平成21年10月16日付
御会式に参詣しましょう
 皆さん、元気ですか。
 運動会などの行事が盛んに行われる季節です。インフルエンザの流行が心配されていますが、風邪などひいていませんか。手洗いやうがいをしっかり行い、体調に気をつけましょうね。
 さて、十月と十一月は、皆さんが所属する寺院において「御会式」が奉修されます。
 御会式は、弘安五(一二八二)年十月十三日、日蓮大聖人様がお亡くなり(御入滅)あそばされ、御本仏としての御境界を示されたことをお祝いする儀式です。
 今回は、この御会式についてお話します。

御会式奉修の意義
 大聖人様は、弘安五年十月十三日、武州池上(東京都大田区)の右衛門大夫宗仲の館において大勢のお弟子方や信徒が読経唱題申し上げる中、御入滅になりました。この時、突然大地が震動して、庭には初冬にもかかわらず桜の花が一斉に咲いたと伝えられています。こうして、大聖人様の御姿を拝することができなくなることは、とても残念なことではありますが、ここに大切な意義があるのです。
 大聖人様は、御本仏でいらっしゃいます。御本仏は、ある時はこの世に御出現されて、またある時は御入滅される御姿をもって衆生を教導されます。つまり、御姿が見える見えないにかかわらず、常に私たちを幸せな境界(成仏)に導いてくだきるのです。
皆さんが勤行の時に唱える
『寿量品』に、
「為度衆生故 方便現涅槃 而実不滅度 常住此説法(衆生を教導するために、一つの方便として入滅の姿を現すのである。仏としての生命がなくなったわけではない。常に衆生の世界に私は住して、法を説き、教化している)」(法華経四三九)
と示されていますが、大聖人様が御入滅の御姿を現されたのは、私たちに御本仏に対する御報恩と、お慕いする気持ちを持たせて、信心修行に励ませるためです。
 したがって、一切衆生救済のため、大聖人様は御本仏の御命・御当体(御姿・御住まい)を本門戒壇の大御本尊に顕されました。この大御本尊の大功徳に照らされて、私たちは幸せな生活を送ることができるのです。
 御会式は、この大聖人様の尊い御振る舞いをお祝いする重要な法要です。
 しかし、日蓮正宗以外の宗派は、大聖人様が御本仏であることを知りません。御会式を大聖人様の亡くなった日(御命日)を記念する法要・儀式・祭りぐらいにしか考えていません。

 申状について
 御会式では、『立正安国論』と御歴代上人の申状を、御住職はじめ御僧侶方が捧読されます。さて、皆さんは申状のことを知っていますか。
 申状とは、御歴代上人が幕府や朝延に対して折伏するために認められた書状のことを言います。また、国の権力者や代表者を折伏することを国主諌暁と言います。
 大聖人様は『立正安国論』
「誤った宗教を捨てて、正しい南無妙法蓮華経の教えを国に立てなさい。そうすれば、国が安泰になる(趣意)」(御書二三六)
と御示しになり、当時の鎌倉幕府に対して折伏(諌暁)されました。この大聖人様の立正安国の御精神を継がれたのが、第二祖日興上人様をはじめとする御歴代上人です。
 御歴代上人は大聖人様の『立正安国論』御提出の御振る舞いを拝され、
申状に、
 「大聖人様が顕された正しい三大秘法の南無妙法蓮華経の教えを信仰して国を治めなさい」
と御書きになって、大聖人様と同じように国の政治を行う幕府や朝廷の権力者に対して命がけで提出されました。特に、第三祖日目上人様は様々な困難の中、実に四十二回も諌暁されています。
 この申状捧読の儀式は、五百年以上も前の第九世日有上人の代から行われています。この儀式は、私たちが大聖人様の立正安国の精神を持ち、折伏に邁進するためにあるのです。
 ですから、申状捧読の儀式の最中は、手を合わせて拝聴し、御本尊様に折伏実践を誓い、「広宣流布(立正安国の精神をもって、南無妙法蓮華経の正しい教えを世界中に弘めて安穏な社会を築くこと)」が実現するよう御祈念してください。
 御会式は、一年で最も大切な行事です。ぜひ、家族と一緒に参詣しましょう。