令和2年5月16日付
                今自分ができることを考えよう
 信心中心の生活を

 皆さん、こんにちは。
 暦の上では立夏(夏の始まり。五月五日から二十日)です。
 でも、まだまだ日差しは柔らかく、吹く風も爽やかで気持ちのいい季節ですね。
 総本山はツツジが満開で、ぜひ皆さんにお見せしたいと思い、紙面に掲載しました。
 カレンダーを見ると、大型連休が終わりました。去年までは、支部の少年部の合宿があったり、鼓笛隊の練習をがんばったり、家族でおじいちゃん・おばあちゃんの家に出かけたり、友達と遊んだりと、いろいろなことをして楽しく過ごしましたね。
 でも今年は、緊急事態宣言を受けて、お家で家族と一緒に過ごすことになりました。
 一方で、ふだんは仕事で忙しいお父さんやお母さんと、いっぱいお話をしたり、一緒に料理をしたり、遊んだり……いつもと違う思い出を作れたのではないでしょうか。
 外でお友達と会ったり、家族で出かける機会は少なくなりましたが、その分、家族との絆が深まりましたね。
 まだ当分の間は、今のような窮屈な生活を送ることになる見通しです。新型コロナウイルス感染症をこれ以上広げないようにし、私たち自身も罹らないようにするため、新しい生活様式を心がけ、今どうしてもしなければならないという以外の外出は控え、手洗い・うがいをこまめに行っていきましょう。

自分が家族のためにできること

 さあ、そういう訳で、お家にいる時間が増えました。その時間を、皆さんはどのように活用していますか。
 学校から宿題が出て、その勉強をしたり、家族でボードゲームで遊んだり、バドミントンをして過ごすとか、いろいろだと思います。
 そこで一つ、提案ですが、せっかくお家にいるのですから、自分がお家や家族のために何ができるか考えてみましょう。
「私はお母さんと一緒にご飯を作るお手伝いをしたよ。お母さんから料理を教えてもらって楽しかった」「僕はお父さんとお仏壇のお掃除をしたよ。きれいになって気持ちよかった」なるほど、みんな自分で考えて行動していたんですね。とても頼もしく思います。
 お友達の言う通り、お父さんやお母さんのためにお手伝いをすることは、親孝行といって、とても大切なことです。
 日蓮大聖人様は、『久保尼御前御返事』に、
「中国の西施という女性は、若菜を山で摘んできて、年老いた母を養っていた。それを見て天は憐れみ、越王という大王を狩猟に行かせ、大王は西施を見つけて后(妻)とした(中略)一切の善根(善い行い)の中で父母に孝養を尽くすことが一番大切なことで、まして法華経を信仰しての孝養であるから、金の容器に清い水を入れたように、少しも漏れることがない。本当にめでたいことである(趣意)」(御書一三六七n)
と仰せです。
 金の容器は法華経のこと、清い水は孝養の志のことを表わしています。
 このように一生懸命な親孝行は、諸天をも動かす大きな徳があるのです。信心をしていない西施でも大きな徳があったのですから、大聖人様の教えを信仰する私たちの親孝行の功徳は、もっと大きなものとなります。

親孝行をしよう

 一番の親孝行は、家族で一緒に信心をすることです。
 それは、すべての人が幸せになれるこの信心を中心とする生活の中で親孝行をするからこそ、大きな功徳があり、大聖人様も「本当にめでたいことである」と仰せなのです。また、家族の中で信心をしていない人を折伏することも、立派な親孝行です。
 ふだんは家族の生活リズムがばらばらで、みんな揃って勤行・唱題をすることが難しかったお友達もいると思います。今一度、家族で話し合って時間を決め、一緒に勤行・唱題をしましょう。
 この期間を利用して、ふだんよりたくさんの唱題をしたり、勉強の苦手だった科目を克服したり、離れて暮らすおじいちゃん・おばあちゃんにお手紙を書いたりして、家にいる時間を有意義なものにしたいですね。
 その鍵は、勤行・唱題を中心にした、規則正しい生活にあります。
 また元気にみんなで会いましょうね。