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過去帳について 皆さん、こんにちは。三月はお彼岸の月です。 日蓮正宗では「常盆・常彼岸」と言って、常日頃から、お盆やお彼岸の時と同じ気持ちで、ご先祖へのご回向をしていくことが大切であると教えられています。そのために大切なのが「過去帳」です。 過去帳について 皆さんは、「過去帳」をしっかりと見たことがありますか。よい機会ですから、お父さん、お母さんにお話して、手に取って見てみましょう。 過去帳は、その日に亡くなった方を確認し、回向するためにあります。ですから、過去帳をずっとめくっていくと、一日から三十一日まであります。真ん中には「南無妙法蓮華経」と書かれていますね。 上の段から見ていきましょう。 上の段には、まず、日蓮大聖人様をはじめ御歴代の御法主上人の御名前が書かれています。 例えば、「七日」のページには六名の御法主上人の御名前が書かれています。御題目の右隣には「開山二祖日興上人 正慶二年二月」とあります。これは、「大石寺を開かれた二祖日興上人様の祥月命日は、正慶二年二月七日です」ということです。 では次に、十六日のページを開いてみましょう。左端に、「宗祖御誕生 貞應元年二月」とあります。これは、「貞応元年の二月十六日が宗祖日蓮大聖人様の御誕生の日です」と教えてくれているわけです。 ほかにも、大聖人様の御生涯の中で大切な出来事があった日のページには、そのことも書かれています。 また、大聖人様のお父様・お母様の戒名、大石寺の開基檀那である南条時光殿も書かれています。 今度は、下の段を見てみます。 下の段に書かれている内容は、それぞれのお家によって違います。 皆さんのご先祖やご縁のあった方かれているからです。 また、身内が亡くなると、お寺に過去帳をお持ちして、御住職様に新たに書き入れていただきます。こうして記載していただくことで、毎月の命日に、忘れずに回向できるのです。 過去帳は、夕の勤行をする前に一枚めくって翌日のページにします。 その時に「明日は○○上人様の御命日だ」「明日は大聖人様の○○の日だ」「明日は○○さんが亡くなった日だ」と判りますね。そして五座の回向で、御歴代の御法主上人に対しての御報恩、大聖人様の御事蹟に対する御報恩、亡くなった方への回向ができるのです。 回向の仕方 回向は、朝夕の勤行、それぞれの五座で行います。 先程もお話したように、夕の勤行を始める前に翌日のページにしますから、命日前日の夕の勤行と、命日当日の朝の勤行の二回、回向するわけです。 @御歴代上人への御報恩謝徳 「総本山第〇世○○上人 御命日忌 御報恩謝徳の御為に南無妙法蓮華経」 A大聖人様の御事蹟に対する御報恩謝徳 (例えば十二日なら) 「文永八年九月十二日 宗祖日蓮大聖人竜口御法難 御報恩謝徳の御為に 南無妙法蓮華経」 B亡くなった方(大聖人様のご両親と南条時光殿を含む)へのご回向「戒名・または俗名 命日忌(亡くなった月の場合は「祥月命日忌」)追善供養の為に 南無妙法蓮華経」 これらの回向が終わると、題目三唱をした後に、「乃至法界平等利益自他倶安同帰寂光(この読経・唱題による多大な利益を法界の一切にあまねく平等に及ぼし、自他供に仏道を成じて安らかに同じく常寂光土に帰することができますように)」と祈念し、最後に皆で題目三唱をして勤行が終わります。 こうして、朝夕の勤行で積んだ功徳を五座で回向して、亡くなった方々にお送りするのです。 こんなにご先祖に対して丁寧で、尊い報恩の姿はありません。 終わりに ところで、五座の回向で一番最初に行うのは、御歴代の御法主上人への御報恩です。 それは、御歴代の御法主上人が何百年にもわたって、大聖人様よりの法を受け継がれてきたからです。大聖人様の教えが正しく伝わっているからこそ、私たちの信心修行も、亡くなった方々の成仏も叶うのです。 宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年という大切な節目を迎えようという今、そのことの有り難みを実感し、勤行の時は過去帳を毎日確認して、御歴代の御法主上人への御報恩とご先祖への回向をしっかりと申し上げましょう。 |