のほかスケート靴や衣装を作る人、また栄養士の人たちが、情熱を持って団結して力を出し合い、選手を支える努力をしてきたからです。ですから、すばらしい結果を残すことができたのです。
 オリンピック選手はインタビューの際、支えてくれた人たちに必ず感謝の気持ちをお話ししていましたね。


 釈尊十大弟子のお話
 釈尊の数多くの弟子の中で、特に優れた能力や徳を持つ十人の弟子(十大弟子と言います)がいました。
 中でも、舎利弗と目連は、特に優れた存在でした。舎利弗は智慧第一と言われ、釈尊の教えをよく理解し、釈尊が体調の優れないとき代わりに説法することもありました。
 また、目連は予知能力に優れ、神通第一と言われています。
 さらに阿難は、釈尊の晩年、身近で仕えて最も多くの説法を聞いたので、多聞第一と言われています。
 ほかには、法を説くことに優れた富楼那(説法第一)、規則を正確に守って修行した羅ゴ羅(密行第一)などがいます。
 このように、十大弟子は、それぞれ第一と言われる優れた能力がありました。
 しかし、一人ひとりが優れていても、一人だけでは仏教を弘めることはできません。したがって、釈尊の教えのもとに、能力は異なるけれども、それぞれが能力を存分に発揮して和合した結果、釈尊の布教活動を支え、仏教が発展し受け継がれてきたのです。
 御法主日如上人猊下は、
「人の和こそ勝利の秘訣である」(大日蓮 七六七号)
 と御指南あそばされていますが、私たちもこのことを自覚しなければなりません。

 御本尊様のもとに「人の和」を築こう
 法華講連合会各地方部の鼓笛隊に参加するお友達は、「人の和」が大切であることを実感していると思います。
 鼓笛隊に使われる楽器は、たくさんありますね。例えば、鍵盤ハーモニカ、笛、ベルリラ、アコーディオンなどがありますが、どれも音が違います。特に打楽器(シンバルや太鼓)は、その音だけ聞いても何の曲を聞いているのか判りません。
 それぞれのパートを責任もって練習し、すべての楽器を合わせて演奏することで、ようやく一つの曲が出来上がります。でも、それだけではいけないのです。皆と心を合わせて、指揮者の指示に随って、それぞれが適切に奏でなければ最高の楽曲にはなりません。
 まさに、人の和が重要であることの証です。さらに、鼓笛隊の皆さんは、「人の和」を唱題を根本に御本尊様のもとに築いているからこそ、すばらしい演奏が成り立つのです。
 また、多くの人々を折伏することも「人の和」が大切です。皆さんは、ご両親が折伏に出かけている間、留守番をしたり、家事をすることもあるでしょう。信心活動に取り組む人を支えることは大切なことです。
 学校生活も同様です。
 学校に在籍する一人ひとりが主体者になって、同じ目標のもとに「人の和」を構築して学校生活の向上に努めることが大切です。これからも多くの活動に積極的に取り組みましょう。
 来月から、新学期を迎えます。新たな心で学校生活をスタートしましょう。