平成20年6月16日付
 一家和楽の信心を
 皆さん、こんにちは。梅雨の季節に入りましたが、元気な生活を送っていますか。
 さて、世間には「家庭崩壊」との言葉がありますが、家族を大切にしない人たちが増えています。中には家族と向き合うことができず、せっかくの家族なのにすれ違いが生じてしまうこともあるようです。その結果、残念な事件も後を絶ちません。
 しかし、社会の基本は家族生活にあります。家族はとても大切なのです。自分の一番身近な家族を大切にしないで何を大切にできるでしょうか。


 大聖人様の孝養の御振る舞い
 日蓮大聖人様は、御自分の家族を特に大切にされました。
 大聖人様は、建長五(一二五三)年四月二十八日、すべての人々の幸せを願って「南無妙法蓮華経」の教えを説かれました。このことは、皆さんもよく知っていますね。
 実は、その前の三月二十八日に、大聖人様は両親や師匠の道善房などに対しても説かれています。つまり、大聖人様は南無妙法蓮華経を、まず初めに家族や師匠などの親しい方々に対して説かれたのです。
 そして、ついに両親を入信に導かれ、大聖人様の御名前「日蓮」の一字ずつを付けて、父に「妙日」、母に「妙蓮」との法名を授けられました。
 さらに、お母様が重い病気の時も身の危険を顧みず訪ねられ、たいへんに心配し、病気の快復を祈られました。この大聖人様の真心の親孝行により、お母様は四年も寿命が延びたのです。
 私たちは、この大聖人様の御姿の通りに家族を思い、家族揃って信心をしていくことが大事です。


 家族と向き合っていますか
 皆さんは、日ごろ、家族の方と向き合ってお話をしていますか。
 テレビゲームに夢中になってしまい、家族の方と会話をしないということはありませんか。
 皆さんの両親をはじめとする家族の方々は、皆さんが生まれてから今日まで、そして将来にわたって、健康で立派に成長することを願っていらっしゃいます。また、皆さんも家族の幸せを望んでいることでしょう。
 家族同士が、信心を根本にお互いを支え、思いやることができなければ幸せな家族生活はありません。家族との楽しい会話は、その第一歩です。
 お話することは一杯ありますね。学校のことやお友達と遊んで楽しかったことなどをお話すると、とても喜んで聞いてもらえるでしょう。また、悲しかったことや悩みも素直にお話すれば真剣に相談に乗り、アドバイスをしていただけるでしょう。


 家族で信心のお話を
 とくに、信心のお話を家族で楽しくしましょう。信心はお寺だけでするもの、朝夕の勤行だけが信心と思っていませんか。
 信心を正しく行うからこそ、幸せな生活が送れるのです。ですから、生活を離れた信心もありません。私たちは信心の功徳によって生活を送ることができます。
 したがって、信心を真面目にしない人は、学校生活も疎(おろそ)かになってしまいます。勉強やスポーツにも積極的に取り組むことができなくなってしまうのです。
 とかく信心と生活を別々のものと考えがちですが、決してそうではないのです。
 御隠尊日顕上人猊下はかつて、
 「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮 六三五号)
と仰せられましたが、正しい信心修行によって、今以上に豊かな生活になります。
 このように日々の生活こそが信心でなければならないのですから、「御報恩御講などでの御住職のご法話やご指導を受けて、どのように信心生活をしていくべきなのか」または、「入信していない家族や親戚の方々をどのようにして折伏していくか」など、家族揃って話してみましょう。これによって家族の方と過ごす時間が楽しくなり、よりよい家族の絆(きずな)が築かれ、生活も充実してきます。
 来年の御命題達成に向けて、家族と共に今成すべきことを話し合い、揃って大前進をしてまいりましょう。