平成21年3月16日付
新学期を元気にスタートしよう
 皆さん、こんにちは。
 来月からは、新学期を迎えますね。
 そこで、有意義に一年間を過ごすために心がけることをお話しをしたいと思います。


目標を立てよう

 新学期を迎えるに当たって、「勉強やスポーツをがんばる」「苦手な科目を克服する」「たくさんのお友達を作って仲よくする」など、まず新たな目標を立てましょう。目標を立てることは、私たちが日一日と成長していく上で、とても大切なことです。
 大聖人様は、学問を修めるため十二歳で清澄寺(千葉県)というお寺に登られました。この時、大聖人様はどのような目標・願いを持っていらっしゃったのでしょうか。
「幼少の頃から勉学に励んできたが、私は、十二歳の時から日本第一の智者(日本で第一の正しい道理をわきまえた智慧の優れた者)になるとの願いを立ててきた」(破良観等御書一〇七七頁趣意)
と仰せです。この大きな願いを立てられた理由は、ひとえに正しい道理が説かれる真実の仏法を弘めて、人々を救うことにありますが、大聖人様は「日本第一の智者」となるための願いを忘れることなく、勉学を懸命にされ、ついには南無妙法蓮華経の教えを説かれたのです。
 この大聖人様の御振る舞いのように、私たちは自分で立てた目標を成し遂げることを御本尊様に常に願い、努力をしていくことが大事であることを心得ましょう。



雪山の寒苦鳥のお話
 さて、目標に向かってがんばろうと思っても三日坊主になってしまう人はいませんか。「今日やることがあるけれど明日やろう」と、ついつい何でも後回しにしてしまう「怠けぐせ」のある人はいないでしょうか。
 そこで皆さんに、「雪山の寒苦鳥」というお話を紹介したいと思います。
「雪山(ヒマラヤ)は、夜の寒さがたいへん厳しい所でした。夜になると、そこに棲む寒苦鳥の雌は『寒くて寒くて死にそうだ』と話しています。そこで雄が『朝になったら暖かい巣を作ろう』と言いました。しかし、朝に太陽が昇り暖かくなると、寒苦鳥は巣を作ることを怠り、楽しいことに目を向けて遊んでいます。また、夜になると同じように寒さに苦しみますが太陽が昇ると遊んでしまう…。この繰り返しで、生涯を終えてしまいました」
というお話です。
 皆さんは、この寒苦鳥のように、楽しいことばかりに目を向けてしまって、「学校の勉強の予習や復習ができない」「宿題を忘れてしまう」というようなことはないでしょうか。


一日一日を大切に
 特に、仏道修行の上において怠けることは、悪いことです。
 皆さんは、毎日の朝と夕に欠かさず勤行をしています。勤行が信心修行の根本であることは知っていますね。
 中には「一日ぐらいやらなくても大丈夫だろう」と考えているお友達はいませんか。
 総本山第二十二世日俊上人は、
「一日怠けることは一生怠けることである。さらに一生怠けることは未来永劫に亘って怠けることである。しっかり勤めなさい」(趣意)
と仰せです。
 皆さんは「たった」と思うかもしれませんが、一日たりとも無駄に過ごすことがあってはなりません。どんなに立派な目標であろうとも、努力を少しでも怠ることがあれば絶対に叶いません。
 怠けることは、努力を惜しむことであり、時間を無駄にすることなのです。「あの時、もっとがんばっておけばよかった」と思っても、その時間は戻りません。一日一日を大切に過ごしましょう。
 そのためには、毎日必ず、勤行と唱題を行うことが基本です。そして、その時に御本尊様に目標が達成できるように御祈念をして、勉強にスポーツに励むのです。
 一日の努力では、進歩は判りません。しかし、一ヶ月、二ヶ月、一年が過ぎたときには、確かな手応えと、御本尊様から大きな功徳を頂戴することができます。さらに、怠けぐせが「やるべきことをどんどんやろう」という良いくせになります。
 さあ皆さん、元気に新学期をスタートしましょうね。